未来人にレッツおビンタ!
【とある浮島が多く存在する世界】
《マニアの隠れ家》
「ミーの大切なお嫁さんがっ」
「君がこの惨状…未来人達に倍返ししたんだね」
サニカはフルーレの兄レフィが積み上げただろう未来人たちを見て苦笑いしていた。
「お嫁さんを馬鹿にした奴には重いのを入れたでござる」
「随分と暴れたようだな」
「あっルウカ先生も来てたでござるか」
「どこか怪我とかないか?」
「大丈夫ですよ…締め上げておきました」
「相変わらずお前もユウコ同様に締め付けるの上手いな」
「紫蘭先生に教わりましたから」
「それで向こうさんは何か言ってきたりしてきたか?」
「特に先生たちに話す内容はないですが……一応報告しますと我々もあの世界に暮らす権利があると主張してたでござる」
「…住む権利は既に先祖が放棄してるんだけどなー」
「そうなんですぞ。コヤツらという前例を許すとなるとかなり面倒になりますからしばき倒していますけども」
「それでいいぞ」
「それでサニカ殿に頼みたいことがあるのでござるが」
「フィギュアの復元は出来るけど生きてる人間として転生させて欲しいは無理でございます」
「くぅ〜!やはり無理か!」
「出来ちゃったとしてやったら確実に私とルウカと無関係なラブナシカも巻き込んで然るべき場所に呼び出されて思いっきり叱られる」
「……ホムンクルスの研究されてる世界があるというのに…!なぜ我々は…許されないのでござろうか…!」
「この次元で暮らす輩の中にホムンクルス集団を作って神に反逆して暴れたのが一人二人と前例があるから無理だな」
「くっ!今からその者たちをしばきに行きたいっ!」
レフィは両手をワナワナさせていたがいったん力を抜いた。
「それでミーの甥っ子や子供たちは無事ですかな?」
「時折ヤバめの事件に巻き込まれたりしたがどうにかこうにかくすくすく育ってるぞ」
「そっそうでござるか……それにしてもこ奴らはマコト達の子孫で良いのですかな?」
「そこまで詳しく調べてないが多分そうだと思うぞ」
「紫蘭やマジェリルカ達から事情は聞いたけど…どうして遺恨を残すようなやり方であの世界から出たんだろうね」
「……仕方ない奴らなんですぞサニカ殿。心の中に厨二病を拗らせてましたからな…それも自身が被害者の如く可哀想なんだ系でしたな。
…現実を見れてるようで見れてなかったのを見抜いていた大人たちからして、そんな状態で異世界に出したら今度こそコチラが責任を持たなくては行けない様な状況を作らされるとわかっていたから無理やりでも引き止めていましたからな」
「レフィは変なところ冷静だな」
「えぇ…ミーはあの島ではおちこぼれの方に入りますから…よく周りを観察してましたよ」
「…クレイバール島の子供たちに落ちこぼれなんて居ないよ」
「ふふ…先生達は…本当に大事に大事に育ててくれますからな…アイツらはそれすら可哀想な自分に対しての同情だと思い込んでいたようですが」
「ネジ曲がるような事を経験させちまったからなー」
「アレに関してはルウカ先生や紫蘭先生達のせいではないですぞ…悪いことが立て続けに起こってしまっただけですからな」
「…それでレフィはいつ戻るんだ?」
「暫く里帰りしてませんからな…帰ったら帰ったで祖母に怒られ弟夫婦からも怒られそうですなー」
「それはお前がちゃんと連絡を取ってないからだろうが」
「いや~面目ないっす。でも久し振りに里帰りしようかな…なんちゃって」
「ならこのまま帰還するか」
「えっちょっまっ……あ~れ~…」
レフィは早速ルウカが作ったポータルにねじ込まれてクレイバール島の【無敵の宿屋】に送られていった。
「レフィが持って行きたがる物はオレが把握してるからそれだけ持って帰るぞ」
「ここに寝っ転がりしているのはどうする?」
「このまま放置して良いんじゃね?時空維持の連中も動いているし何かあれば連絡が来るだろ…なにか気になることでもあるのか?」
「いや…」
「なら帰るぞ」
「そうだね(あの子孫達が全員持ってるアクセサリー何処かで見たような気がするんだけど…もし問題がこちらまで来るようなら地道に解決していかないとね)」
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【無敵の宿屋】
《エントランスラウンジ(左)》
「兄ちゃん久し振り帰ってきたなー」
「…伯父さん久し振り」
「久し振りでござる…レンカも随分と大きくなったな〜…ロッカに似てきてるし」
「当たり前だ、あたしとフルーレの息子なんだからな」
「戻ってくるとは珍しいの〜何かあったのか?レフィ」
「冗談で島に戻ると言ったらルウカ先生にいきなりねじ込まれたよ」
「アッハハ!ルウカ先生は冗談であろうとも言質を取ったと行動に移すからの!」
「笑い事じゃないよ〜婆ちゃん」
「それにしてもオタク具合が更に磨きがかかっとるの」
「えぇ!そうとも!日本のオタク文化は最高なりー!」
「嫁の一人でも連れてきてくれれば更に万々歳なんじゃが」
「ルルエールさん、レフィにそういったのはあんまし期待できないぞ」
「ロッカさん、言いすぎです」
「良いんですぞフルーレ。ロッカの言うとおりですからな…」
「……でも体はたるんで無さそうだな」
「地球で暮らしていても面倒な事柄に巻き込まれたりするものですからな。積もる話もありますからなゆっくり話しましょうぞ」
「それならアタシのオススメのお酒をおろしてあげるわ♡」
「ラブ先生も相変わらずでホッとしますなー」
クレイバール島に一足先に戻ったレレフィオーストは昔馴染みたちと共にラブナシカが用意した酒をそれぞれのペースで呑みながら無敵の宿屋で過ごし始めたのだった。




