休息
【とある並行世界の日本にある天ヶ原県】
《とある山道》
「はぁー…サニカはこういうに関して笑う方なのは知っているけど紫蘭も笑える方なんだね」
「魔法の開発や秘薬の作成に失敗して服が爆散するのとかクレイバール島では日常生活していて起きてたから」
「ここまでベタなの久しぶりすぎて」
「新品の子供服を持ってるのって?」
「理科の実験とか爆裂魔法の授業中に服が爆散したりするから着替えはいつでも出せるように結構な数を確保してる」
「女の子たちは大丈夫なの?」
「取り扱いを注意しなきゃいけない時の実験とかは男女別々でやるからビリビリイヤーンになっても大丈夫」
「そこら辺は分けてやってるだね」
「島の子供たちは一度はビリビリイヤっすを経験するからな。羞恥心が強いのが多い年だと次回から慎重になる」
「そりゃーイヤだよ…生まれたときから一緒の幼馴染だったとしても流石に素肌を見られるのは恥ずかしいよー」
着替を終えたふたりは染み染みと新たに紫蘭が入れ直したコーヒーを椅子に座って飲んでいた。
『それで寝たりするのかのう?』
「オレとサニカは三日三晩なら夜ふかしできるから平気だが紫蘭とまつりはどうだ?」
「それがビリビリイヤっすしたら目が冴えちゃって…」
「私も大丈夫」
「なら移動するか」
『コーヒーを飲み終えてテーブルや椅子とかの片付けしてから出発になりそうだな…少し眠るとするか』
『なら我も』
「出発の10分前に起こすよ」
充分な休憩を取り天藍と譜月を起こして山の中の移動を開始した。
暫くして山の高台に辿り着き、そこから見えた先日の大地震でビルなどが倒れているのが見える大都市を見つけそこに向かうことにしたのだった。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
【天ヶ原県にある荒廃した街中】
「……人っ子ひとりいないな」
「逆に人っ子ひとりいない状況ってヤバくない?」
『…だが…人の匂いも妖魔の匂いもせんぞ』
『このまま背に乗せたまま移動だな』
『そうじゃ
四人はそのまま街をぶらついたが特に異変もなく時間だけが過ぎ去って行った。
「宿場での事を考えると拍子抜けだな」
「拍子抜けじゃないよ。戦闘がない方が良いんだから」
「避難場所とかの誘導の紙とか看板もないね」
「あと仏さんもないよ」
「これだけの地殻変動が起きたと言うのにな」
「要因の究明したいけども…そろそろ時刻的に黄昏時で夜通し起きてたから宿屋の中で休もうか」
「賛成!風呂に入って美味しい食事を取ってふかふかの広いベッドで寝るんだっ」
「ならこの一軒家にするか?」
ルウカが見つけたのは一軒家だった崩れた家の方を示した。
「いい感じに崩れていて良いね。そこにしよう」
サニカは崩れつつある一軒家にドアを取り付け召喚してまつりと紫蘭を先に入れた。
「…ルウカさっきから県庁ぽい場所を見てるけど?」
「ココにしようと行った矢先に言う事じゃないが、背筋がゾクゾクしないか?あの建物から」
「私は特に感じない…君の感は侮れないから場合によっては火天の宿屋の車庫にある車に乗ることも考えようか」
「あっ……従魔に乗るよりも車の方が良かったんじゃ」
「譜月たちに乗ってたほうが小回り効くのと久し振りに外の世界の空気を吸わせて環境適応を鍛えておきたくって」
「普段の地球では従魔は出さないからな」
「出さないと言うより出せないが正解だよ。……そろそろ宿屋の中に行こう」
「そうだな」
ルウカが先に入りサニカが最後に入って鍵をかけてエントランスラウンジで待っていた紫蘭とまつりと合流した。
【火天の宿屋】
《男湯》
「ふぃ〜…あ~…効くぅ〜」
「おっさんみたいだぞ、まつり」
「数万年振りの特殊な宿屋の風呂は最高だねぇ〜」
「今日のはサニカが薬草風呂にしたみたいだな」
「特にサニカの薬草風呂は良い匂いがして良いよねぇ」
まつりは風呂に入り蕩けていた。
「…まつりからしてこの地球はどの様に見える?」
「うーん…パラダイス共の襲撃とか出はないよ」
「そういえばまつりはユートピアを創った連中のことをパラダイスと呼んでるがどうしてだ?」
「それはね〜…ユートピアなんてもんは神様であろうとも創り出せないからだよ。…絶対にどこからともなく世界に綻びが出てくるもので理想郷と呼ばれる世界が一つもないし実現できた例もないのにアレらの頭がパラダイス状態なんだもの。
ルウカたちも世界を創造してみせたけど君たちが思い描いた様に世界は廻ってないでしょ?
絶対にどこかのタイミングで重大な問題が起きて君たちは正しいと思う選択を取ってる。
どの世界でも当たり前のように行われているのにアレらは……でも今回は太古の勇者が動いたから神族たちも上から下へと忙しくしてるだろうし他の太古の勇者が動いてないからなんとも言えないね。
今現在この地球で何が起きてるかは初代魔法少女さんが調べてくれてるからボクらは今できることをしとけばいいのさ」
「……そうだな」




