戦の終わりを告げる奇跡
体調がだいぶ良くなりました休んだ分の投稿を頑張ます…鼻詰まりきついれす。
「シェザーナ様!ご無事ですか!…なんだ!あれは!?」
「いっ!?気持ち悪!」
【人ヲ見テイキナリ驚クノ止メテ貰エマス?ソコノメリケンサック持ッテルオ嬢サン、キモイッテ言ッタ?】
「タイミング悪いなお前ら(お前らは本物のだな)」
「ルトラウス様!?どうしてここに!」
「嫌な勘がしてなサニカとカフロルトにさっきついて別々に行動していたんだが、最上階のフロアが爆発したから気になって来たんだ」
【ネェ、無視スルノ止メテヨ】
「それにしてもここの兵士は精神がタフだな、あれを見て錯乱せず話せるか」
「先代女王陛下に鍛えられた国民をなめないでください」
【アレ扱イスルノモ止メテ】
「本当によく生き残っていたな」
「どういうことですか?」
「この国はすでに下級デーモンを使って半分乗っ取られていたんだ」
「なんですって!」
「だか安心しろ本物のシェザーナはこの国に居る」
「だったら早くシェザーナを!」
「無理なんだよ、下級デーモンを操るのが確実にこの近くにいる、そしてその操る者をこの国に入れた内通者がいるからな」
「そんな…裏切り者が居るなんて…」
「まぁよくある話だ人間ってそうだろ?」
「…ですね…ルトラウス様ですらわからないのですか?」
「わかってるぞ、犯人と内通者」
「「えっ」」
「間抜けな奴らだったな、変身してる所と内通している所を見ちゃったからな」
【…………】
「私どもに教えてもらえないだろうか?」
「今は無理だ、全員揃ったら教えてやるよそちらの方が面白いだろ?」
「そう…ですか」
「ところでこのデーモン動かないのですね」
「ん?…あぁ動きたくても動けないんだ俺の眼の力で固定してるからな【下級デーモン】捕まえるの楽だ」
【捕マエルノ楽ッテ言イヤガッタヨ!】
「急にまた喋りましたね。デーモンを捕まえるのが楽ですか…三千年前に突如現れた存在で聖職ですら捕まえるのに五人必要なのに…」
【ホントダヨナ可笑シイヨコイツ】
「シェザーナ様はどこに居るのです」
「これから尋問のスペシャリストに来てもらうからちょっと待っててくれ」
【トコロデヒトノ話ヲ聞イテマス?】
「デーモンを尋問出来るのですか?」
「デーモンは器の小さい人間の成り果てだ。だから人間だったときの記憶を覗いてデーモンになった理由を暴露してやればいい」
【サラット酷イコト言ッタ!】
「そうすれば強制的に口を割らせる事が出来る」
「えげつないですね…お祖父様は無事だったのでしょうか?」
「その辺はサニカたちがここに来るまで待つしかないな」
◇◇◇
「母さん…はぁ…はぁ…どうにか退けたよ」
「少し調子に乗ってた見たいじゃのう」
母さんはやっぱり強いね、僕よりも先に気絶させたし、従業員さんたちは人の姿に戻り気絶している。
「そうみたい、自信過剰になってたみたいだよ」
「血の衝動を何回使ったのじゃ」
「三回かな」
「わらわの血を飲むか?」
「必要ないよ」
「良いではないか」
「良くありません父さんに僕でも怒られるよ」
「そうじゃのう」
「あらあら終わってたわ」
「ミストルなかなかやるようになったな」
「テムル兄さんにティアさん?」
「ふふふ、あたしの事はあんまり覚えてなさそうね」
「当たり前じゃティア、ソナタはミストルが四歳の時に旅に出ていたのだから、ここには何の用なのじゃ?」
「あなた達の護衛と水守りの魔法を使うために、ルトラウス様に駆り出されたのよ、イシェーラ安心して城の最上階にはルトラウス様が向かって北側にはサニカ様が向かったから」
「これでテスとカフェルネも安心かな」
「そうか…テムルもご苦労様じゃな」
「良いんだよイシェーラちゃん、俺はお袋のお目付け役役だからな。もし突然目的と違う事をしても平気なようにの役目もある」
「水守りの魔法を展開しながら城に向かおうね」
「俺も掛けとくか」
「西側と東側はどうなったかな」
「それなら……東はセルクシアとラセスがてこずっているのを見かねてルノカがほとんど倒してたな。西はミストルとイシェーラちゃんだとまだ勝てないのが暴れていてな…元気が有り余っているルノカが遊びながら時間を稼いでるよ」
「そこには近衛騎士達と国の宰相さんが」
「近衛騎士と宰相なんて居ないかったぜ?」
「なんじゃ…と」
「城の最上階に行けば答えがわかるんじゃないの?」
「ティアは知ってそう…じゃな」
「そりゃあ…あたしは星占い師だから詠めるし星が教えてくれるからね、何が起きていたか」
「そうか…」
「母さん………あれ…何か聞こえない?」
「始まったみたいね、妖精に伝わる【妖精の調律】が」
「妖精の調律?」
「不死者の大群とデーモンには効果抜群でミストルにも効いちゃうからな、水守りの魔法があると防げるから俺達が呼ばれたんだ」
◇◇◇
「ベビーモスを切っても切ってもその辺に転がってる亡骸を使って再生してるし…もはやベビーモスじゃなくキメラだな」
ずももも…と音がする。
「…また、ばあちゃんの作った秘技使うかあと一回しか使えないが……【百花影刹】!」
相手の影を100個の花の影として切り落とし、その余った影を相手に帰して切った100個の花の模様を生身に浮き彫りにさせて切り刻む刀術。
巨大な敵にはよく効くが……やっぱりダメか…今度はドラゴンを取り込みやがった。
「カフェルネ!ネクロマンサーは見つかったか!」
「それが見つからないのだ」
「操っているのを見つけないと、この大群を止められない」
「だか生体反応が無いぞ!どこ見ても歩く屍しか反応がない!」
「だとするとこのキメラの核にされてるかもしれないな」
「それが本当なら厄介だぞ、ネクロマンサーが核の場合はまず助からないし、その不死者山の兄弟を殺してこの現状を起こしているのが別に居ることになるぞ」
「離れる事は出来ないからな…」
初めてだここまで苦戦したの…少し調子に乗ってたなオレは…ここまで消費したのはいつだ?
