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元勇者の転生人生記録  作者: 冬こもり
永い旅路
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夢の中のハロウィンは…ヤバかった

【火天の宿屋】


《食堂》



「はい。ラブから渡された紙」

「サンキュー」



ルウカは紫蘭から託された手紙の封をペーパーナイフを使い開けて手紙を広げた。





なかなか帰ってこない困ったちゃんと困った君へ


【大海と島々から連なる世界】に帰ってくるなと手紙を出した理由をここに書き足すわ。


一つ目は島の子供たちと紫蘭やマジェリルカ達も気付かなかったけど、アタシ達が暮らす世界を一瞬にして光が包みこんだと思ったら本来なら滅ばない星として認定されていたのにも関わらず宿屋以外が全て消されて時空間に宿屋だけが浮いている状態だったの。


2つ目は過去を改変されたとアタシの神族グループの使徒からの連絡が入った時にチラッと人質を取られてる映像が流れたて向こうはかなりの力を持ってると確信したから。


3つ目は過去を改変されたということはアナタ達の過去も改変されている可能性が頭の隅に浮かんだから。


そして最後は…無敵の宿屋はアナタたちが見知っている時空の狭間に浮かんでいる状態になっていて、アタシが発動させる【時の呪い】の効果もあって回収できない状態になってるわ。アタシたちは深い眠りに入るから心配せずとも好きなだけ研鑽してきなさい、それと紫蘭のことも頼んだわよ?



by愛の伝導神より




「ふむ……」

「紫蘭のこと()?」

「どうしたサニカ」

「ラブナシカのもって何か含みがある感じがするんだが」

「えっまだなにかありそうなの?」

「もしかしたらもう一人旅は道連れ世は情けが増えるかも」

「えぇ…」

「今回の騒動に巻き込まれてたりもするかもな」

「なんか大変なことになってきてるような…」

「まっなるようになるだろ」














◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇









【無敵の宿屋内で造られた夢の世界】



《全島民が集まれる夢の大広場》



「食べても食べても太らないってサイコー!!」

「こんな風に食べられるって良いですねー」

「ここぞと女子が物凄い本気食いしてる…」

「あらあら」

「ラブ先生っ!3段ケーキおかわり!!」

「もう…今度は食べたい物を想像してみなさいな。食べたい物を想像するのよ!」



ハロウィン仕様で仮装している状態で大食いしている女子たちは思いっきり食べたい物を想像し食べ物だらけになった。

「キャー!サイコー!」と小学生組の女子の食欲は止まることを知らない!



「小学生組の男子の方はどうしたのかしら?」

「女子の食欲を見てイオンが苦笑いしてるわ」

「ポーリアたら大人組から離れてきたの?」

「友人や年下組のイチャイチャシーンを見てられないわよ。目に毒よあれ」

「うふふふ…本当に仲いいわね〜」

「ロディンナもロッカもあんなふうに甘えることがあるのかって目を剥いたわ」

「特に夢の中だから本心が出やすいのかもしれないわね」

「あれを永遠と見続けるの何度も言うけど目に毒だわ!」

「……ねぇポーリア。白虎とキユクが手を繋いでイチャついている所をこっそり見てるのが居るわよ」

「えっ」



ポーリアはラブナシカが示した方を見ると仲良くハロウィンデートしているふたりの後を付けている白い布を被った簡易な仮装しているご長男様を見てまた目を剥いていた。



「えっ!玖寿ったらどうしちゃったのよ!?」

「しかもモジモジしてるわ」

「ぐふっ」

「最近、白虎から玖寿が他の子たちと比べて親に対してそっけないとか聞いてたけど……」

「ホントは甘えたいのかしらね…ふふふふ…普段から優等生な雰囲気を出してるけどまだまだお子ちゃまじゃない。

それに両親が仲良くしているを見てモジモジ……どんな感情なのか聞いてみたい気もするけど聞いたら確実に嫌われるわね」

「そういうのはノータッチが一番よ」 

「他に両親の後を付けているの居ないのかしら」



ポーリアは他に珍行動を取っている者が居ないか見ていると……見つけてしまった。



「……仮装している甥っ子が後を付けてたわ」

「あら以外と…男の子たちの方がむっつr…ゴホン…マセてるのかしら?女子は色気より食欲ね。

レンカはクーナとクートを誘って普段やらないような罠を仕掛けてるわよ」

「カオス」

「夢の中だから余計かも知れないわね〜そもそもココに来てないのも何組か居るし」

「よりによってあたしの親族がほぼいないっ!」

「仲良くていいじゃないの~」

「仲良くていいけどいつまで経っても家族内に羞恥心があるのよー!」

「意外な内面が見れて楽しいわ〜…でも覚えてたりすると恥ずかしかったりするから不思議な夢でも見たな的な風に確変しておかなきゃね♡」

「そうして…なんかツッコミ疲れたわ」

「ポーリアの場合はツッコミと言うより普段溜めている心の声じゃないかしら?」

「推察しないでくださいませ」

「わかったわよ。だからそんな怖い顔しないで頂戴」



ラブナシカは思っていた以上に欲望を抑えている島民たちを見て理性を保てているうちの島の子供たちは立派ね~っと感想を抱いていたのだった。



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