適性真逆じゃねえか!なにしとんねん!と神は言った。
【新生ロボットを祀る神殿の跡地】
《広い場所》
「…助かりました」
賀実と愛丸によって傷の手当をされながらも話し合いができるとして広い場所にモコモコの絨毯を引いてその上で話し合いが行われていた。
「死にかけてるのに申し訳ないが貴殿以外の神族の方はどうなったかわかるか?」
「……全員もれなく首チョンパされました」
「逃げれたの貴殿だけか」
「そうです……あの方は唯一神になるそうですよ」
「今はまだ2柱だけどもね〜」
「……それでコレからどないすんのや?アレをどつきに行くんか?」
「それは第一の目標だけどまずは鍛え直さなきゃ行けないだろうね」
「どう言うことや?」
「真澄、ステータス見てみ」
「えっ」
悠珂に言われた通りに真澄はステータスを確認した。
【永城 真澄】
職業 無職
【ステータス】
【体力 Cランク】
【攻撃力 Dランク】
【防御力 Dランク】
【魔力 Dランク】
【魔防 Dランク】
【速さ Cランク】
【EXスキル】
【異界人】【血の気多い】
【スキル】
【ツッコミ】
【アイテムボックス】
【鑑定】
【言いくるめる】
「無職ってなんや!」
「職業ごと力も奪われたみたいだぞ」
「……全員見事に無職ってことなんか?」
「うん」
「救急手当は知識があれば一応はできるからね」
「どないすんねんっ」
「それなら職業を取ればいい」
「職業を取る?」
「自らなりたい職業の経験を積んでその職業につくんだよ」
「………狩人なら弓で鹿を狩ったりイノシシを狩ったりしてってことか?」
「その認識で合ってるわ」
「悠珂たちは何を取るんや」
「それはだな」
悠珂が何かを言う前に手当されてる最後の神族が話に割り込んできた。
「それなら私が適性テストして見極めましょうか?」
「あら?そんなボロッボロだけど出来るのかしら?」
「出来ます……いいえ、させてください。今のところ私も力を奪われてそれくらいしか出来ませんから」
「なら一度はやって貰うか」
「そうだね」
手当てが終わり最後の神族のアルリタリカ様は力の行使をしてこの場にいる四人の潜在能力を感じとった。
「愛丸様と真澄様は適正でしたが…………」
「愛丸と真澄は適正でしたが?」
「そこの二人は適正真逆じゃねえか!なにしとんねん!パワフルちょいとバカが魔法使いっインテリジェンスが脳筋プレイしてんじゃねえ!!」
「あらあら…本質についてそこまで言い放ったのこの子が初めてねぇ」
「……えっ」
真澄は苦笑いしている悠珂と賀実を見てポカンとした。
「はぁ……はぁ……はぁ…お二人はよくそのスタイルで永くやって来れてましたね?」
「なにを言って」
「こうなったからには真澄様にも話しておいた方がよろしいかと」
「この際だから話しちゃいなさいよ」
「愛丸は何を…」
「だな。話すか」
「そうだね」
「えっ」
悠珂と賀実は自身が転生者である事やカレコレ数千年生きた記憶がある事を話した。
「はっ…リアル転生者ってなんやねん…」
「まっ普通はそうだよな」
「それにしてもアナタ達の本質は転生しても変わらないのねぇ〜…まさかあの超面倒くさがりが今回の転生を手引してたのも何か裏がありそうね。
それにまさか最近の記憶しか継承されてないって…」
「いい加減、過去を引きずるな未来に生きよだそうだよ」
「全くあの超面倒くさがりは…」
「それで賀実と悠珂の本質ってなんなん?」
「あぁ…それはね」
最近の二千年ちょっとの記憶しか持ってない二人に変わり愛丸が変わりに話し始めた。
「本来なら賀実は魔法使いよりも戦士として活動したほうが良いの…転生人生が始まった時の賀実のお師匠様が凄い人で戦士を1級の魔法使いに育て上げちゃうくらいには本当に凄かったの」
「…逆に悠珂は魔法使いとしての才能の方がとてつもない程凄いと」
「そうなの悠珂は魔王って言われてたくらいだから。でもそんな二人の本質に最初に気付いたのはアタシじゃなくとある世界にいる鑑定マニアだったわ」
「(魔王って…)鑑定マニア…」
「でもその頃には既に後方前方のコンビネーションが出来てたからそのままで行こうかってなってそのまま数万年と永い時を過ごしたのよ」
「寝物語ちゃうんか?」
「オレと賀実と愛丸にとっては現実だな」
「ウチと出会った時には既に記憶持ってたんか?」
「持ってたぞ。だから時には紳士的に接して流すときは流してただろう?」
「はぁ~…お前達にテストで挑んでいた勇者たちは骨折り損のくたびれ儲けだったんやな」
「オレは絡まれるのを良しとしてたから100点を取り続けてるけどもな…フハハハ!」
「賀実も実は100点取れるんか?」
「いや、残念ながら取れない、宿題はやってるけども勉強とか悠珂と違ってサボってたりするから。
興味ある事しかやってません」
「取れないんかーい!しかも興味ある事しかやってないんかいっ!それでも上位の成績に入ってへん?」
「永く生きて知識を失うことのないとあるスキルに知識を溜め込んでるので」
「ズルや!ズルいのがおる!」
「それくらい出来なきゃ悠久とも言える時間の中で先生をやってられないよ」
「………」
「根本的な性格としてもアタシの偏見だけども賀実は戦士で悠珂は魔法使いって感じがするわね。
ねぇ賀実と悠珂」
「オレは嫌だ」
「私も」
「まだ何も言ってないじゃないのっ…もう!」
「どうせこうなったからにはオレは魔法使い、賀実は戦士として修行を本格的に積めって話だろ?」
「えぇ」
「絶対に嫌だ」
「こうなったら無理にでもやらせてしまえば良いのです。異世界で経験があるのであればなおさら」
話を聞いていたこの世界の最後の神族であるアルリタリカ様がそう申した。
「今はちょうど力を失い抵抗出来ないのであればなおさら良いのでは?」
「「えっ」」
「そうね……やっておしまい!」
「了解ですわ!」
するとアルリタリカ様は指パッチンして二人をそれぞれにふさわしい場所に飛ばした。
「あっ、え?」
「大丈夫ですよ真澄様。この世界を牛耳ろうとしているスオウとやらでも邪魔できない場所なので」
「あっそうなん?」
「それでアタシと真澄ちゃんは何をすれば良いのかしら?」
「お二人にはこのまま私と共に気ままな旅芸人として旅をしながら新たな神族に対抗できるように味方を作っていきたいのです。
愛丸様に関してはその体は神族のものでなく人間の体なので無理なく出来るようにですね」
「そうね」
「……二人に関してはどないすんのや?」
「旅してればいずれは逢えますよ…きっと」
「そ、そっか」
真澄はどこかへ飛ばされた二人にドンマイっと心の奥底でそう呟いて旅の支度し、ガンギマった蘇芳を思いっきりビンタして目を覚まさせ連れ去られた子供達のをも救えたらなと思い、オネェさんと古い時から生きていた最後の神族と三人でこの地から旅立ったのであった。




