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元勇者の転生人生記録  作者: 冬こもり
【クレイバール島の日々】
326/569

エルフとその伴侶様

【新クレイバール学校】


《魔法実習室》



「魔法実習室に向かっていた途中にカーウェンとルウカの叫び声が聞こえてきたけど」

「心配することないよ。あの二人の気配が学校から離れて行ってるから、学校から出ようとした所でばったりエルフと出くわしたんじゃない?」

「………サニカは名前で呼んであげないのね」

「あのエルフを知っている強者達は共通で全裸エルフって呼んでるからね。

それにあのエルフ様は名前を名乗ったことないんだよ」

「えっ」

「私や他の強者達みたいに偽名を使えば良いのに偽名すら使わないから…もしかしたらあのエルフの転生先の世界の理に偽名を使うとなにか起きるとかの制約とかあるのかもね」

「根本がそうなら下手に名乗れないわね……サニカ、動揺してるなら変わるわよ?召喚魔法陣のスペル間違いしてるし」

「……ホントだ、変わってもらっていい?」




サニカはスペル間違いを自身でも確認しマジェリルカにバトンタッチして儀式に必要な物をアイテムボックスから取り出す工程に入った。



「……サニカ、少し良いかしら?」

「どうしたの?」

「ねぇ、この魔法陣は人間や亜人を呼ぶ魔法陣じゃないわよ?合ってるの?」

「うん、合ってる」

「あのイケメンエルフの嫁よね?」

「……そっかマジェリルカは知らないんだよね。

知ってるのはカーウェンの方か…あのエルフの嫁さんは「あっ…魔法陣が勝手に発動したわ」えっ」



マジェリルカが完成させた途端に魔法陣が光だし発動すると魔法陣のど真ん中から一匹の尻尾が2つに別れている家猫が現れた。



「久しぶり、アヴィローヴァ殿」

「久しぶりですね、…えーと…今は?」

「今はサニカと名乗ってるよ」

「そうですか…では改めましてサニカ殿、お久しぶりでございます」

「っ!…サニカ!この猫は何者なの?!」

「おや、貴女は初めましてですね。ワタクシは魔人のアヴィローヴァと申します。この地で公然わいせつ罪を平然とした表情で行っている者の魂の伴侶でございます」

「魔人(アタシがこれまで見てきたどの魔人よりもヤバいんですけどホントに魔人なの?魔神じゃなくって?)……魂の伴侶とは……少し古い言い方をするわね」

「ふふふ……魂の伴侶とはかれこれ生まれてから今まで、永きに渡り出会いと別れを繰り返しておりますゆえに」

「…アヴィロード殿、悪いけど貴殿の伴侶を回収してもらうついでに私達人間じゃ触れられない時空間を見てきてもらってもいいかい?」

「おや、今回は人間のままなのですね」

「色々ありまして」

「そうですか、満足しているのであれば宜しいかと……ワタクシの魂の伴侶が貴女に世話になった時の借りを返すよい機会でしょうから引き受けましょう」

「ありがとう」

「ではワタクシの魂の伴侶をさっさと回収して来るのでしばらくお待ち下さい」



猫の姿だったのが顔面偏差値100点の極上の黒髪黒眼のイケメンに変化するとこの場から消えた。



「………傾国」

「マジェリルカから見てもか」

「ちゃんとしてればラブナシカもアレなのよね?」

「うん」

「………化粧って怖いわ〜」

「まぁ…そうだね」




5分もしないうちにアヴィローヴァは全裸だったエルフに服を着させて戻ってきた。




「ただいま戻りました」

「早っ」

「んーっ!んー!」

「喋れないように猿轡さるぐつわされてるわ」

「ワタクシが戻ってくるまでよろしくお願いいたします」

























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