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元勇者の転生人生記録  作者: 冬こもり
永い旅路
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犯人はお前だ

【灰燼に帰した大都市】


《火天の宿屋前》


「………ここまで破壊し尽くされた街を見たのは本当に久しぶりだ……ホントに何があったんだろ…インフラ整備の不調とかの問題じゃないよ…」

『サニカ〜わたちを呼んだのってなんかあるの?』

「蓬を呼んだのは未だに鎮火しきれてない可能性がある場所に入るのに協力してもらおうと思ってね」

『あら〜』

「それともう一つだけ」

『なーに?』

「あの街のど真ん中にある丸焼きになったアレを調べるのに道が陥没している場所を察知能力が高い君に調べてもらいたくって」

『任せて』



それだけ聞くと蓬はサニカの肩から離れてすぃ~と宙に浮かび移動を開始した。


蓬はクチバシにある磁場センサーを使い陥没してそうな場所を探りながらサニカに安全なルートを示して丸焼きになったアレの近くに見事に案内してみせた。



『……………イカの香ばしい香りがする』

「私はぞぞぞって寒気がしたけど」

『従魔と人間とでは違…サニカはガスマスクをして?コイツの近くの空気に微量の猛毒があるわ』

「了解」


サニカは蓬に言われたとおりにガスマスクを装着した。

すると今度はサニカを温かいお湯で体を包みこんだ。


『わたちが作ったお湯だから毒を無効にできるよ。それで解体とかする?』

「ありがとう。…空気にすら微量の猛毒が含まれてるっていう話だから…私だけだと解体は無理そうだね…」

『ならどうするの?』

「このまま丸焼きになった生物の観察かな。7日間燃えてちょうどいい感じみたいだから腐らないうちに写真でも撮っとこうか」

『協力するわ』



サニカはアイテムボックスから撮り棒と写真取る専用のスマホを取り出し写真を撮り始めた。


一方ルウカは…。



【灰燼に帰した大都市】


《爆心地》 


『お前は何をしてるんだ』

「サニカが丸焼きに気を取られている内に証拠の隠滅だ」

『……』

「やっぱりババシャツの一部が爆心地にあるなー」

『集めきれるのか?』

「オレの分身にも手伝わせてるから集まるだろ」


ルウカはささっとババシャツの一部を集め始め出したと同時に爆心地に盛り土を始めた。


『今度は何をするつもりなんだ?』

「爆発はインフラ整備の不調でババシャツは関係ない」

『……証拠隠滅した所でこの地に住まう土地神や天上に住まう者たちにバレバレだと思うんだが』

「…やってみなきゃわからないだろ」

『全く…嘘が誠になればいいな』

「あぁ」



ルウカはとてつもない速度で特に酷かった爆心地を盛り土をしてから魔法を使い違和感がない状態まで戻した。



「…コレで完璧だな!インフラ整備の不調とかの偽装もしておいたしな!」

『その優秀な所を違うことで使えんのかお前は』

「それだとつまらねぇからやらん」

『………』

「さてと分身がサニカの所に行って手伝ってるし、そろそろ本体であるオレと入れ替わるとするか」



ルウカは移動を開始してサニカの元に向かっていった。










◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇




【灰燼に帰した大都市】



《街の中心部》



「……と私が知る限りの見解は話した通りです」

「嘘をついてる感じはしないってことはそうなんでしょうね…それにしてもダラシないわね。こんな原始的な怪物に負けてこの大都市に暮らしてた人たちを守れなかったなんて」

「灰燼に帰すってセリフを怪人側から聞いたことあるけど…ここまでなのは始めて」

「そうね」

「それでコレの正体は知ってるんですか?」

「もうサニカたら…敬語は使わなくって良いのよ?ほぼ同期なんだから」

「何度も転生し「黙らっしゃい。転生して若返っている人に敬語で話されるとババア扱いされるのよ」

「…わかった」

「それでいいのよ」



サニカと初代魔法少女さんで話し合っていると突如として丸焼きになったアレの上空に時空の穴が開いた。



「あれは………ちっ」

「げっ…あの色は妖精界のゲートの色ね」

「…妖精界のゲート?」



するとゲートの中から立派なおヒゲを持った威厳のあるおじいちゃん達が現れて一言。



「「「犯人はお前じゃぁぁあ!」」」

「おっ?何だ何が起きてるんだ?」



しれっと入れ替わったルウカも合流したが、ルウカもまさかここから思わぬ方向へ進むとは思っても見なかった。



「犯人はお前じゃってどういうことかしら?長老サマ?」

「今回のこの街が灰燼に帰したのはそもそも貴様のせいじゃ!!」

「変な因縁付けるのやめてくれないかしら?」

「因縁ではないわ!!貴様が今さっき言った現役のピチピチギャルな魔法少女が負けたのは【スイッチを押さないと出られない部屋】に閉じ込められた貴様が二つのスイッチを押したからじゃ!!」

「あぁ…服が弾け飛ぶって書いてあったスイッチのことね」

「服が弾け飛ぶ…」

「それって……」




服が弾け飛ぶの言葉を聞いたサニカとルウカは初代魔法少女と初代魔法少女に絡む長老ズをみて犯人はすぐそこに居たと少し距離を取った。



「あら?それがどうかしたの?」

「どうかしたのじゃないわ!!貴様が知り合いの男数名の服が弾け飛ぶだけのスイッチだけを押しとけばよかったものの!!貴様は…!貴様は全魔法少女たちの服も弾け飛ぶスイッチも同時に押した!!しかも押したタイミングが悪かったんじゃ!!全国各地の魔法少女たちが戦闘中だったのに突如として服が弾け飛び全裸になり魔法少女としての力を失って負けたんじゃーー!!」



妖精界の長老の衝撃的な事実の言葉を聞いたサニカとルウカは魔法少女とお供を見て唖然とした。



「あらま…」

「あらま…じゃないわ!!」

「妖精界は七峰詩子とミネコを永久追放とすることを議会で決定した!!貴様らは敵じゃぁあ!!」

「望むところよ!」

「そもそもなんで長老ズは詩子が【スイッチを押さないと出られない部屋】に居ることを知ってるの?」



ミネコの放った言葉に長老ズはビクッと体を硬直させた。

その様子を見て初代魔法少女さん…詩子は長老ズを見て吼えた「こんの害悪変態ロリコン共がー!!」と。


ルウカはこの状況を見て全てをこの長老ズと詩子に押し付けてやろうと思ったのだった。


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