アケオメ ト アキラメ
【とある並行世界の地球にある東京】
《廃墟と化した高層マンション群の一室》
「明けましてになったのに……なにしてんだろ…僕たち」
「そうだねぇ…あの後に詩子たちと合流して、詩子の顔以外モザイクを見て引いてから空が赤いままだったから「アタシも東京に行くわよ」と言った詩子をパーティーにINして人が居ない道を通り東京に向かってたどり着いたと思ったら顔以外モザイクの詩子を見た人たちがパニックになったと思ったら人の皮を被った【食屍鬼】だったことで私達は蜘蛛の子を散らすようバラバラに逃げて今に至る」
「あはは…長い説明ありがとー…サニカ」
「…まつり、キツいなら宿屋の中に居ても良いんだよ?」
「ううん…なんとなくだけど外に出てないと行けない気がするんだ」
「そうか…君のそういう感は私なんかよりはかなり良いだろうから何も言わないよ」
「………ねぇサニカ」
「ん?」
「もしかしなくてもぼく達…反転世界に居たりするのかな?」
「えっ」
「えってなに」
「今になって気づいたの?」
「えっ」
「私は食屍鬼を見て確定した感じで私は潜伏してたけども」
「えっ……気づいてないのぼくだけだったの?」
サニカとまつりの間に絶妙な空気が流れた。
「なら魔法少女たちとマジカルな生物たちはどうしてこの空間にいたのかな」
「…現実世界で大きな震災が起きたのは確かだろうし、それを使って誰かが裏側に大勢を引き込んだのも確かだろうからね」
「引き込んだって…」
「裏で糸を引いてる魔術師がいるってことさ……例の【某有名な愉快なことが大好きな邪神様】ではないよ。
私達との関わりを飽きたと言わせたから」
「………犯人探しは今のところは無しとしてこれから【裏側の東京】でどうするの?」
「まずはルウカと紫蘭と詩子とその相棒を回収して…表の世界に帰るための条件を見つけないとだね…今現在分かれてる状態であっても帰る方法を見つけてくれてると良いな」
「あの三人と詩子の相棒と合流か…帰るための条件」
「特に狼煙とかの合図もないから…今はここに留まってるけど…まつり、双眼鏡で観察中の食屍鬼たちの動きはどう?」
「特に動いてないよ…向こうからはバレてないみたい…」
「ならこのまま観察だね…ほんの少しでも動いたら教えてね」
「了解…」
高層マンション群の高層階から観察しているサニカとまつりは【食屍鬼】たちを観察しながら今際の流れを見ていた。
一方その頃の三人は……。
【裏東京とあるデパート】
《屋上》
「おっ…今光ったな」
「えっ何が光ったのよ」
「あっちの高層マンション群から光ってるのが見えた」
「アンタって…マサイ族かなんかなの?」
「いや…どっからどう見ても空は赤くて暗いのに一瞬光ったから気づいたが…たぶん合流はまだ先だな」
「どうしてよ」
「高い場所から双眼鏡で観察していたんだろうが、多分だがまつりが双眼鏡で光の反射させたのに気づいたサニカが食屍鬼に居場所がバレるだろうからとまつりを連れて早めに移動させるだろうからな」
「そこまでバレるもんなの?それに光の反射をどうやって反射させたのよ…今は暗いのよ?」
「これも推測だけど…たぶん高層マンション群の方にはまだ街灯があって光があったんじゃない?」
「サニカはビビリだからな…街灯を見つけて頼りにしてたのかもな」
「……それでコレからどうするの?」
「ここは食屍鬼が彷徨いている時点でもう地球の裏側の世界決定だからなぁ…裏側から表に戻れる手段を見つけながら移動だろうな」
「食料と水に関してはサニカからもしものためにと【灰燼に帰した大都市】にいた時に持たされたカバンにいくつか入ってるけど…どれだけ持つかな」
「持たせるしかないだろうな…それと詩子。お前が持ってるさっきデパートから現世のお金を置いて持ち出したもん食ったら帰れなくなるから食うなよ」
「………ヨモツヘグイね」
詩子は少し離れた場所にデパートから持ち出した食品を置いた。
「正解だ……そういえばオレたちと別行動してた時だが何食ってたんだ?」
「詩子がためにためた引っ張ると勝手に暖かくなるレトルト食品を一緒に食べてたわ」
「詩子…相棒になんちゅうもんを…」
「忙しくて料理できなかったのよ…それも尽きちゃったけど」
「詩子は頑張ってる」
「紫蘭……それを言ってくれたの貴女で三人目よ」
「その前に二人いたのかよ」
「その前のふたりはアンタの親友と相棒のミネコよ」
「あぁ…(元彼には言われなかったのか)」
「ルウカ、詩子にミネコ…食屍鬼の動きに変化あり」
「オレらも移動すっか」
「えぇ」
こうしてそれぞれ安全地帯を確保しながらの探索が始まった。




