二人は◯◯を召喚し…ビンタした。
【心水の森】
《心水の泉の湖畔》
「爆発で終わらせおった…」
「1番楽だからな。それに定番のネタだろ?」
「君という人は…」
「それに勇者の異物とやらの禍々しさからこの世界の技術じゃない物を感じたしな」
「もしかしたらだけど異界のマッドサイエンティスト達の隠れ蓑になってた可能性も出てきたから…」
「んー…このままだとアルリタリカ様とやらを信じて良いのか分からなくなってきたぞ…どうする?」
「表向きは女神様の指示に従いながら裏で調べるしかないんじゃない?
そもそも女神様自体も知らない可能性もあるけど」
「やっぱり生かすべきだったか?」
「もし、マジモンの異界の異物だったら逃げられてる可能性もなくはないからそちらも追いかけるのもありかも……譜月とかを召喚術で呼びたりしないかな?」
「やってみる価値ありそうだな…なら賀実からやれ」
「なんで」
「戦士寄りになったお前でも異界との繋がりが強ければ別世界の大物を呼べるのかなって」
「君は失敗とかの可能性を考えてまずはオレがやるぜ的な事を相変わらず言わないんだな」
「言わないぞ。オレは男女平等主義だからな」
「……召喚陣は私達が使ってきた奴で良いのかね」
「それでやってみてもし駄目ならこの世界の召喚陣を調べればいい」
賀実はオートマチックモードを使い、召喚陣をミスなく描ききった。
そして魔力を使い召喚し現れたのは……。
「「えっ」」
召喚されたのを見て悠珂ですら驚いた。
なぜなら召喚されたのが神になったはずのスオウ様張本人で召喚された本人も驚いていた。
「キャァァアア!」
「悲鳴を上げたいのは私のほうだ。神社生まれが煩悩にまみれ色欲に溺れおってからに!」
賀実は容赦なく全裸で現れた蘇芳に対して戦士として鍛えられ、手加減なしのビンタした。
するとぐるんぐるんと宙でえげつない回転をしてから地面に顔から落ちた。
蘇芳も抵抗しようとしたが召喚された者とした者との力の法則が働いているのか抵抗できずにぷるぷるしながら起き上がった。
悠珂は頬が赤く腫れている蘇芳の方を見てプフフフと笑いをこらえたがとある一部分を見てドン引きした。
「かっ神である吾輩がなぜっ!」
「知らんがな」
「賀実、このまま蘇芳の首チョンパすれば何もかも終わるぞ〜」
「なっ」
「やるか」
「お前達には理性の欠片もないのか!」
「何いってんだ蘇芳。お前が始めた戦だからな?ヤラれる前にヤるのは鉄則だろう?」
「たっ助けて」
「…ならどうしてこんな暴挙に出たか教えてくれた解放するかどうか考えてあげる」
「え」
蘇芳は冷や汗がダラダラと出て黙っていたが、賀実の言葉を聞いて蘇芳は全裸だが正座しポツポツと話しだした。
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《数ヶ月前のとある日》
「魂だけの状態で呼び出したことをまずは謝罪させてほしい…すまない」
「いっいいや……別に吾輩何もしてないし…そもそもオネェに体奪われてて何もできてない…それにアンタは誰だ?」
「私はこの世界の創造神の一角でこの世界の死者と冥界の管理を担当している【冥神アグフリード】と言われている」
「【冥神】と呼ばれている神様がなんのようだ?」
「……何度も繰り返してきたこの世界の宿命があるのだが…その宿命が起きている時に裏で我々神族の中に異界からトンデモナイ輩をこの世界に呼び込み、何か良からぬことをしてある者がいてな。
魂を弄られた者たちが何度も悲劇的な死を繰り返してその魂がどうなるかの経過を観ているまでは調べられたのだが…その実験を行っている馬鹿者を見つけられずに逃げられてな…だから一度神族を全て一新しようと思っている」
「話の内容からして重い」
なんか急にトンデモナイ話をぶっこんできたな〜と蘇芳は思った。
「その実験に使われた魂たちはどうなってるんだ?」
「その魂は既に私が回収し私の手で修正しているが……もとに戻るかはわからない…それほどに傷が深過ぎるのだ」
「アンタではどうしょうもないのか?」
「神であろうとも完璧ではないのだよ」
「吾輩を呼び出した理由は何なんだ?」
「お前は召喚された中でも染まりきっていない純粋さをまだ持っていてな…私の手伝いをして欲しい」
「手伝いをして欲しい?」
「そうだ、私の権限を全てやるからこの世界をめちゃくちゃにして欲しい。
私はその裏でこの世界の……私の愛しい子供たちを弄んだ……いや実験台にした馬鹿と異界の者を捕まえそれ相当な罰を与えてやるつもりだ……本当に急に呼び出し内容からして重いが……手伝ってほしい」
「良いぞ」
「……本当に良いのか?」
「あぁ、吾輩なら出来るんだろう?」
「出来る…お前の友人達はクセが強く我が強いから私の力を受け入れるのは難しいだろうがお前なら受け入れられるだろう」
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【今現在の心水の森】
《心水の森》
「「……………………………………………」」
「話せる内容は話したぞ」
「なんか面倒な事になってきたなぁ」
「もしかしたらアレら逃げきってる可能性大になってきたぞ」
「アレら?」
「お前に頼み事をした神族が追ってるかもしれない輩だよ」
「お前ら遭ったのか!?」
「君が好き勝手している時にもしかしたらだけど」
「でもオレが前に作った時限爆弾で爆散してる可能性もあるけどな」
「え?」
蘇芳には話せる範囲で話た。
「悠珂…お前という奴は…」
「なんかきな臭くなって来たね」
「どいつもこいつもな」
「所で吾輩の身柄はどうなる?」
「今回はハプニング扱いにして無かったことにしてやる」
「その心は?」
「現状維持して動きたいからだな。アルリタリカ様以外のヤバい神族が生きてる可能性の選択肢が増えた今、ことを荒立てて目をつけられたくない。
それと何か思いついたとして、それを実行するのに邪魔をされたくないのと蘇芳をヤッてはい終わりって言うのもなんかな」
「なっならもう帰ってもいいか?」
「帰る前に一つ」
「まだ何ー
蘇芳が言い終わる前に悠珂は賀実にアイコンタクトして賀実は頷ずいて行動に移し、悠珂は左に賀実は右に同時にビンタしてから送還した。
「……っ」
「神族の身体って丈夫だからねぇ」
「よく蘇芳をその場でぐるぐると回転させられたな」
「私は吹き飛ぶとは思ってたけどその場で回転するとは思わなかったから驚いたよ」
「……コレから忙しくなるぞー」
「しばらく召喚術はなしの方向でね」
「あぁ」




