カフロルト王国防衛戦3と知りたくなかった事実
『セルクシア準備はいいか』
『えぇ…風魔法禁止わかってますか?』
『山を削る訳には行かないからな』
『……とても匂いますね』
『あぁ…この匂いは我々従魔が一番嫌う匂いだ』
『ミストルたちと出会うことなく野生だったら逃げていたでしょう』
『だがそうは行かないからな』
『ミストルたちと絆を合わせ共に育ち魔神教との戦いもこれから最も激しくなるでしょうから…今の実力がどれだけ通用するか試してみるのも良いですね』
『空からのブレスの支援頼むぞ…寄生された魔物を解放するぞ!』
『わかりました…では始めますよ!』
◇◇◇
「クラウス様!左から来ます!」
「わかっておりますぞ!ラッシュはそのまま前進して建物に潜伏している魔神教の信者を出来るなら生け捕りを!出来なければそのままやってしまいなさい!」
「はっ!」
同僚のラッシュが捕縛しに向かったか…俺の名はユオルグ。
近衛騎士副団長で宰相様の孫娘であるニア様の護衛である俺は西門を破壊して侵入してきた魔神教の信者と戦っている。
「次から次へと数だけは多いわね!」
「ニア様!前の方に」
「我ら魔神教の為に!」
「ありがと!ユオルグは離れてて!魔力を込めた素手でわたくしは殴る!」
「ぐはぁ!?」
「私は人を殴るのが好きなの、この感覚忘れられないわ…撲殺の副団長の通り名は伊達じゃないわよ、ふふふふ」
「自分で言うことではないでしょうニア様!クラウス様も何か言ってあげてください!」
「ニアちゃんはそのままでいいですぞ~」
「ダメだこりゃ…」
「マイスお前なぁ!…クラウス様もちゃんとお孫様を叱ってください!」
「私の亡くなった妻…アマゾネスの女王だったニルエルの再来じゃあ!どんどんやりますぞ!」
「誰か止めて!町が人為的に破壊されるぅ!」
「もうどうにも止まらないだろ」
つい先程の捕縛から戻って来たラッシュがポンと俺ともう一人の同僚マイスの肩に手を乗せて言った。
「諦めろ」
「諦められるかー!35年のローンで買った家があるんじゃー!」
「所でカルセアはどこ行ったんだ?」
「グヘヘヘ爆裂サイコー!」と爆発大好き娘(部下)の声が聞こえたそして俺の35年ローンで買った家が爆破された。
「イヤァア!俺の家がぁあ!!」
「綺麗に消し飛んだか?」
「誰か人がいるみたいだな、魔神教じゃないな避難しなかったのか」
「あれは俺の妻だ!なんでほぼ全裸なんだ…あとは誰だあいつ?……あっ」
そこで俺は妻の裏切りを知った…こんな時に知りたくなかったわ!それにこんな時だからわかる相手と浮気してやがったなコンチクショーー!!
「ユオルグお前…ドンマイ!」
「俺とニア様が言った通りやっぱり浮気してたじゃねえか、お前の妻」
上空に浮かぶ部下が「ユオルグセンパ~イ…破壊してごめんなさい!この戦いが終わったら弁償するからこの辺の家爆裂魔法使っていい?」と言ってきたから俺は許可を出した。
「良いぞ、やってしまえ」
「了解~ですぅ」
「ちょっユオルグなに考えてんだよ」
「…マイスよく見てみろ横入り野郎を」
「えっ………あっ魔導騎士団長のナルシスト野郎だ…アイツ数多の貴族令嬢の貞操奪って孕ませて実の子供じゃないのに育てることになったと嘆いた婚約者たちの話を聞いたキレた女王陛下に殺されかけたよな?」
「魔法だけは天才だからな~」
「確かクラウス様によって去勢されて第一夫人に折檻されたのにまだ懲りてなかったのかよ」
「あそこに人は居なかった、俺は知らねえ~」
「なんかナルシー野郎焦ってんな」
「ユオルグお前の妻確か魔法騎士団出身だよな?」
「何のことかな?」
「おまっちょっまさか魔法封じの札貼ってないだろうな!」
「ヒュ~~♪」
「マジか!口笛吹くの止めれ!助けないと!」
「助けるのはやらなくて良いですぞ!」
「クラウス様!?なんでですか!」
「ユオルグの妻は今でも魔法騎士団に所属してますからな必要ないですぞ!」
「軍に所属するものは自分の身は自分で守れって奴か!」