本番はコレから♡
【新生ロボットを祀る神殿(基地)】
《神殿の本堂》
「…………俺としちゃあ…もっと血で血を洗うくらいやり合うかなって思ってたんだがな。
まさかここまであっさり終えるなんて」
「悠珂が造ったロボットのお陰でな」
「魔族領とかの問題は?」
「そのあたりは我々が責任を持ってこの世界の秩序もとい理通りに存亡を掛ける戦いまでには確実に戻しておきます」
「はぁ~…ようやく戻れるんやな。約半年の異世界生活か……短っ」
「元の世界に戻るときが怖いな…現実時間と同じ日数は流石に嫌だな」
「確かにそーね」
「…………愛丸いい加減、蘇芳にバトンタッチせえよ」
「それが居ないのよね」
「居ないってどう言うことや」
「言うのをずっと忘れてたんだけどガチムチパンツレスリングを始めた頃にこの体の持ち主さんの魂がこの体から居なくなっちゃったのよ」
「「えっ」」
愛丸の言葉を聞いた真澄と賀実は荷造りしていた手を止めて愛丸を見た。
「…内通者の尋問を終え次第…神族に聞くっきゃないだろうな」
悠珂は手を止めずに荷造りをしていたが、本堂の祭壇に急に光がカッと空から照らされた。
その様子を見た悠珂たちは目線を祭壇に向けた。
祭壇を照らす光から尋問すると息づいていた神族の方がボロッボロの状態で現れた。
「皆さんっ!この基地からお逃げくださいっ!新たな敵がっ!」
「へっ?!」
話を聞いた悠珂と賀実と愛丸は直ぐに立ち上がり荷造りした荷物を持ち愛丸が真澄と真澄の荷物をさらに背をってこの神殿から飛び出していった。
神殿(基地)からゴゴゴゴゴゴゴゴと地響きが鳴り響くと建物が全て破壊され、保護?していた子供たちは宙に浮かんでいた。
「いったいどないしてるんや!」
『どないしてるんやじゃないからな?真澄』
「ん?」
宙に浮いている子供たちのど真ん中に神々しい光を放つ人物が鎮座していた。
『そこのオカマ神、その体は貴様にくれてやるから、コレからこの世界に起こるであろう恐怖と絶望に震え上がるがいいっ!』
「あら」
「よく見たらお前、蘇芳か」
『悠珂…お前なら吾輩とそこのオカマ神を離れさせる術を持っていたのではないか?』
「残念ながら持ち合わせてない。オレはそこまでの万能じゃないしただの人間だからな」
『賀実はどうだ?』
「私も悠珂と以下同文だよ…そもそもこの世界だと奴隷商人ですので魂を縛る術は持ち合わせていても魂を切り離す術は今は…ない」
『……そうか』
「なんか偉ぶっていて生意気やな」
「止めとけ真澄」
「なんで止めるんや悠珂っ久しぶりに会ったとおもったら偉ぶってるんやで?」
「蘇芳、お前は何を見て何をした?」
『魂だけとなった吾輩はオカマ神の力の一部を使いこの世界の真理に触れ知った!!
この世界の繰り返される惨劇と悲劇を!
転生という新たな肉体の器の作り方を!
そして新たな神としてこの世界に君臨し、何でも思いどおりになる…吾輩が望む世界の創造を!』
ガンギマっている蘇芳を見て真澄は引いていた。
「あらあらとても頭の良い子だったのね♡
地球出身の勇者たちがジタバタしていた裏で転生やらこの世界の理を昔ながらの神族たちから奪い取るなんてね」
『それも貴様が吾輩の体に憑依し無防備になっていたから出来たことだ。吾輩が満足するまで煮え汁を飲ませた後に元の身体に吾輩自ら戻してやっても良い。
そこの顔なじみ共が昔やらかした事とこの力を手に入れるための知識をもたらした礼としてな』
「ウフフ……それはいらないわ♡」
『そうか…それは残念だ』
「蘇芳、せめて真澄だけは元の世界に送還してくれないか?」
『そうして欲しいならしてやる』
するとここで真澄はプッツンした。
「あ"?そんな上から目線でやってもらいたいなんて思うわけないやろ?自力で帰ったるわ!」
『そうか、ならお前たちが苦しむ様を見ていてやろう…くくくくはーっはは!
……お前たちが保護していた子供は吾輩の手元に置いといて置く…後の世の勇者とその仲間が誕生する血筋だったみたいだからな。
それともう一つ…悠珂、貴様が造った戦艦やらロボは全てなかった事にした。
元々この世界にもたらした事実だけはタイムパラドックスが起こる故に消せんがな』
言いたいことだけ言って神族に転生した蘇芳?が子供たちと共にこの場から消えた。
「…賀実えらいことになったぞ」
「そうだね」
「あそこまで面倒な子は久しぶりねぇ」
「のんきか己ら!」
「真澄は落ち着け。
まずは瓦礫と化した建物から俺達にピンチを告げてくれた神族の救出しないとだな……生きてるよな?」
「大丈夫よ。頑丈だから」
「……手作業か」
「それでやるしかないだろうな」
こうして悠珂、賀実、真澄、愛丸の四人はメッセンジャーとしてこの世界に肉体ごと降りてきた神族を救出をするために動き出し、3日ほど掛かったが瀕死の神族を救出することに成功したのだった。




