これからドンドン混沌と化すようです
転移し、たどり着いた場所は気まぐれなる大神に転移させられる前の神社であった。
【秘都神社】
《本堂》
「何なの?ホントに」
「だってそれぐらいしか話せないぞ」
「居なくなったと思ったらものの、5分後に光に包まれ戻って来たと思ったら破廉恥が消え新しいのが2人増えてるし、摩訶不思議な現象が目の前で色々と起きすぎてあり過ぎよ!キャパオーバー!」
「オレたちが居るうちはそういうのが多く多発するからそのうち慣れるぞ」
「慣れたくない……って…あぁ~!」
すると気まぐれなる大神が降りてきた時と珠輝は同じように光り輝いた。
『うむ、無事に戻れたようだな』
「どうにかな」
「接触が多いけど何か?」
『そんなに嫌そうな表情をするでない。お主たちからしたら朗報じゃぞ』
「ほうほう…それはどんな情報なんだ?」
『世界が巻き戻った事で太古の勇者のやらかしが少なからずなかった事になったであろう?
お主らのように【時空維持委員会】の連中がお主らを切り捨て太古の勇者を取った件を覚えてる連中と言い争いになり時空維持のトップがキレて「解散っー!」となり組織がいくつかに別れたぞ。
……奴らの監視が厳しかったのが緩和されることになったのに嬉しくなさそうじゃな』
「それの何処がいいんだか…逆にさらに混沌と化すのが目に見えるわ」
「だな。オレたちの一次元上の方々の所のようにカオスになってくのが見えるな」
『ホムンクルスなどの研究も出来るようになったというのにのう』
「まぁ…ハノンとレシェットの時はギリッギリだったしなー」
賀実は悠珂をみて(そういえばオートマタを紫蘭と共に作ってたな)と心のなかで呟いた。
「ホムンクルついてはどの次元であろうとも今でも議論にあがるからねぇ」
『なんか面白くないのう』
「オレたちは常識を多少は持ち合わせてるからな」
「…無敵の宿屋があるけれども紫蘭と愛丸は大丈夫なのか心配になってきた」
『異界からの襲撃がお主らのところではたまにだが起きているのか』
「最近は島の子供たちを狙いながらも賀実から宿屋の権利を奪おうとしてくる異世界ファンタジー生まれの輩が多いな」
「私と似たようなスキルを持つ人達が増えてきてるって小耳に挟んだ事あるけどもね」
『ふむ…』
「話しが終わったんなら帰れ」
『いや、まだ話すことがある。塩対応やめい』
気まぐれなる大神の『まだ話すことがある』発言に賀実と悠珂は眉をひそめた。
『お主たちの重荷にならぬ様に我の加護を回収する』
「…意外と速いな」
『我はなるべくだが、エコヒイキしないようにしているからのう』
「いきなりだな?!」
悠珂のツッコミをものともせずに気まぐれなる大神は二人から加護を回収した。
『これで主らは我の加護を失った。もう自由だ好きに生きよ』
「何かあったりした?」
『さぁな』
「「………………」」
それだけいうと珠輝の中から消えていった。
「……………なんか疲労感が半端ないわ」
「…事情とかは聞かないのか?」
「降ろしている時の会話を全部聞いてるから知ってるわよ…」
「そっか」
「そこの二人は?」
「大丈夫、宛はあるから」
「そう?もしダメだったり何かあったら来なさいね」
「うん、ありがとう」
それだけいうと悠珂と賀実は詩子とまつりに合図して本堂から出て行った。
「あ~…恐山のおばばの所にまた行かなきゃかしら…」
珠輝はそっと呟いた。
本堂からでて閣下化している神社の人達を見たまつりと詩子は「えっ」といった表情になっていた。
神社の人達も愛丸がいない事と突如として現れたまつりと詩子を見てギョッとしていたが悠珂と賀実に先導されているのを見て何があったのか知りたがったが聞かずに4人がこの社から出るのを見守った。
賀実は自身の寮がある場所に宿屋のドアを設置してから愛丸から預かった【忘却の霧】がでる装置を寮の外に設置して今日は解散したのだった。




