行動開始!
【ファウル・ファン・アヴァン】
《廃棄された聖堂跡地》
「…………嫌な夢見たぜ」
「君もか……」
ほぼ同時に目覚めた賀実は顔色が青かった。
「ろくなスキルしか余ってねぇ…」
「そっちもか…」
賀実の言葉に悠珂も察した。
「……取り敢えず鑑定とアイテムボックスは使えるみたいだから少しはマシになるんじゃないか?」
「だと良いんだけどね…取り敢えず職業見よっか」
「おう」
それぞれステータスを確認した。
【鍛冶屋敷 悠珂】
職業 オールラウンダー(剣士型)レベル1
【ステータス】
【体力 Cランク】
【攻撃力 Cランク】
【防御力 Cランク】
【魔力 Dランク】
【魔防 Dランク】
【速さ Cランク】
【EXスキル】
【カリスマ】
【スキル】
【異次元の大神の大加護】
【期間限定特殊型のアイテムボックス】
【古より伝わる神楽舞】
【剣術】
【槍術】
【アイテムボックス】
【鑑定】
【水滴を集める】
「あ~こういう系のステータスか。数字が出ない系は制限とかないからSまで鍛えれば無限に走ってられたりするから楽だな……オレってば初期ステータスからして優秀だな!……まっ取り敢えず及第点だな。
剣道とか習わされてたけどちゃんと実になってる……賀実はどうだ?」
悠珂は賀実の方を見ると体躯座りして更に重い雰囲気を出してどっからどう見ても落ち込んでいた。
「…どうした?もしかして遊び人とかの上級者向けの職業に当たっちまったか?」
「それだったらまだマシだったよ」
「えっ」
「私の職業…【奴隷商人】だったんだよ」
「えっ」
「【奴隷商人】だったの」
「…なんでやねん」
「こっちがなんでやねんだよ!需要ないよ!場合によっては犯罪者扱いだよ!最悪だよ!」
「…うわぁ~…」
悠珂も確認するためにお互いにステータスを見せあった。
【山本 賀実】
職業 奴隷商人レベル1
【ステータス】
【体力 Dランク】
【攻撃力 Cランク】
【防御力 Dランク】
【魔力 Dランク】
【魔防 Cランク】
【速さ Dランク】
【EXスキル】
【隠匿中のため閲覧出来ません】【生命の守りての魔力】
【スキル】
【異次元の大神の大加護】
【期間限定特殊型のアイテムボックス】
【アイテムボックス】
【鑑定】
【奴隷契約】
【使役】
【目からフラッシュ】
「お前は目からフラッシュを取ったんか!」
「口から炎を吐くのはね……それに二択だったから」
「火吹芸で旅芸人目指せばよかったのに…何で目からフラッシュを選んだんだよ」
「夜、外をウロウロするのに便利かなって……場合によっては目潰しにも使えるかなって」
「あ~…でも火吹の方が良かったんじゃね?」
「どうして?」
「焚き火するのに火打ち石使わなくてもいいし、松明に炎を付ければ明るなるから」
「確かに…今更変えてって言ったら変えてくれるかね?」
すると空から【賀実は目から【目からフラッシュ】を忘れ【口から炎を吐く】を覚えた!】とアナウンスが聞こえた。
「…賀実どうだ?」
「………確かに【目からフラッシュ】から【口から炎を吐く】に変わってる」
「……よし、なら今日を生きるために動くぞ!」
悠珂は寝床から立ち上がると聖堂の机の上に何かあるのに気づいた。
「賀実、使えそうだと言ってた机の上に何かあるぞ」
「えっホントに?だとしたら食べ物とか飲み物を少し恵んでって言ったの聞いてくれたのかな」
「賀実も天の声に頼んだのか?」
「えっ君もなの?」
「あぁ」
「…取り敢えず貰いに行こうか」
「そうだな」
少し照れくさそうにしながら二人はテーブルの元に向かった。
そしてテーブルの上には布に包まれた物が2つ置いてあった。
「さてさて…何が入ってるかな〜」
「………コレは」
ふたりはそれぞれ何が入ってるか調べた。
「オレは干し肉と黒パンと革の水筒だな…干し肉と黒パンは5日分入ってるぞ。
革の水筒は最高だな繰り返し使えそうだ」
「こっちは黒パンと硬いチーズと革の水筒だね。こっちも5日分入れてくれてるよ」
「日持ちするようにしてくれてるな」
「そうだね…食事を取って周辺の捜索しよう」
「流石に腹減ったな」
「うん」
ふたりはようやく手に入れたアイテムボックスに食料をしまって外に出て食事の準備をした。
「ようやく…マトモな食事が取れるぜ」
「…あぁ…チーズと干し肉の焼けた良い香りがする」
「「いただきます」」
ふたりは黙々と食事を取り約3日ぶりのマトモな食事にありついた。
「うんめぇー!最高だったな!」
「…そうだね。迷子にならないように私がウロウロした範囲が載ってる地図を見てから捜索を始めようか」
「だな」
ふたりは地図を確認した。
「…採取に関しては目ぼしいものを採るだけ取って教会の中で鑑定祭りしよう」
「私達に危害を加えそうなのは今のところ避けたほうがいいよね」
「あぁ、武器はないしこの体では本気の戦いなんてしたことねえからな。聖堂の中に錆びた剣とかあればと思うが…食糧問題解決したら聖堂の中を探索しよう」
「わかった」
「時間の経過とかもどんな風になってるかわからねぇから気をつけないとな」
「……地球基準だと良いんだけどね」
ふたりはそれぞれ拳と拳をコツンとやってから探索しに行ったのだった。