「はぁ…調子に乗ってたなオレ…不死者なめてたよ」
「我輩もだ…」
「全く調子に乗るなといっつも言っていただろう」
「ばあちゃん!」
そこには普段の格好ではなく黒装束の動きやすそうな格好をしていた、ばあちゃんは闇で作った刀を使いオレの眼でも追えない速さでバッサバッサとドラゴンゾンビやジュラハン、ワイトキングなどの上位の死霊系を切っていた。
「ベビーモスに吸収されないだと!」
「切るコツがあるんだよ、昔はそれが出来ないと敵を増やし埒があかないからね…カフェルネ、少しの間足止め頼んだよ、これから行う事をすれば取り込まれても平気だから」
「!…任せるがよい!」
「どうしてここに居るんだ、ばあちゃん!」
「この国全体で問題が起きていたみたいだから動いたんだ。ルトラウスひとりではなにしでかすかわかったもんじゃないからね。上に居ても良いんだが暇でね…イシェーラとミストルの元にはティアとテムルが向かったから安心しなさい。ティルクス私と昔よく言葉遊びしていた【詩】を覚えてる?」
「……【煌めきの雫】だっけ?」
「良かった覚えてた内容も覚えてる?」
「…うん…なんとなくは」
「私がメインで言うから復唱頼めるか」
「えっ……………妖精モードでばあちゃんは唱えるのか?」
「このままだよ」
あいた間をばあちゃんは無視したよ。
「えっそのままでも妖精の力使えるの?」
「使えるよ、普段は光以外の魔法しか使ってないけど私は幽光の妖精の先祖返りだよ?」
「そうだったのか?」
「ティルクスは何の妖精だと思っていたんだ」
「…人間の時は無表情で少し怠…少し暗いし、妖精になるとスッゴく明るくなるからてっきり日影の妖精かと思ってた」
「……言ってなかったもんね」
ばあちゃんから悲しそうなオーラが…。
「どうしてオレなんだ?」
「小さい時から私の光とルトラウスの光を浴びて育ったか光魔法得意でしょう?それも最上級の光魔法使えるし」
「聖職者でも勇者でもないのに光魔法使える理由が今さらわかったよ…復唱で良いんだよな?」
「…では早速」
【地上に残りし未練に囚われた魂を
鎮める【煌めきの雫】を降らす
奇跡を越しあるべき路を歩ませ
新しき旅路の案内は私達の調べ
新たに生まれる命の誕生を喜び
祝福の鐘を鳴らし知らせよう
この世界を奇跡の煌めきで満たす
私達は世界に輝き満ちる命を見守る者】
調べを言い終り雨が降りだし辺り一面をの不死者を浄化している…キメラも溶け始め流れ出した血と肉も雨に浄化されていっていた。
「ありがとう…私ひとりでは国を含む広範囲に奇跡を起こせなかったよ」
ばあちゃんの体全体がほんのり発光している……暖かい光だ。
「妖精モードにならなくても光るんだな」
「普段は力を押さえているからね」
「不死者達が消えてくぞ…我輩初めて見た、これが【奇跡の代行】か天使の系譜が起こせる奇跡のひとつ」
「私は光の妖精の先祖返りだから起こせるんだ」
「幽光の妖精はどのように生まれたのだ」
「この星が誕生し水や草木が生まれ海の奥底が幽かに光りその光から生まれたのが幽光の妖精。力を使いすぎて幽な光になって消えたら許さんぞってルトラウスに怒られるけどね」
「ばあちゃんは力を使いすぎると消えるのか!」
「たとえ先祖返りでも使いすぎると光になって消える、魔法は万能じゃないからね…さてと私達も城の最上階に行こうか」
「骨を埋めないと骨が動き出す」
「ネクロマンサーや死霊使いは浄化されていっている骨に触ったら溶けるからそんなバカはしないだろう、それにここには天然の掃除屋がいるから必要ないさ」
結局見つけられなかったなネクロマンサーの兄弟…ばあちゃんやじいちゃんが動いたと言うことはかなりヤバイ状況だったって事だな。