会合での長い話
【クレイバール中央地区】
「これで全部だよね。建物全てにプロテクトを掛けておいたけど持つかね」
「そればかりはわからん。…ラブナシカがキレ散らかすだろう事態はそれこそ数万年ぶりになるからなぁ…知り合いの強者達に連絡したら全員転けながら引き篭もる準備してたぞ」
ルウカは笑いを堪えながら言った。
「あぁ…飛び出す可能性もあるのか」
「あら?…ラブ先生が悪さしないように、お二人が封じ込めてますよね?」
「普段のラブは仕方ないわねーっていう感じで私達の拘束に縛られてくれているんだ。
本当に古い古ーい神族だから暴走状態のラブを私達レベルの魔法では縛れない」
「太古の勇者なら縛れるんじゃないか?」
「……本当に太古の勇者と呼ばれる方々は規格外なのですね」
「規格外だからこそ厄介なのに目をつけられるから自身が望む世界を造って引き篭もり、数多の世界を巻き込むほどの厄災が起きない限り出て来ない」
「強くなったとしても……外の人間社会は世知辛いですね」
「人間は欲深いからな。仕方のないことだ」
「…紫蘭には畑仕事に出た組に宿屋の部屋に引き篭もようにの連絡を貰ったから逝こうか」
「サニカさん……最後の言葉が」
「ある意味あってるな」
「………それほどなのですか」
【火天の宿屋】
《エントランスラウンジ》
「それでどうしたのよ。子供たちを家に帰したと思ったら急にアタシをここに連れ出すなんて」
「今回の会合で起きたことをちゃんと君にもしないとだからと思ったからだよ」
「そんなに凄かったの?」
「凄かったも何も君に関係あることだから話すんだ」
「えっ」
「ラブナシカ、心を落ち着かせて心して聞いてね」
「………」
サニカは会合であった事を話しだした。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
【運命の番をどんな事してでも欲しがり誘惑したり攫ったりする誘拐犯共を絶対に許すなの会合場所】
《大広間》
『コレより5396回目の会合を始めます。まず初めに我らの会長様からのお言葉から始めたいと思います。
【ネイアイネ会長】よろしくお願いします』
スタスタと神々しい程美しい男性が階段を登り特定の位置についた。
『皆の者、また会合を開けて嬉しく思う。
ここ最近になって運命の番がだとか腑抜けたことを抜かす愚か者が大量に出始めたが、諸君らの思いが創り上げたこの【因果を断つハサミ】により強制的に腑抜けたクソ共との繋がりを断ち切り被害が少しずつだが減り始めた。
だがこちらの動きを感じ取り我々の手から逃れようとする愚か者が出始めている…。
そのクソ共は運命の番とやらを無理矢理つれて逃避行しているみたいだが、運命の番として連れ回されている者の家族や伴侶の協力の元に助け出すこともできている事を嬉しく思う。
そして運命の番を受け入れてた者に関して放置する件も皆が約束を守ってくれているため【時空維持委員会】などにも文句を言われずにいられている……コレからもルールを守り、活動を続けてゆくぞ!皆の者ついてきてくれ!』
すると会場からとてつもない程の歓声が上がりそれぞれの活動内容が発表され始めたのだった。
今回の会合に呼ばれた中立の立場の者達はそれぞれの世界で起きたことの話をしながら発表している内容を聞いていた。
「これまではサニカ殿に成り代わっていた者が来ていたのか…凄いな我々でも分からなかったぞ」
「…その話って最近話題になってる【黒い靄】の奴よね?」
「そう」
「黒い靄を新たな命てして生まれ変わらせたのを○問大好き共に甘いと言われたのか」
「……私たちよりも年上の人達にも同じことを言われた。島民たちに関しては無理矢理にでもルールはルールだと従わせろよ…舐められたら終わりだとも言われたし」
「……俺たちよりも上の世代は厳しい異世界召喚生活を送ってたからな」
「そんなんだからあたし達よりも上の世代は一人寂しく過ごしてたり、ホムンクルスや従魔しか自身の周りに居ないのよ」
年上組への愚痴を言った【観し水の戦姫】の頭上にいきなり金ダライが降ってきて当たり「余計なこと言い過ぎよ」のメッセージもあとから聞こえてきた。
「……参加しなくとも見ている人たちはいるから」
「番被害に関しては結構な数の世界で出できて【時空維持系列】の組織も手を焼いているみたいだしな」
「特に竜人絡みは厄介なのよね」
「かなりの大昔からこの組織は番対策を練ってきたことだけあってヘルプ・ミーって頼めば短期的か長期的か選ばされて解決してくれるもんな」
「そもそも獣人や竜人が節度を持ってくれていれば違うのよ。特に竜人に関しては長い寿命を持っているならば運命の番に伴侶いる場合は次まで我慢しなさいって話よ」
「おや?戦姫殿は中立の立場の筈では?」
「あたしの世界の竜人族の王子が仕出かしやがってね………否定派に成りたくなるぐらいのことをしたの」
【観し水の戦姫】がイライラと手に持っていたとてつもない程硬いコップを割った。
「ひぇ~…素手で割りやがったぞ…アダマンタイトのコップ」
「それでどうしたの?問題起こした竜人の王子サマは」
「あたしの世界の大国の婚約者がいる皇太女を策略を巡らせて自身の妻にしたのは良いけど、婚約者の勇者が別の女性を差し出されてキレて平和だったのが戦争になりかけたわ」
