ラブナシカ様はラブナシカ様だった
賀実は目覚めることはないかもと一瞬にして覚悟したが目を覚ませることに驚いた。
だが今現在、どこからか聞きたくない声と音が聞こえた。
それはもう…今現在本当に聞きたくない声と音であるが、賀実は目を開けて周りを見て気絶している真澄の無事を確認できたことに一息ついてから真澄を介抱してから不快な声と不快な音を消すために立ち上がって向かった。
【とある場所にある愛丸のお部屋♡】
「こんな時にナニしてるのかな?」
「…………ゴメンナサイ」
この時、既に蘇芳の体からラブナシカ本人は出ており、肉体を構築して自主規制していた。
賀実はラブナシカが自主規制していたのを背後から蹴りを入れて自主規制させたあとに全裸のまま土下座させた。
※蘇芳の体はちゃんと魔力の結晶に閉じ込められている状態で保存されております。
「そこに転がってるのは何者だい?」
「貴女達が探してた神族よ…」
「……不義はするなよって言ったよね?」
「言ったけど不義じゃないわ!アルリタリカちゃんに依頼されてヤッたの!」
「そのアルリタリカ様は消し飛んだよ。気配を感じられなくなってるんじゃない?」
「あら?……!……賀実はその理由を知ってそうね」
「君が企んでたその時、3人で悠珂が修行していた場所に向かって行ったんだけど…」
里についたあとの話を全て話した。
「多分だけど真澄ちゃんが見つけたのは日記型の魔道書だったのね…何を仕込んでたのかしら?
それにしても転生人生始まった時の魔王の姿になった…ねぇ」
「多分だけど私に合う前の雰囲気だったよ」
「だとしたら管理者としてクソ真面目にしてた頃ね…賀実と真澄ちゃんはよく消えなかったわね」
「…【大神様の加護】か【転生特典】の中にそういったアイテムがあったかの二択だと思う」
「貴女を見る分に加護の方ね」
「そっか。真澄の無事に関しては私の体に張り付かせてたからだと思いたい」
「…その判断で間違いなかったと思うわ」
「それでどうするの?救うはずの世界そのものが消えちゃったけど」
「どうにもならないわよ。
昔よく言ってたけど魔王だった頃は強かったと自慢気に話してたけどマジだったのねー。
手を抜いてアタシらのを相手してたみたいね…まさか世界そのものを消せるレベルまで至ってたのねぇ」
「君でも魔王だった頃の強さは知らないのか。…それにしてもよくこの場所だけは消えなかったね」
「うふふふ…アタシ、こう見えてとても古く永く生きてるし、本気を出せば凄いわよ〜」
「知ってる……ん?」
賀実はどこからともなく視線を感じ取り、ふと上を見たら…。
「天井に今話題の人物が引っ付いてる」
「あら?」
ラブナシカも賀実と同じ方向を向くとそこには魔王だった頃の悠珂が張り付いていた。
「必死に張り付いてる感じが出てる」
「ちょっともうっ…賀実たら…ウフフフ…張り付き方……ププッ」
モゴモゴ何か言っている様子であるがラブナシカはそれを見ても特に何もせずに観察を始めた。
「何か悠珂の動き見てると不快なアレを思い出すわ」
「…本能って本当に凄いよね」
「カサカサと幻聴も聴こえてくるわ」
「流石にそれは……そういえば魔王様モードの悠珂は何しに来たんだろう?」
「多分だけど異物感を感じてここへ飛んできたんだと思うわよ?
世界を全て抹消したと思っている所に一箇所だけなんか変なのが有るんだけどってね」
変なのって言っちゃってる…と思いながら賀実は話を聞き始めた。
「………よく見るとやっぱり…良い男ね♡」
ラブナシカがこの言葉を吐いた瞬間に外側にいて張り付いている悠珂が身震いして落ちそうになったが踏ん張って事なきを得た様だった。
「身震いしてるし、落ちそうになってる」
「向こうも本能から危機感を感じ取ってるのかも…さてこれからどうしましょう?」
「そういえば蘇芳の体はあるけど魂はどうなった?」
「それなら安心なさい。貴女たちが家探ししてた時にそこに転がしてる神を捕まえた後にアタシから蘇芳ちゃんの所に転移して、魂を神族の体から切り離して魔力の結晶の中に入ってる体に入れておいたわ。
一度離れてしかも神族の体に入ってたから本来の肉体に馴染まない可能性があったらから馴染ませるために結晶の中に入れたの」
「あー…それでか」
「今なら救うはずの世界なくなったから賀実と真澄ちゃんは先に元の地球に送還するわよ?」
「このまま帰ったら、君が何かしでかしそうだからちゃんと5人で帰るよ」
「あら?」
「悠珂も転生した姿に戻してからじゃないと問題起こしそうだし」
「そうなの」
「どうやったら戻せそう?」
「力比べするか悠珂がどうしてああなったかの原因を見つけて魔術のバフを解くしかないわね」
「……力比べか」
「今の貴女では経験不足だから力比べはオススメしないわ…でも本物の強者との力比べはかなりの経験になるわね」
「もし私が死にかけたらコチラに移すとかできる?」
「……できるわ」
「なら力比べをしてくるよ」
「暴れるならアタシがフィールドを用意してあげるからそこでやり合って来なさい」
するとラブナシカは指パッチンだけで戦闘用のフィールドを創り出しそこへ賀実と魔王化している悠珂を送り出したのだった。




