なんとなくだけど気づいた☆
【無敵の宿屋】
《エントランスラウンジ(東側)》
「「ラブちゃん」」
「あら〜どうしたの?クーナ、クート」
「ものがいっぱいあるところににほうせきはなが咲いてたよ」
「そうなの?」
「それでクーたちではちうえを持ってきたのよ」
クーナとクートはよいしょっとラブナシカの目の前にその鉢植えを置いた。
その鉢植えに咲いていた花は木瓜の花で色は…黒かった。
「ラブちゃんはこのはなをだれが咲かせたかしってる?」
「思い出すのに少し掛かっちゃうからキユクと白虎の所に行ってなさい。
思い出したら教えてあげるわ♡」
「「うん」」
クーナとクートはトタトタと両親が休んでいるソファーの元に向かっていった。
(この島に魔法の適正が無いものは居ないわよね……どうして黒い木瓜の花が咲いてる鉢植えがあるのかしら…あっ……努力する前のサニカが咲かせた花かしら?
努力して特殊な系統の魔法を使えるようになって新しい花を咲かせてたから……だとしても可笑しいわサニカは咲いている花を物置に入れたりしないもの…それにどうして黒い木瓜の鉢植えの事を忘れていたのかしら。
…………何か気持ち悪い感じがするわね……気持ちがざわめくし…こういうときはフリルデーモン達に働いて貰いましょ、アタシが下手に動いてややこしいことが起きたら嫌だもの。
ついさっきクーナとクートにこの鉢植えの持ち主がわかったら教えると言ったけど……この件はルウカが帰って来てからにしましょう)
「この鉢植えだけはアタシの秘密の部屋に隠しておきましょ」
目にも止まらぬ早業でラブナシカは鉢植えを自身のアイテムボックスにしまった。
「皆、そろそろお眠りの時間よ〜それぞれの部屋に行きなさいな。
アニラム退治に関してはまた明日、話し合いましょう。
サニカから連絡が来たらアタシが対応しておくわ♡」
ラブナシカの掛け声と共に島の島民達が立ち上がりそれぞれのお気に入りの部屋に入って行った。
クーナとクートはラブナシカの元に来て鉢植えの持ち主が誰か聞いてきたがラブナシカはクーナとクートにはぐらかしながら指パッチンしてふたりから鉢植えの記憶を消した。
「さぁ、ふたりも寝に行きなさい」
「「は~い」」
クーナとクートは両親の泊まっている部屋に入って行った。
「私の可愛い妹達、現れてくれるかしら?」
「いかがされましたか我が君」
ぞろぞろとフリルデーモン達がシュっと現れた。
「貴女達は黒い木瓜の鉢植えの事を憶えているかしら?」
「その黒い木瓜の鉢植えは確か……2218年前にサニカ殿が育てていたもので間違いないです」
フリルデーモンの中でも記録をつける係がいてメモ帳を開きパラパラと捲り確認してから言った。
「そう……アタシが今話した事は忘れてちょうだい」
「かしこまりました」
「悪いけど島の子達の影に入れるだけ入り込んでちょうだい。サニカとアスチルを除く子供の影にバレないように」
「………何か起きたのですか?」
「コレから更に起きるかもしれないのよ」
するとフリルデーモン達はざわざわしたがニヤリとした。
「ウフフフ……アナタ達…楽しみね♡」
「あらあら〜血の気が多いわね」
「フリルと名が付きましたが…我々はデーモンですので」
「そうね〜それも最上位に進化したのが複数いるわ」
「外に現れたレッサーアニラム達はどうしましょう」
「そのままで良いわ。良からぬ者も動くだろうけど、レッサーアニラムが居るから大きな動きは出来ないから……アニラムは生きている全ての生き物に反応するものね」
フリルデーモン達はお互いに頷き合いながらスゥーと消えた。
「私はどうしましょう?お姉様」
「アナタには玖寿の影に入っていてもらいたかったけど…クーナとクートのどちらかに入ってくれないかしら?」
「1番年下の子のどちらかの影に入るのね、承知したわ♡」
キトリエスもスゥーと消えた。
「さてアタシも体を鍛えたりしないといけないわね。何が起きるかしら…楽しみ☆」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
【エ※レルウィ※世界】
《一見さんお断りの店の個室》
ルウカがこの世界の助太刀として来ている強者達を集めサニカ?の事情を話した。
