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元勇者の転生人生記録  作者: 冬こもり
【勇者卒業の章】
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SS 麓の村のカボチャ祭り

どうにかハロウィンの内にハロウィンの話を投稿できた…体調崩しました投稿遅れるかもしれません…皆さんも体調崩さないように気を付けてください。

「ばあちゃん、おれの格好変じゃない?」

「大丈夫だよ!」


ばあちゃんは今妖精モードになっている為にとても明るい。


「サニカ!テス!そろそろ出ろ、子供の集に遅れるぞ」

「私は子供じゃないよ~あげる側よ」

「妖精モードなってるからつい、テスこのカボチャの篭を持って行くがいいミストルと家を回ってお菓子を貰ってこい」

「うん、行ってくるよ」

「気を付けてね~」


ばあちゃんが手を振りながら見送ってくれた。


「急がないと」


【ブースト】を使って村まで急いだ。


「おや、ティルクスはカボチャの魔法使いかい?似合うじゃないか!」

「ばあちゃんとお揃いだよ」

「サニカ様も着てるって事は妖精モードになっているんだね」

「そうだ…シカナさん、トリック・オア・トリート!」

「おやおや…可愛い魔法使いさんにイタズラされないようにこのマドレーヌをあげようかねぇ」

「ありがと!」

「どういたしまして…さぁ行ってらっしゃい」

「うん」


村の人達も仮装している…皆普段から仮装しているみたいだからそこまで特別な感じはしないな。


「ティルクス!遅いよ!」


ミストルはドラキュラが着る定番の服を着ていた。


「ミストルごめん…シカナさんからお菓子を貰ってたんだ」

「うぅ…もうお菓子貰ってる~一緒に貰うハズなのに~…」

「ごめん、今日は出会った大人にトリートする日だからやったんだよ」

「でも…」

「ミストル…許してやるのじゃ」

「イシェーラさんはなんの仮装?」

「これか?これはゴーストじゃ、一枚の白い布を使って作ったのじゃ」


所々わざと切っている…なんだろうこう……ボロくてみすぼらしい感じだけどイシェーラさんが着るとエキゾチックでエロい。


「ティルクス?なに見てるの?」

「ミストルも似合ってるよ」

「答えになってないよ?」

「これ、ミストル…今日は無礼講なのじゃ…気にせんでも良いじゃないか」


プイッと顔を横に向けた…へそを曲げたなミストル。


「ほれほれ、そろそろ始まるのじゃ必ずふたりで向かうのじゃぞ?」

「……はーい」


【カボチャ祭りを始めるぞ~子供たちは案内役からランタンを貰ってドアを叩きお菓子を貰うのだ】


「ついに始まったのう、ティルクスこのランタンを持つのじゃ…この炎は霊界からの客人がお前たちを連れ去れないようにするための炎じゃ…決してたやしてはいけぬぞ?」

「はい」


おれとミストルは一緒に歩きだして普段の村と少しだけ違うカボチャ祭りの飾りで飾られた少しだけ摩訶不思議な感じがする。

前回はここまでしなかったな…でも怖かったよ、前回はひとりでやったから。


「ミストルおれから離れるなよ」

「わかってるよ…ミスしたら怖い思いをする…」


この役割の事をテムル兄さんたちから聞いていた。お菓子を貰う者とランタンを持つ者で別れドアを叩きお菓子を貰いながら、ランタンの炎をその家から貰い死者をランタンで村の広場まで導き仮装した大人たちが灯籠にランタンの火を着けて空に上げる祭である。

その昔テムル兄さんとカリーナ姉さん、リシア姉さんとラミー姉さん、トルヤ兄さんと村を出ていったその他の人たちで昔やった時ランタンの炎が消えてかなり怖い思いをしたらしい。

兄さんたちが怖いって言うぐらいだから本当に怖いのだろう。


カサカサ…う~ぅ~…。


「ぴゃ!」

「ミストル大丈夫だよ、このまま歩る居ていれば平気だよ」

「うぅ…後からゾワゾワってする!」

「ランタンの炎が怪しい動きしてるな」

「消えそうだよ~」

「大丈夫だよ…この炎はとても温かい…柔らかい炎だよ」

「そう…かな?」

「…ミストル手を繋ごう?はぐれないように」

「わかった」


ミストルと手を繋ぎ鮮魚店、肉屋、花屋、鍛冶屋、宿屋、八百屋、あとは村に暮らす人たちの家を訪ねてお菓子とランタンの炎を貰ったけど村の外れにあるばあちゃんの家に向かう途中に見つけた家の老婆からもお菓子と火種を貰った。


「あとはルトラウスさんとサニカさんの家に行くだけだね」

「この道を通ってばあちゃんの家に行って役目を終わらせよう」

「そうだね、もうこりごりだよ」


ばあちゃんの家のドアを叩いた。


「元に戻ってる…」

「何が戻ってるの?」

「気にしないでね」

「戻って来たか!…例の言葉はどうした?」

「「トリック・オア・トリート!」」

「可愛い吸血鬼と魔法使いにイタズラされないようにこのプディングをあげよう」

「うわー…色が濃い!いただきます!」

「二種類あるからお食べ」

「ばあちゃん、ランタンの炎ちょーだい」

「そうだった…ちょっと待ってね」


ばあちゃんは台所に向かって火種を持ってきてランタンに入れた。


「これで…完了だね」

「……よくここまでの火種を集めたな」

「?」

「必ずひとつの火種を取り忘れるものだが…」

「えっどうゆうこと」

「今年は来たんだね…」

「そうみたいだな」

「来た?」

「まあ気にするな、最後の灯籠を空にあげに行くか」

「ごちそうさまでした」


ミストルの一声の後に麓の村の広場に【転移】を使って向かったら村人全員が広場で待っていた。

ランタンの炎を使って灯籠を空にあげた…とても神秘的で幻想的だ…。


「ティルクス、ミストルここまでよく頑張った…ご褒美だよ」


ばあちゃんとじいちゃんがお菓子の城を作っていたらしく村人全員引いていた。


「頑張ったご褒美だよ」

「それにこれはティルクスたち以外のお前たちに向けてのお菓子でもある遠慮しないで食え」

「子供扱いしないでくださいよ~」

「わしゃあ孫を持つ爺じゃぜ」

「お前たちはたとえ何年経とうが大切な村の子供だ」

「たんとお食べ」

「わーい!ルトラウス爺のお菓子美味しいんだよね!」

「ダイエットしなくてもカロリー計算してくれるからどこまで食べていいかわかるし!」

「余ったら各家で分けて凍らせて取って置いて食べれば良いな」


皆で手分けをして食べて余ったお菓子は皆でわけあってお菓子の城はなくなった。

ばあちゃんとじいちゃんが言っていた今年は来てくれたんだねと言っていた人について聞く前に寝てしまって聞けなかった…誰の事を言ったのかな?



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