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元勇者の転生人生記録  作者: 冬こもり
【クレイバール島の日々】
332/569

星間獣の負の遺産

【無敵の宿屋】


《西側のエントランスラウンジ》



エントランスラウンジのちょうど中心のテーブル席にルウカ、サニカ、ラブナシカ、島長であるポーリアは円を描くように座っていた。



「……………………………」

「……………………………」

「……………………………」

「……先生たち、重苦しい空気を出してないで喋ってくれない?翡翠と譜月が帰って来てからなにか変よ?」

「久し振りに冷っと背筋が寒くなる物を譜月が持って帰ってきたからな」

「ゴロゴロと飼い犬の如き野生を忘れていたと思っていたけど、フェイースはやっぱりフェンリルだったね」

「怪我を負うだけで済んだものね」

「その辺を詳しくあたしにも教えて…てか教えなさいよ。

そのために島長をやっているあたしを呼んだんでしょ?」

「…そうだな…まずこれを見てくれ」



テーブルの上にコトっと目玉を置いた。



「うっ……コレって目玉よね?なんの目玉なの?」

「【混合獣】と呼ばれる魔物の特徴が出ている目玉だ」

「…えっ…なんで【混合獣】がこの世界に……あっ」

「ポーリアも気付いたか?今回の件はオレたちの責任だから主に関してはオレたちが討ち取るから、島長としてポーリアには戦える島民達を指揮して共に【混合獣】の眷属の相手をしてほしい」

「………もしかしてだけど魔物化したフジツボの件はそれの影響があったりしてる?」

「その可能性もありそうなのよ…星間獣の血肉を食べた海の魔物が【混合獣】になってるみたいだから。

それにサニカ達が向かった例のあの島も影響を受けてた可能性が出てきたものね」

「触手だらけの例の島ね……思ってた以上にこの世界に影響を与えてたのね…所で星間獣の牙や尻尾って何処にいったの?

白虎がいなくなった騒ぎであやふやにされてたけどねぇ?」



ポーリアはルウカ達を見た。



「星間獣の血肉はしかるべき機関に一部を提供したわ。その代わりに牙や爪といった物はアタシたちが貰って、貴女達に危害を加えようとする強者と魔物除けの【オブジェ】を作るために()()加工してるわ」

「………今も加工してるですって…カレコレあの襲撃から200年以上は経ってるわよ」



ポーリアはドン引きしている。



「加工するにしてもオレたちが扱える金属製だとかなり時間が掛かるんだよ」

「ピュアアダマンタイトやピュアオリハルコン製の加工具を使ってるわよね?」

「使ってるけど加工するのにかなりの工程があってね……ルルエールとルウカとイグファルドとアジサイとメルゴがげっそりして帰ってくる時があるでしょ?」

「…月に一度だけ普段から、かなり元気な5人がげっそりして帰ってきてたわ……星間獣の牙や爪をオブジェにするのに加工してたのね」

「後いくつかの武器にも加工してるわ…抑止力としてね」

「……武器か」

「武器に関してはもう完成しそうだから今回の【混合獣】に対して使おうと思ってるがな」

「はぁ~…父様が時々、頭抱えてたけどそういうことだったのね……頭が痛くなってきたわ」

「頭痛くなってくるよね」

「サニカ先生は賛成したんじゃ…」

「オブジェに関しては賛成だけど星間獣の武器に関しては私は賛成してない曰く付きだから。

ルウカやラブが言うように私達よりも強い強者に対して抑止力になるけどもね」

「正しい知識を持つものが扱えば大丈夫よ」

「かなり前の【堕ちた至竜討伐戦】で戦ったとき渡されて使ったことあるけど…良いもんじゃないよ」

「それは使ったことある者にしかわからない感覚だな」

「…………取り敢えずあたしは血の気が多い島民達を鼓舞すれば良いのね。

もし思った以上の脅威だったら逃げるわよ?」

「逃げてくれ…安全第一だからな」

「それじゃサニカ先生と共に皆にこの話を知らせてくるわ」



コレにて話し合いが終わり解散した。
















◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇





とある場所にある【ルウカの工房】



《加工部屋》



ゴウゴウと青白い炎が加工炉の中で燃えている



「これだけしなきゃ曲げられないほどの強度はなかなか無いな…最後の仕上げと思ったが…使いながら切れ味を上げていくしかないな…コレで完成だろう」

「そうなると随分と血生臭い剣と槍と斧が出来たわね」

「ズモモモっという感じがしますな」

「相変わらずルルエールの感性は独特だな」

「…サニカ先生が嫌がるのが何となくですがわかった気がしますぞ、見た目からして毒々しいですからな」

「今は毒々しいが使えば使うほど刃が研がれ武器が美しく成長していく…こういう感覚は武器マニアにしかわからないかも知れねぇな」

「…それで誰に使わせるのよ?」

「槍はオレが扱う。ラブナシカは斧と剣どっちがいい?」

「えー…やっぱりアタシが初めは扱うのね…なら剣を扱わせてもらおうかしら?」

「ならサニカが斧だな」

「ここに鬼畜がいますなぁ…嫌がるサニカ先生に斧を扱わせるとは」

「扱えるのがオレとラブナシカとサニカしか出来ないからな。家族を持ってるものには触れさせられないからな」

「アタシ、家族持ってるわよ?」

「ラブナシカとアスチルの場合はミッ○ーと○ニーの関係である永遠の恋人だろう?」

「ヒッドーイ!アタシたちは伴侶同士よ!」

「……ラブナシカの影響を受けて種族も変化したからラブナシカの言う通り伴侶判定されたんだろうけど……とにかくラブナシカなら大丈夫だ…サニカも【混合獣】対策を子供達と共に島中に施しているからそろそろオレたちも行かないとな」

「そうですな」





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