「そこまでするのか?」
「そこまでするよ」
「そういえば…サニカも弟子が被害に合ってたわね」
「番問題は本当に厄介」
「戦争になりかけた後はどうなった」
「手をこまねいていた各国の王たちに問題そのままに丸投げされたから責任取らせるためにもあたしが直接死ぬ一歩手前まで血だるまにしたわ」
「お前…そんなことをして怒られなかったのか?」
「怒るも何もあたしに丸投げした時点で国の重鎮たちには何も言われなかったわ。
結論言っちゃうと皇太女と勇者は元サヤに戻らずに皇太女だった者はそのまま竜人の王子の妻のままでいることを選び、勇者は好きな人の元へ嫁げる筈が破談にさせられた姉君と結婚して王配として大国を収めることになったわ」
「お前の所の今代の勇者………よく皇太女サマは妻で居ることを選んだし、勇者と姉君もよく煮え汁を飲み込んだな」
【観し水の戦姫】は自身の世界の今代の勇者夫妻を思い浮かべて苦笑いになっていた。
「元皇太女と今代の勇者と姉君も理性が働く子たちだったから戦争しない方法を選んだのよ。
人間の割には本当に良い子たちだったからふたりを引き裂いたあんのクソトカゲを未来永劫、あたし許さないわ」
「だろうね、君の気持ち何となくだけど理解できる」
「余計な話かも知れないけど勇者と姉君は少しずつ距離を縮めていって跡取りの姫様が生まれて家庭教師を今現在引き受けてるわ」
「あっそれでも次世代は生まれたのか」
「えぇ、生まれてるわ。しかも竜人の国の問題を起こし、孤立する原因を作ったのに公爵になったクソトカゲのガキンチョもね」
「刺々しい物言い………もしかしてだけどそのお姫様、その問題起こしたバカ君の子供に狙らわれてる?」
「やっぱりこの言い方するとわかっちゃう?」
「(ドン引きしながら)…だとしても勇者パパと女帝ママが絶対に許さないだろ?」
「えぇ、だからこそ家庭教師兼護衛としてあたしを城に住まわせていたもの」
「どうやっておバカ二世がお前さんの世界の今代勇者の娘を番だと指定したのだ?交流してないだろうに」
その話を振ったら【観し水の戦姫】はスンっという表情をした。
「話は簡単よ。竜人のなかでも竜に変身できる系だから父と子で空を飛んでいた所に番を見つけたとその国に降り立っちゃったのよ」
「あぁ……とんでもない殺伐とした空気が流れるのが見える」
「…あたしが居たから流血騒動は起きなかったけど勇者と女帝がどうして領空内侵犯してるんだとクソトカゲ父と子に対して凄かったわ。
あたしも睨んだし…問題起こして国交断絶してたのにどうして国に侵入してきたんだとね」
「バカ公爵様はどんな言い訳を言ったんだ?」
「空を飛んでいた時は領空侵犯してなかったが、息子が番を見つけてそのままにしてたらここに来ていたって言ったのよ」
「それでどうなったの?」
「勇者が聖剣を抜刀する前にあたしが竜人の国に父と子を強制的に送還したわ」
「だよな」
「その後すぐに竜人の国の王に対して抗議と次来たら竜人の国の公爵家の者だとしても首を取るぞと脅してたわ」
「第二の番問題勃発だな」
「だからと言って竜人の国の王が何か処罰とかをするなんてことはないし、相変わらず連れ去り事件が起き続けいたわ。
弟子のお姫様を攫おうとバカ君二世が画策してきたけど、全部叩き潰して人攫いの首をバカ公爵の家に直接送ってたわ」
「ひぇっ」
【観し水の戦姫】が無表情になりながら話していたの見て自身の世界で番問題が起きませんようにと話を聞いていた強者達はこころの中で祈り始めた。
「して…今の現状は?」
「あたしも近隣の国々も番対策するのにあまりにもイタチごっこが続くものだから…滅ぼしちゃった☆」
「「「「『えっ』」」」」
「ちゃんとあたしの世界の神様に伝えてからヤッたわ☆」
「ヤッたわ☆じゃねぇよ!」
「だって……滅ぼした方が手っ取り早いし、何度も何度も何度も何度も攫うのは辞めなさいと通告したし、神様からの神託もしてもらっても聞かなかったから」
「【観し水の戦姫】殿の所の竜人は…滅んだのか」
「いいえ、一部は残ってるわ。最後の通告をして滅ぼす前に、人としての姿を捨てた者だけは手を出さなかったわ」
「…よくもまぁ…呪われてないな」
「強者だから当たり前よって言いたいけど、思っていたよりもあたしの世界の竜人の業がとても深かったのよ。
それと竜人の国に運命の番として縛られた番に関しては助けようとしたけど自らも滅ぶことを選んだわ」
『…………運命の番として半ば強制的に番わされた者は運命の番(笑)を転生した後も呪い続けるために自らを呪いの根源として竜人の魂そのものを縛るためにしを選んだのか』
「会長様の解釈であってるわ」
「……番問題って【観し水の戦姫】の所のように限界まで拗らせると種族を滅ぼす所まで行くのか……あっそうだ辺境の魔法使い殿の所でも起きてたな」と中立の立場の強者の一人が呟いたら会場内がシ~ンと静かになった。
そしてドタバタドタバタと広報担当が慌てた様子で現れた。
「辺境の魔法使い殿と会長ー!!今すぐ情報部へいらしてください!大問題が置きました!場合によってはかなりの修羅場となる予想が出ていますっ!!」
その話を聞いたサニカとスピーチしていたが副会長にあとを託した会長はすぐさま広報担当の元に向かい、報担当はふたりを情報部へ案内した。




