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元勇者の転生人生記録  作者: 冬こもり
【クレイバール島の日々】
321/569

これで安心して年が越せる…

【彩りの花園だった場所】



『オラッ!ここの領域は俺のだっ!』

『オゴッ!………テメェ…!』

『枯れて消えてしまえ!!オラッ!』




花園だった場所はラブナシカ達が外していた数分の間に弱肉強食のヒャッハーな世界へと変貌していて、見た目はメルヘンチックな花だったのに今はホリの深い…これぞ漢な感じに変わっていた。



「なんか花同士が殴り合いしてるわ」

「……世紀末…」

「刈れるのか?今行ったら殴られないか?」

「シュビッとかパシーンってそこら中で聞こえるんだけど?」

「なんか殴り合いしてる花の背後にスタ○ドが見えるワ」

「あとズゴゴゴゴゴゴってるのが見えるです」

「スタ○ドは出はないですよ…生存競争に負けた花が勝った花の背に乗っかり未練たらしくこの地に残っているだけです」

「うわ…」

「ラブ先生…どうするの?」



ラブナシカは眉をピクピクさせて青筋を立てていた。



「花らしからぬことをしているとは……いい度胸だな」



普段のかわい子ちゃん振っている喋り方ではなく逞しい方の声音であった。



「おどれら、子供たちに何見せとんのじゃい!」



ラブナシカは花達が殴り合いしてる所に突っ込んでいってハサミを使わずに根本から引抜きはじめた。



「道具を使わないで己の力のみで取り除いているぞ!」

「あっ!でも手袋をいつの間にか装着してる!」

「ハサミを取り出た意味がないね」

「どうする……行くノ?」

「このまま放置してればいいんじゃね」



子供達はこのまま静観しようと頷きあったがとある一輪の花がちょっかいを出してきた。 



『やい!臆病で弱虫なガキンチョ共め!挨拶もせんでそんな安全地帯で何してるんだ?掛かってこんか!

………だんまり決めたんか?この弱っチョロいガキンチョめ!』

『どうしたどうした?隣の』

『それがよぉ…そこに突っ立てるガキンチョ共がよ我らに挨拶の一つもせんのだよ』

『マナーがなってないのう』

『なになに?』

『どうしたん?』



花から花へと話が伝わりやがて野次に変わっていった。

一人で花を抜いているラブナシカは喋る花を抜くコツを掴み抜いていた。



「オラオラオラァ!」

『ピギャァア!!』



子供達の目ではまだラブナシカの攻撃は見えてい無い!



「ひいっ!カオスっ!」

「俺は行ってくる!」

「大きな怪我だけはしないでヨー」

「他の男子は行かないの?」

「嫌です、僕は行きませんよ。

このまま放置しとけば終わりそうですね…花に何を言われても無視しましょう」

「俺も行かない」

「右に同じくだぞ」



怪我をしないという賢明な判断をした玖寿と日葵とイオンはラブナシカを見ていた。

そしてハサミを使い刈ろうとして正面突破したレンカは真正面の花に頭を頭突され、左側の花に背中を頭突された後に右側の花にお腹に頭突されボコボコにされてから吹き飛んで戻ってきた。




「うわ……結構エグすぎなイ?」

「打撲痕やつるのムチの痕がくっきり出てるわ」

「お姉、おーきゅうしょちしないとです」

「すぐに処置を始めるワ」

「竜の血を引いてるからそう簡単にシなないわよ…」

「あっはは!うける~」

「うける~じゃないから結構な惨状よ?」



ラローネルがレンカの手当を始めていたが途中から玖寿も混ざり打撲痕などを完全に治した。

レンカの治癒が完了する頃には既に夕方になっており年の瀬が迫っていた。


その頃にはラブナシカVS花園最後の生き残り×5との今年最後のラストバトルが行われていた。 

それを見ていた日葵がとんでもないことを言い放った。



「ラブ先生だったら普通の炎を浴びたところで怪我しないだろうし燃やしちゃわない?もう疲れたよ…」

「えっ」

「玖寿、こういうときのためにサニカ先生が植えたゴチアオイが近くに咲いているから頼める?」

「わかりました、成長させて自然発火させるのですね」

「うん」

「えっ植物なのに自然発火するの?!」

「自身と周囲を燃すサイコパスな植物として一部の方々に知られてますよ」



玖寿は喋りながら母であるキユクに教わった植物を成長促進させる魔法を使いゴチアオイを成長させた。


すると成長しきったゴチアオイの近くから炎が自然発火してゴォォォと花園に蔓延るホリの深い顔の瀕死な花たちを燃やし始めた。


花たちから上がる悲鳴と奇声が響き渡ったが学校に入ったときにサニカに渡されていた耳栓をしていたので子供たちは聞こえなかったが玖寿と日葵はぼそっと「これで安心して年を越せる」と言った。


だがラブナシカと生き残った5体の花の周囲5メートル圏内だけが燃やされることがなかったらしく。

やがて炎が収まると半径5メートル圏内では炎に包まれていて熱かったのかいつの間にかスポーツパンツだけの姿になったラブナシカと生き残った5体の花が刺激的なレスリングを行っていた。



そこにいつまでも帰ってこない子供達とラブナシカにしびれを切らしたサニカがやって来た。



「………何この惨状」

「あっサニカ先生」

「1から説明するとですね…」



玖寿が1から説明した。



「後は私が処理しとくから皆はそれぞれの家に帰って家族で年を越しなさい…皆で集まってとかは今年はやらないから」

「……後はよろしくお願いします」



こうして花園での出来事に引きながらもそれぞれの家に帰宅して手伝える範囲で家な手伝って風呂に入ったりして体を休めてから寝た。

年を越す前に後処理をしたサニカから花園で何があったか聞かされた大人達は苦笑いをしたのであった。


ラブナシカはパワフルな花たちと刺激的なレスリングを行い満足したのかアスチルが家族で過ごす所に横入りすることなくサニカとルウカとハノンとレシェットで飲み明かしたのだった。











余談だが年を越したその日の夜にサニカと子供達は悪夢を見たのであった。


来年もよろしくお願いします。

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