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元勇者の転生人生記録  作者: 冬こもり
永い旅路
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名が付く強者と付かない者の差

【青の森のお宿】


《宿場街の商店街》


四人が空を見上げると真っ赤に染まっていた。

程なくしてお宿から徒歩で宿場街の方面へ行くと既にパニック状態となっていて、治安維持活動を行っている警察官を市民数名で襲っていたり店に侵入して強盗などが行われていた。


避難場所を目指す人達もいてさらなるパニックに陥っていてカオスな状態であった。



「ルウカどうするの」

「オレもサニカもパルクールの技術も失ってるみたいだから街中から出はなく林から行くか?」

「こんな異常な空を見て林に行きたいなんて言わないよ。なんだか境目が曖昧になってきてるみたいだから」

「境目ってそっち方面のだよね?」

「うん。ここは恐山が近いから余計かも…よく見てご覧…林が霧が掛かってる」

「なら早くこの場所から離れないとな。サニカが使えなくなる」

「相変わらず駄目なのか。どんなに時が過ぎ去ったとしても苦手なのは変わんないねぇー」

「無理なもんは無理」


四人は宿場街からなるべく出ないようにして人気が少ない場所を通って街の出入口の近くまでなんとかこれたがルウカとサニカが異変を感じ、異変を感じ取れてない二人を連れて出入口の近くの店へ身を隠した。




《酒屋だった建物》



「どうしたの?」

「なんだか出入口の方から血の匂いがしてね」

「まつりは感じ取れなかったか?」

「見れるけど感じ取るにはこの体では経験が浅いからまだ無理だよー」

「場合によっては少ししか進められなかったけど、もうサニカの宿屋に行くの?」

「もうちょい進みたいのが本音だがヤバ………サニカ出せ」



するとサニカは瞬時にドアを召喚して四人で駆け込んで最後にサニカはそそくさと鍵をかけた。






【火天の宿屋】


《エントランスラウンジ(中央)》



「急に止めてよ」

「「………………………」」

「…サニカとまつりの顔色が青い…ってことは」

「急に血の匂いが強くなったもんだからな。サニカとまつりは一体何を見たんだ?」

「……この騒ぎに便乗して出てきた人ならざるもの…人間に転生した事に少し後悔がが…」

「今回の地脈にズレが生じて昔の旅の修行僧が封じていた者が出てきたとかもあるかも。

もしそうだとしたら腹を減らしているから暫くこの場所は狩り場になる」

「だとしたら悪手だったか?」

「なら私が様子見がてら行こうか?忍者スキルMAXのままだし…」

「少し待て、生身で行くのは危ないからな。サニカ武器はどうなってる?」

「過去を改変されたみたいだけど【無敵の宿屋】で眠っている子供たちが存在しているお陰でクレイバールで作られた武器はそのままだよ」

「…そうかならオレも行く」

「大丈夫なの?」

「おう、ホラー要素ならオレは動けるからな…紫蘭には忍刀でオレも久し振りに短刀使って背後からヤるか」



サニカはアイテムボックスから短刀と忍刀を取り出しそれぞれに渡した。



「その二つの武器はオリハルコンで作られてるから退魔の剣としても機能してる。

一定のターゲットには効くけどもし弾かれるようならすぐに撤退しなよ?」

「まっ気長に待っててくれや。行くか紫蘭」

「うん……最初はスキルに頼っても良いかな?」

「身体がなれるまではスキルに頼よれ…オレも一定のスキルを失ってのステルス攻撃は久し振りだから一時はスキルに頼りながらするつもりだ…行ってくる」



ルウカはサニカから渡された短刀を手に取り一度鞘から抜いて刃を見て頷いてからしまい紫蘭よりも先に外へ出た。

紫蘭もその後を追って外に出たのだった。



「……あの様子だと紫蘭ちゃんは大丈夫?」

「まぁピンチになったとしても上手く切り抜けられる…と思うけど」

「けどって言い方からして…不安だったりするの?」

「作り直された身体でも初めての◯しの戦闘になるのと私の経験豊富な記憶を持っているからと同じことが今でも出来るとは限らない」

「ひっどい人だね〜」

「一つの経験さね…名が付く強者と付かない者の差がこういう時に出るから」

「……確かにこの状況に対応できないのであれば、これからの困難は立ち向かえないもんね」

「さてと、ルウカと紫蘭が何事もなく戻って来れるように門番やって来るよ」

「うん。気を付けてねー」



サニカも戦闘用の眼鏡を装着し直して外に出ていった。



「ひぇ~サニカが戦闘モードに入ってたよ」

『サニカも怖い顔出来るんですね〜』

「アレ?君たちはどうして残ってるの?」


蓬と譜月がまつりの側にいつの間にか現れてた。


『サニカに貴様の護衛をしろと言われたのでな』

「心配しなくてもここでは大丈夫だと思うんだけどな」

『異空間に巻き込まれたならば何が起こるかわからん。警戒することに越したことはないだろう』

「譜月の言葉がフラグにならないことを願ってるよ」

『……失言したかもしれん』

『大丈夫だよー』

「……ボクチン……ううん…某もなんとなくだけどルウカたちに会って魔力の存在を感じ取れるようになったから鍛えだそうかな」



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