猫になったにゃん……あと変質者が現れたよ
新年早々、お下品なネタをぶっ込んでスミマセン。
【新クレイバール学校】
《2階の廊下》
「なーん(なんで猫なの?)」
「にゃ~(仕方ないでしょ?猫の方が柔軟で狭いところも通るし、高いところから降りても死なないからよ)」
職員室から出たサニカとマジェリルカは変身魔法を使い家猫に変化して校内を歩いていた。
サニカはグレー猫でマジェリルカは黒猫である。
「にゃ~ん(それにしてもサニカは猫に変化すると日本猫の特徴が出てるわね、尻尾が短い丸顔だし)」
「なー(君は洋猫の特徴だよね)」
「にゃー(サニカ、窓ガラスの方を見なさいよ、巨大な目玉が校庭をウロウロしてるわ)」
「にゃ(見たら見たでこっち見てくるからやめれ…鍵かかってる部屋どうやって開けようか)」
ジャラジャラと音を鳴らしながらサニカは口で鍵束を運んでいたが【理科室】の前で立ち止まった。
「みゃ~(サニカは器用に口で鍵束を運ぶわねー…どこかに小動物が入れる場所はないかしら?)」
サニカは鍵束を理科室の前に落としてマジェリルカと同じように前足を使い壁やドアを叩き始めた。
「にゃっ!(今ゾクッてきた、気配を消すよ)」
「みゃ?(えっ?)」
サニカはアイテムボックスから隠者のローブを少々苦労しながらも素早く目立たない壁側に取り出しマジェリルカと共に潜り込んだ。
すると西の階段がある方から結構な速度の化粧が崩れたままの四つん這いで走ってきたラブナシカだけがやって来た。
「にゃっ(ひっ?!)」
「みゃっ(ひぃ~!!四つん這いのピエロ妖怪っ!!)」
ドタドタドタドタと手足を地面に叩きつける音を鳴らし二人の横をビューと四つん這いで走り去っていった。
その様子をぶるぶると震えてローブの中から見ていた。
(…ラブ達はどうやら何かに追われているようだけど)
(何らかの要因でバラバラに逃げてるみたいよ…ラブナシカならどうにか出来るんじゃないの?どうして逃げてるのかしら?)
その要因はすぐに現れた。
独特な足音を鳴らして現れた。
「アノ化物ドコニイッタノデショウ?…ホカノ二人ニモニゲラレマシタガ…オヤ?鍵束ガアル…アノ化物ガ落トシテイッタノデショウカ?」
現れたのはカタコトで喋る股間にモザイクが掛かっている全裸のエルフであった。
(………ラブナシカが喜びそうなイケメンエルフじゃないの…なんで逃げてるのよ)
(マジェリルカはモザイク掛けられてる股間を凝視するんじゃないよ…なんでこんな時に【全裸エルフ】が来てんだか)
(えっ?サニカはあのエルフと知り合いなの?)
(……あの変態全裸エルフ様は長生き組であり、元地球人の転生者で転生先のエルフ生活で全裸の素晴らしさに目覚めて様々な世界に全裸の素晴らしさを伝える宗教を作り、ゲリラの如く数多の世界に強襲して布教している変態教祖様だよ)
(変態、変態って言い過ぎじゃない?)
(元女性の日本人の方だったけども……今では立派な変態さ)
(あぁ…根本に女性なのが男エルフに転生してもまだ残ってるの……だからラブナシカも逃げるのね……同族嫌悪?)
(…美貌を使って男女構わず手を出すから困ったもんだよ)
(男女構わず手を出すんかい)
(……それにラブの事を感じ取れないとはどうしたのかな?
転生者特典で異世界語完全理解を持ってるはずなのにカタコトになってるし)
カタコト全裸エルフはサニカが落とした鍵束を取ろうとしたがバチンッと手を弾かれていた。
それを見たサニカは言った。
「にゃ(はい、全裸エルフはモンスターです。この世界からモンスター認定されましたので学校の見回りしながらこの世界から追い出そう。どうやら目玉モンスターを召喚したの全裸エルフみたいだから)」
「にゃ…(どうやって追い返すのよ)」
「にゃ(全裸エルフの嫁を【魔法実習室】で召喚して連れて帰ってもらおうよ)」
「みゃ(居るの?お嫁さん)」
「前世カラノガイマスヨ」
「にゃ(えっ)」
マジェリルカはローブの中からこちらを見ている変態エルフがこちらを覗いていた。
「アー…えっとこんな感じかな…○○○ちゃん、さっきから変態エルフって連呼しまくって酷くないですか?」
「にゃ(かなり前の前世の名前で呼ばないでくれる?実際に全裸でウロウロしている変質者の癖して)」
「酷いっ」
強者であるエルフはしくしくし出したが。
「みゃ~…(サニカ、準備できたわよ)」
「えっ何を」
「にゃ(じゃあね)」
パチパチと当たりに閃光がほとばしった。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
【新クレイバール学校】
【音楽室】
「何なんだ、なんで全裸教祖のエルフがこの世界に来てんだ」
「知らないよ…知りたくもない。時空間を行き来して間違ってきたんじゃない?」
「…あのラブの全力疾走は怖かったな。暗いところで見るもんじゃないぞ」
「四つん這いであんなに速く走れるものなのか?」
「訓練すれば出来るんじゃないか?……それよりもどうするか…あのエルフに追いかけ回されるの嫌だな」
「……サニカ達にメッセージ残してボク達はちょっと野暮用か出来たことにして学校の外に出ない?」
「何気に酷い事を言ってるぞ」
「今がチャンス」
それだけいうとカーウェンは音楽室のカーテンを開けると目の前にイケイケなポーズを取った例のエルフがベランダに立っていた。
「「ギャァァァ!!おかーさーん!!」」
あたり一面に悲鳴が響いたのであった。




