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元勇者の転生人生記録  作者: 冬こもり
【勇者卒業の章】
43/555

オルシェルアの秘密

西北の離殿


サニカの部屋


「さてと…皆寝静まったよね…行動に移そう」


◇◇◇


「ここにサニカ様が訪れるのか?」

「来ますよ、何故ならここに貯めていた保存食や防寒着があるのですから」


ふむ、やはりバレていたみたいだね…もうひとつの隠し通路に向かわないとダメか…5年貯めたその粗末な保存食と子供用の防寒着あげるよ…毎日の粗末な食事をひもじい思いをしながら隠して保存食にしていたけど…囮として使えたからいいや、行こう隠し通路に。

今は使われてない使用人の部屋にある隠し通路に向かった、途中から私が部屋に居ないと騒ぎになっていたが気にしなかった。


「ここなら……居るよぉ隠し通路の出口に人が…音で引き付けるか…止めておこう向こうも私がここに居ると気付いているみたいだし…素直に向かわないとね」


◇◇◇


「おや?皇女様ではありませんか」

「私は皇女じゃない、皇帝の血は引いてないから」

「どこでそれを…だとしても逃がすわかには行かないのです。レイチェル皇妃様が―「レイチェル皇妃様はもう元には戻らないよ」

「どういうことです?」

「私はこの国…この大陸から居なくなるから最初で最後の私の仕事として真実を教えてあげる」

「真実とは?」

「レイチェル皇妃様は肉体だけが生きているだけの存在だよ、魂がないからね、どんな治療法を試しても治ることはない」

「帝国の魔術師ですらそんな事を言ったものはいませんが…それが本当であればますます逃がすわけにはいきませんね?」

「私はこの国に一生利用されるなんてゴメンだね」

「ワタシも本気を―「もう終わってるけど?」

「なんです…これは」

「私がこの国の領土を出たら溶けるから安心するといいよ」

「首から上しか動かせなくするとは…」

「手とか動かせると厄介な事をしてくるのが居るからね、皇帝陛下に伝えるなら伝えてくれる?「二度と関わってくるな」とね」

「言えるわけないじゃないですか」

「言っても言わなくてもいいからね…それじゃあね」



◇◇◇



「こうして脱走して私は母親から引き継いだスキルを使って持ち運び式の家に避難しながら国を抜けたんだ」

「ばあちゃんが宿屋一族って薄々気づいていたけども…脱走して何をしてたの?」

「脱走した足で反オルシェルアを掲げている国の領土まで【ハイブースト】を使ってスキル使い休憩しながら走り込んだら3日で見つけて国に「母を訪ねて旅してます」と入国してそこで本当の父親の師匠さんに会ったんだ…私の師匠にもなったけど」

「えっ」

「私を見た瞬間にこちらに向かって「雪之丞(ゆきのじょう)!」って連呼しながらきたから逃げたね」

「何日続いたんだ?…ばあちゃんの父は雪之丞っていうのか」

「ガキの知恵振り絞り頑張って1週間逃げたけど捕まって、そのまま誘拐され両親が暮らしていた村に連れていかれたよ」

「幼女誘拐だ…ばあちゃんは魔法で抵抗しなかったんだな」

「うん、捕まったときに魔法封じの札を額に貼られて抵抗出来なくされてたからね」

「流石ばあちゃんの師匠になる人だ容赦ねぇ」

「荒れた村に着いていきなり面識のない父と兄と姉の墓参りさせられてから母の事を聞かれたから全て話したよ」


ばあちゃんの師匠さんだもんなきっと…。


「なんか魔法の呪文をぶつぶつ言ってから1週間後に皇帝が腹を下し公務も出来ないと噂が広がっていたからね反オルシェルアの国々でね」


呪殺じゃないんだな地味な嫌がらせだ。


「殺すのは簡単だけど生き地獄を味わわせた方が死ぬまで苦しみを味わわせているその様子を見ていた方が楽しいだろ?って言ったからね」


ばあちゃんの師匠さんやることえげつねぇ。


「その後にお前を弟子にするとノンストップで無理やり弟子契約を繋げられて実は生きていた同じ両親の兄と再会させられ「あっどうも」て言わされたけど微妙な空気が流れたからね」

「再会した後になんか変化あった」

「特になにも…兄は宿屋一族の習わしで旅しながら安息の地を探していたからね」

「へぇ」

「それ以来関わることはなかったね」

「その辺の話は飛ばして最終的にどうなったの?オルシェルア帝国の皇族達とのご関係は」

「あぁ…オルシェルア帝国は師匠の元から独り立ちしてから約20年後にちょっかいかけてきたから滅ぼしたよ…その頃には人魔竜戦争が始まっていたから…」

「…滅ぼした」

「その後に甥っ子がー「ちょいまってばあちゃん!双子の弟は!」

「私と甥っ子で屠った」

「えっ」

「詳しく話すと、弟は父親(皇帝)を殺して、いらなくなったとほざいて身籠っている妻を殺そうとして逃げられ私が弟の妻を保護していた間に実の母と妹にピーーしてピーーさせてピーーさせて堕ちるとこまで堕ちてたから責任もって私と成人した甥っ子でとどめを刺したよ」