だか強者達はその話を聞いて押し黙った。
「………本当なら笑い飛ばしたかったけど、もしそれが本当に起きているならウチの世界にも変な輩が入ってる可能性が有るってことよね?」
「もしかして?」
「えぇ、ウチの世界のとある不老長寿の重鎮の様子が少しだけ性格が変わってたのがいたの些細なことだったけど…【叡悠の賢者】と【叡誓の忍】の話がホントなら入れ替わられてる可能性が0ではないってことだものね」
「それならワシの所もだぞ」
「おいおい、【魂食いの人狼王】と【剛烈の女拳王】の所にもかよ…俺っちの所もだぞ」
「…なんか僕の所も心配になってきた、僕の奥さん達は大丈夫かな。【叡誓の忍】をこの世界に送った輩がこの侵攻とかを裏で糸を引いてたとか嫌だよ」
「そこまで心配になるもんか?オメェのあの嫁だろ?」
「後で僕の奥さんに言っとくよ。……もしもがあったら嫌だけど……でもあんまり不安を募らせても体とかに良くないから今のところはこの辺でやめよう」
「そうね」
「ここの飯代はオレが出しとくぞ」
「おっ気前が良いな。それじゃ俺っちも行くかな」
ぞろぞろと個室から出て行って二人だけになった。
「あいつら今から自身の世界の知り合いたちに伝書鳩みたいなの飛ばすよな」
「だろうね」
「ふたりきりで話した時にお前の話が衝撃すぎて話すのを忘れていたのがいくつがある」
「え」
「悪いニュースではないからこのまま話すな」
ルウカはクレイバール島での日々を話した。
「………………そうか…ついにビワトが宿命を終えることが出来て因果を超えれたんだ。その瞬間をちゃんと見たかった」
「最後まで見たいと言ってたからな」
「それにしてもビワトの血筋に天使の血が入ったけど地球人の血が濃くなり羽だけが現れるようになったとか大天使と大魔王が住んでるとかイルミナット島と人工の世界の素を使って星一つ作ったとかまだまだあるし…どうなってんねん」
「その辺はまぁ……色々あったんだ」
「………それと約200年+されたクレイバール島に帰るのが怖いでござる。そもそも帰れるかね…私」
「…その時になってみないとな」
「………そろそろ時間だし店から出ないと……気が重いや」
ふたりは立ち上がりお会計しに向かった。
「…………全部で金貨83枚でございます」
「……(あいつら…いい個室があると言ってたが俺の手持ちだと足らんぞ)」
「はい」
ルウカが金額を見て呆然としていたがキグルミ姿のサニカが財布を取り出してコロッと白金貨を出した。
「おや…白金貨をお持ちとは少々お待ちを」
本物の白金貨かどうか調べているが鑑定が終わり本物だと確認された。
「ではお釣りをご用意いたします」
「わかりました」
少しして店員がお釣りを持って来て会計を済ませた。
「ほら、行くよ」
「あっ…あぁ」
「またのお越しをお待ちしています」
そそくさと町から出てサニカの拠点に戻っていった。
【悠凪の都の跡地】
《サニカの拠点》
「白金貨なんて持ってたのか」
「2000年ココにいれば様々な事を経験するさ」
サニカはリュックを持ち出し物をしまい込んでいた。
「さっきから物を詰めているが…」
「この拠点はもう使えないから移動するんだよ。白金貨を使ったから変なのに目を付けられそうだから」
「宛はあるのか?」
「ここから近い十六番の拠点に移動かな」
「他にも拠点あるんか」
「結構な数を作ったよ。一財産築いたら狙われたから…クローネか天藍を従魔召喚できそうかい?」
「………いや、なんか呼べないな。どうやらナニカと抗争して徹底的にやられたみたいだ」
「そうか……なら足で稼ぐしかないね。次の戰場は?」
「まだ分からないがオレの魔力を辿って伝書隼が来るから大丈夫だ」
「了解」
サニカが用意したであろう隠し通路を使って次の拠点に移動を始めた。
「そういえば、一人で過ごしてきたのか?」
「一人だけでは過ごしてないよ。地球から密輸されてこの世界に運ばれていた動物と出会って色々あって従魔契約を交わしてひとりと2匹で過ごしてきたよ」
「オレの知らない所でサニカの従魔が増えてた」
「今はその子に守ってもらってるものが有るから今ここに呼べないけど紹介するよ」
「おっおう」




