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元勇者の転生人生記録  作者: 冬こもり
永い旅路
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二手に別れる話

【詠ま星学園】


《理事長室の前》



詩子がビンタして捕まえ簀巻きにしてギャグボールを装着させた引きずっている怪異✕2を見てルウカたちは引いていた。



「コイツらも連れて行くのか?」

「どうするべきかなとは思ってるわ…封印する術がなくって」

「オカルト研究会の部室の前でスタンバイしてたランニングマンをサニカから受け取った札を手に持ちながらビンタして捕まえて引きずり回しの刑にしたと思ったらモノマネ男も捕まえたもんね」

「だって悪さするぞって雰囲気出してたんだもの…」

「怪異なんだから悪さするよ」

「しないのも居るじゃない?」

「まぁ…確かに」

(ほだ)されるなっ」

「絆されてない。そういったのは一旦置いといて……君たちに聞くけど理事長室に入る?ドアの前に立ってるけど」

「ぼくは嫌だ。部屋に入る前から禍々しい雰囲気が出てるし、入ったらまた別次元に連れ去られそうだからヤダ」

「……この中で瞬発力あるの誰だ?」



ルウカの言葉に紫蘭とルウカの方をサニカとまつりは見た。



「だよな」

「…私が見よっか?」

「頼んだ」

「即答かい」



ルウカたちは一定の距離を取り、紫蘭は一旦深く息を吸って理事長室のドアの前に立った。


紫蘭はドアノブを掴んだ瞬間、悪寒が走ったがドアを開けた。

瞬時に部屋を見ると、理事長室と呼ばれているが机や椅子や書類やらを描くのに必要なのにないのと巨大な合わせ鏡にしめ縄がされていてそこにいたのは…紫蘭の本能が【見てはならない】と感じでドアを閉めようとしたが閉まらなかった。



「閉まらない…!」

「えっ!!」



すると瞬時にサニカが動いてドアを蹴って無理やり閉めた。



(…結構…重くなってた…子供の姿になってる状態では閉めるのは無理だね)

「……助かった…」

「蹴りで閉めてたけど大丈夫なの?」

「一度閉めれば大丈夫」

「えっあ……蹴り……紫蘭、お前は何を見たんだ?」

「…急に起きたことの理解が追いついてない時の反応しながらの質問ね」

「見る前に本能が見るなと言ったから見てない」

「……結局何だったの?」

「アレは…理事長室の合わせ鏡は異次元とかうんぬんとかの問題じゃない。

あの鏡自体が御神体でありこの学園の怪異たちの大元だね」

「……あの鏡を通して帰れないの?」

「アレは出入口じゃない。何かの御神体です」

「もしかしたら最後の正体不明の七不思議と関わりがありそうな感じだよな」

「……私としてはもう関わりたくない」

「だなー…そこまで感じ取れなかったが…ヤバそうだな」



のんびりと廊下で話し込んでいると学園の校庭が騒がしくなってきた。



「何か校庭の方が騒がしくない?」



詩子の一言にルウカたちは身を屈めながら窓をチラッと校庭の方を見てすぐにしゃがみ込んで窓がない場所までコソコソ話しながら移動を始めた。



「おいおい…食屍鬼どもが集まってきてるじゃねえか」

「もしかしてあの手記に眠ってた創立者に騙されたの?……今さらオカルト研究会の部室に戻ってもヤバイよね?」

「……あえて二手に別れて行動するか」

「何か思いついたの?ルウカ」

「オレとサニカはもう一回オカルト研究会の部室に行って手記の中に眠る創立者サマに会いに行ってくる。

紫蘭とまつりと詩子とミネコは理科室に行って身を隠してろ」

「えっ…私、君と行くの?」

「あぁ」

「………………」

「ご武運を」

「理科室って七不思議が居なかった?」

「いない方の理科室だ旧校舎の方な」

「…旧校舎の方」

「そっちのほうが危険な薬物が色々とあるんだ……いざとなったら食屍鬼に投げてやれ」



するとルウカは劇物薬物の戸棚の鍵とガスマスク✕4を紫蘭に託した。



「…何で君は劇物薬物の戸棚の鍵を持ってるの?」

「ハッハハ」

「……旧校舎にある理科室の劇物薬物が入ってる戸棚の鍵をかなり前に学園にいた理科の先生が紛失事件を起こしててね。

ルウカはどこに落ちているのか知ってるからだね。

それに尾びれ背びれが着いて私たちが通っていた方では七不思議として語り継がれてる…七不思議【理科室の怪物】として」

「理科室の怪物…」

「…もう少し話しても大丈夫そうだね…七不思議の内容は夜な夜な理科室に怪物が現れるて話だけど」

「いかにも噂話って感じね……それで真相は何だったの?解決したんでしょ?」

「真相は業者さんが戸棚の鍵を変えようとして夜遅くから夜明けまで5人がかりで四苦八苦してたが正解」

「何で戸棚の鍵を変えるだけなのに5人がかりで四苦八苦してるのよ」

「…その戸棚が昔からある奴で大事に大事にしてたから付喪神化してて抵抗してたんだよ…鍵を無くしたからって変えんじゃねえよって」

「そんなことってあるの?」

「あるんだよ…稀にね」

「…鍵を変えられないなら戸棚ごと変えようとはしなかったの?」

「実行しようとしたんだけど……戸棚回収と薬品回収の業者さんが揃って学園に辿り着けた試しがなくってね。

鍵を変える業者さんと薬品回収の業者さんは来れたんだけど邪魔が入って鍵を変えられないという戦いをかれこれ30年してたという…こっちの方はそれ以上だと思うけど…」



サニカとルウカ以外は30年も夜な夜な不毛な戦いをしてたと聞いて苦笑いした。



「ルウカはどこに戸棚の鍵があるのか知ってるの?」

「おう、こっちの世界の鍵も同じ場所にあったぞ」

「いつの間に回収してた」

「校内にはないからな…オレたちが通っていた方では鍵を見つけて先生に渡したらマジかコイツら見つけやがったって顔されたが…………そろそろ別行動を始めるぞ、玄関のドアの辺りが騒がしくなってきた」

「…所で旧校舎の理科室はどこにあるの?」

「この階段を登って2階の右端の部屋」

「了解」



こうして二手に別れ行動を開始した。


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