後悔先に立たず
【とある場所にあるラブナシカのお部屋♡】
「「…………………………」」
ラブナシカ被害者の二人は既にぐったりとして心あらず状態で放心している。
ラブナシカは肌がツヤツヤしてニタニタしながら微笑んでいるが何処か重圧オーラを感じる。
真澄と賀実はどんな表情をすれば良いのかわからず冷や汗をタラタラと流しながら3人を見ていたが。
「空気が重いわ!始めるならさっさと始めんかい!」
「んもう……せっかちね♡」
「せっかちちゃうわ」
「確かに始めないと退屈になるし飽きるわね……まず魔王サマはどうしてこの世界を消したのかアタシの説得(荒業)では話してくれなかったけど、どうしてかしら?」
「…………あの世界は闇が深すぎた……それだけだ」
「闇の王として名高い魔王が闇が深いとか言うんかい」
「そこのマッドサイエンティストな子はどうしてこんな事をしたの?」
「我は神族、あの地の人間を使い探求して何が悪い」
「全く持って反省しとらん」
「アタシが初めてじゃなかったし…本心を話してくれないのね」
「えっはっ初めてじゃない……やて?!」
「太古の勇者には劣るけどそれでも長生きしている不老不死と【衆道】してたみたいだし…イロイロ試したけど反応が面白くなかったわ。
そのあたりからの入れ知恵だったから何もかもが中途半端だったみたいだし」
「オネェ神の感想を聞いても響かんわ…てか魔王、衆道と聞いて顔を赤くするなや」
「…ラブナシカはその中途半端な人物たちに心当たりあるの?」
「残念ながらないわね…昔のアタシを知ってる子達は逃げるしそもそも近づいて来ないもの」
「あぁ…」
「何もかも中途半端ってどういうことや?」
「魂がとかの実験にしても全部が中途半端だったの。
本来なら神族が裏でやってる事なんて滅多なことがない限り…バレることなんてないのよ。
そこの子が言った「我は神族、あの地の人間を使い探求して何が悪い」って言葉通り一定のことは許されるのよ…自身が創造し管理している箱庭での出来事ならばね」
「そんなの通るわけ」
「通るのよ。今回、アタシが介入できた理由は異世界の住人を引っ張ってきて神族が暗躍に使ってたりしてたからなの」
「!」
「もし、そこの神族が異世界の住人を引っ張ってきてなかったら賀実や悠珂に呼ばれたとしても、アタシでもここまでは出来なかったわ」
すると放心状態の神族はハッとしそのあとに静かに涙を流しだした。
「後悔先に立たずを実践してるやん。でも全部己のせいやで、悔し涙か後悔の涙かはわからんけど自業自得や」
さらにシクシク泣き出した。
「それであの世界はどうするの?もとに戻す?それとも新しく作り直すの?」
「えっもとに直せるんか」
「今の現段階なら戻せる。ラブナシカが作り出したこの部屋は魔王が【とある魔法】で消した事で出来た【消された世界の記録の一部揺蕩う亜空間】にあるから」
賀実の発言を聞いた神族は泣き止み賀実の方を目を見開いて見た。
「【とある魔法】については聞かないでね。それだけは…秘術の中の秘術だから」
「直せるのか」
「それだけの代償をラブナシカに支払ってるからね」
「あらやだっ覗くなんてサイテーっ!」
「覗いとらんわ」
「代償を支払っている?……そこの変態に自主規制され自主規制されただけだぞ!」
「その自主規制している時に支払ってるんだよ。
それであの世界の最後の神族様である貴殿どうしたい?世界を再誕させるのかい?
それともこの場から旅立ち、旅神となり新たな目的を見つける?邪神として異世界に侵略するかい?」
「!」
「一つ私から言えることは旅神になるのはオススメしない。
皮肉なことに貴殿が消えなかったのはラブナシカが側に居たから似すぎないし、この次元を飛び越え星の海を渡ったとしても外の神族との力の差に貴殿は絶望するよ」
「…………」
「まずはそこにいる傷心している魔王と力比べしてみると良い…力の差を教えてくれるよ」
「我が魔王ごときに負けるとでも?」
「そこにいる魔王は貴殿の知る魔王の強さとは格別だよ。貴殿の世界の神族ごと世界を消したからね」
「それは不意打ちだからだ!」
「魔王ちゃん。相手してあげて♡」
「っ…!」
ラブナシカのウインクを見た魔王化した悠珂は身ぶるいしてから立ち上がりこの場で攻撃を開始した。
「んなっ!」
「全くもう。手が掛かるんだから♡」
ラブナシカが指パッチンすると二人の周りに結界を張り観察することになった。