「ばあちゃんぴーぴー言い過ぎだよ」

「リアルに聞きたい?」

「…止めとく」

「甥っ子については、母親ごと保護していた方がいいかなって思ってそのまま住まわせたんだよ。私の家で産まれて女ふたりで子育てしたからね…最初の息子はツンデレな子だったね」

「すでに始まっていた子育て…女性二人に育てられた皇子か」

「弟の妻は芯が強くおっとり娘さんだよ」

「それで帝国はばあちゃんと甥っ子に負けて解体されてどうしたんだ?」

「オルシェルアはやり直せると甥っ子が言ったからね。覇道ではなく王道の道を歩むと王国として再建させたんだ」

「それで甥っ子が王様になったんだよな?」

「そうだね、オルシェルアは甥っ子しか引き継げなかったね」

「ばあちゃんが育てた甥っ子以外にも血は残っていなかったの?」

「残っていたが…甥っ子以外の血が残せないように生き残ったその他の王族には処置をしたよ、理由はわかるだろ?ぴーぴー発言で隠したけど」

「あっ」


オレは違う話にすり替えた。


「…じいちゃんに会ったのは何歳の時だ?」

「話をすり替えたね……四十代の時だよ」

「オレはもっと早く会ってたと思ってたけど意外と遅かった」

「その時にルトラウスは3人の養子が居たよ」

「じいちゃんに養子が居たのか」

「私にも居たけどね…15人の養子が」

「やっぱりばあちゃんにも居るのかよ!しかも多い!」

「女ふたりで育てていたから出来たことだね」

「ん?女ふたりで…もしかして」

「甥っ子は王になったけど甥っ子を生んだ女性は私と一緒に暮らしてたよ、老衰で亡くなるまでね」

「マジか!皇太后にならなかったのかよ!てかその女性の名前教えてよ」

「…彼女の名前はファーリ、旧オルシェルア帝国の由緒正しき名門中の名門出身の令嬢様で初代【子育て大好きさん】と呼ばれた女性だよ」

「えっ」

「ファーリは「散歩に行ってきますわ!」とひとりで出掛けると必ず子どもを拾ってくるからね」

「マジかよ」

「マジなんだよ、拾ってくるんだよ」

「国王になった甥っ子は」

「会えなかったな…でも代替わりの時には必ず歴代のオルシェルア国王に会いに行ってたよ初代国王との約束でね」

「へぇ…ある程度知れて良かったよ」

「あとコレを触ってみてくれる?」

「コレを?」


ばあちゃんが手に持っていたのは少しだけ古いネックレス。


「私の甥っ子の直系の血筋に反応するネックレスだよ…反応したら全て私が知っている事を話すよ」

「……コレがそうなんだな」


オレが触るとネックレスは光輝いた。


「ビンゴだね……オルシェルアの血筋は特別な力を持っていてね【命を守る光】の力を持っているんだ…その光は愛する者達や命を守りたいと願った命あるもの全てを照らし加護を与え病気知らずな健康な体を維持させ動物や植物までにもその効果は広がり植物は枯れることもなく動物も長寿だった。

私はオルシェルア帝国について詳しく知る為に奔走して知った、だから皇帝は常に生まれ待った自身の光を身に付ける物に纏わせ力を継続させ数多のわがままや残虐な事をしても家臣達は眼を瞑っていたんだろうね。

王国として再建させて直ぐにその力を魔神や魔神教に知られ狙われてね、魔神でも行くことが出来ない場所にオルシェルア王国を私と初代オルシェルア国王と一緒に異空間に隠したんだ…何か有ったんだろうね…約3000年後に外の世界に逃がさなくては行けないほどの事が有ったのか…」

「オレは」

「ティルクスは選ぶことは出来る…リバンティエルに行った後にオルシェルア王国に行くことも出来るし、別にいいやと思うならいつも通りに過ごせばいい王族として育ってないし自由だからね」



ドバン!


「サニカ!さっきの光はなんだ!…テスが光ってるぞ!」

「じいちゃんとミストルとカフェルネか」

「テス!……テスが光ってる」

「なんだこの光は…温いな」

「ばあちゃんぽかぽかするんだが…」

「ティルクス瞑想して精神を落ち着けなさい」

「あぁ…」


ばあちゃんの指示通りに瞑想をしたらぽかぽかしたのが落ち着いてきた。


「眼を開けてごらん」

「なんか落ち着いたな」

「この魔力は見ていると落ち着く…光が少しだけ収まったね」

「こちらもさらに温かくなってきたな」

「ティルクスの母親か父親がティルクスを守るために力を封印していたんだろう、私が封印の鍵を開けてしまったみたいだね」

「ばあちゃん力が制御出来ないんだが」

「私の妖精の力を使って封印しよう、だけどいざとなったら使えるようにしておくからね」


この後ばあちゃんがオレに生命樹という木の枝で作ったアンクレットを使ってオレの持ってい潜在能力を封印した。

この後じいちゃん達からの質問攻めにあったがばあちゃんが「悪いけどその辺にしてくれるかい?この力の事は私からティルクスにしか教えられない話なんだ約束でね。話を聞くにはティルクスの家族になる者しか教えられない」とばあちゃんの言葉で質問攻めは終り微妙な空気が流れたが「ひとつやふたつ秘密は抱えている物だろうからな」とカフェルネの一言で普段の空気に戻った。






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