カフロルト王国防衛戦1
「さてと…わらわはこれから約18年ぶりに訓練をしてやろうかのう」
「止めてあげて、死んじゃうよ」
「そこまでやわじゃないだろう」
「姉上の訓練はなかなかハードじゃからな」
「ハード所じゃねぇ」
「ほっほっほっほっ…賑やかになりましたな」
「う~…気持ち悪いのだ~」
「あなた様は飲み過ぎですぞ」
でも旨いなこの紅茶…菓子も旨いし。
「女王陛下!ご報告があります!」
カフロルトのムキムキな伝令が突如現れ焦った様だった。
「何があったのじゃ、よっぽどの事か?」
「はっ!…ひっ強血のマドンナ!…じゃなくて北の不死者の山からゾンビとドラゴンゾンビそれからジュラハンそしてワイトキングの大群がこの国に向けて進軍していると報告とのことです!」
「…斥候部隊は無事か?」
「それが斥候部隊は後ろから襲撃され一番若かい斥候達だけが戻ってきました!ベテラン勢は少しでも進軍を送らせるために残ったとのことです!」
「自ら不死者になる事はないじゃろう!」
「ですが数万を越す大群と思われるそうです!」
「…国の全ての門を閉じるのだ!そして浄化魔法の準備を」
「魔法での浄化は効かなかったそうです!」
「そうか…この城の最上階以外のフロアを解放する!全国民を避難させるのだ!…すまないが茶会はお開きにする」
「了解しました!」
伝令は早足で部屋から出て行った。
「わらわも手伝うとするかのう」
「聖水を降らせられればなぁ」
「それは出来ぬぞ?」
「そうなのか?」
カフェルネが不思議がっていたが、聖水は吸血鬼と半吸血鬼には効果抜群で吸血鬼なら内部までの危険な火傷をしてしまい、半吸血鬼は火傷になってしまうから聖水を降らせられない、日差しは平気なのにと思うが面白いな特性って。
「僕は違うところに行ってた方がいい?」
「ミストルは移動しなくていい、それに多分聖水効かないからな」
「それは誠か!」
「浄化魔法が効かなかったという事もあるが…不死者の山のネクロマンサー兄弟で引き連れてるのは無理だ、意識がない数万の亡骸の大群を…誰かが手引きしているハズだ、ドラゴンをひとりで屠る女王と宰相が居るのに攻めるなんて普通はしないバカでも危険だとわかるからな」
「聖水を持たせても兵士を出すだけ無駄死にさせ敵の駒を増やすだけか」
「それを狙っている場合があるな…地図あるか?ざっくりでいいから」
「テス何か考えがあるの?」
「あぁ」
「ゾンビ狩りは我輩にさせてくれ、耐性は極持っておるから我輩殺されかけても噛まれてもゾンビにならないからな」
「カフェルネ復活したか」
「これで解決出来なければまた魔族が仕掛けてきたとこの事態を起こした奴等の思うつぼだ、また変なの送ってくるぞ魔王領に…犯人を出来るだけ生け捕りしたいものだ」
「魔神教の動きはどうなっておるのだ?」
「このところ特に動きはなかったが…我輩」
「でもこの規模を見ると関わっておるな」
「…この国に潜伏しておる可能性はどうじゃ?」
「テス、あの宿屋一族の人達は?」
「まぁ可能性はあるだろうな」
「ミストル今宿屋一族と言ったか?」
「言ったよ」
「ばあちゃんに連絡を入れておいたんだけど…昨日カフロルト王国で宿屋一族が一時的に開いていた宿に泊まったんだよ」
「なんと!」
「その宿に魔神教のシンボルがあったんだ」
「!…サニカ殿かなり怒るであろうな…どのような事があろうと【自由であれ】と例外以外は認めてないからのう」
宿屋一族は何があろうと所属してはならない、けして魔法の宿屋を兵器にしてはならないだっけか
「例外なんてあるの?」
「あるぞ…例えば王族や国家元首に嫁ぐか婿に入るか旅をするのが無理になった時じゃ」
「へぇ…城門はどこに在るの?」
「北門、南門、そして西門じゃ」
「東門は無いんだね」
「東にある高い山が天然の防壁になっておるのだ…ティルクス何か作戦があると言っていたがどんな作戦なのじゃ」
「それは…」
前回の時に散策したからな不死者の山に行くまでは平原が広がり特に何もない、魔法を連発しようが特にカフロルトに被害はでないと思いたい。
作戦はこう北門から範囲10キロの城下町の中の警備を近衛騎士団に担当させ西門の範囲20キロをクラウスさんと近衛騎士の中でも精鋭と思われる五人を引き連れて警護してもらい、南門から王都の町の30キロの範囲をイシェーラさんとミストルだけで散策及び怪しい人物の発見及び確保、東の山付近から王都の東の30キロをラセスとセルクシアだけで警備及び怪しい人物を確保と危険な魔物の討伐を頼んだ。
オレとカフェルネは北門から30キロの地点の平原で大群を殲滅と不死者の山の兄弟を確保をシェザーナ様は城に結界を張って貰い、国民の安全確保と事態を起こした人物の確保と囮になって貰うことになった。
「……ティルクス、女王陛下は安全なのか?」
「あぁ、ばあちゃんが作ったオレのマントを着させてマグナ爺さんが鍛え上げた盾を預けてきた」
「そうか…あの盾は聖剣よりヤバい性能が付いてたぞ」
「だから持たせたんだよ」
「!…………来るぞ血と腐敗臭それに生への渇望の感情を感じるぞ」
「オレ試したい魔法があったんだよな」
「前回の時からどれだけ強くなったか我輩に見せてみろ!」
「(無詠唱で行けるが止すか)…我は深淵を知る者、希望を知る者、生を渇望する魂を迷わす術によって囚われた者を地に返す許可を!【ヘルグランドゲート】!!」
大地が割れその場に奈落が現れた、空を飛べないドラゴンゾンビ以外のゾンビは地下に落ちていったが中にはドラゴンゾンビにくっつき奈落を越え自力で飛び越えた者もいたが三分の1は減らせたか。
「ほう…なかなか面白い魔法を使うものだ…光の魔法を使うと思ったが違うのだな」
「相性は悪くないんだけどな…なんか使いたくない」
「……アレが来る可能性があるからか」
「アレが召喚されている間は魔法が使えなくなるから役に立たないし」
「ボロクソだな」
「前回のここぞっと言うときに時に光魔法使ったらアレが現れて散々な目にあったからな」
「うわー…話は後だ!来たぞ!」
「……このラインを越えられたら負けだからな?恃むぞ…オレは前線にでる!空のドラゴンゾンビ頼んだぞ!なるべくオレも撃破しながら行くが!」
「必要ない!我輩の実力見せてくれるわ!」
カフェルネが無詠唱で最上級の魔法を空と地上に連発そして自ら作り出した闇の槍を使い落ちてきたゾンビを分身を作り手分けして屠っている。
「GOoooooo!」
「ゾンビバージョンのヘビーモスまでいるのか…こういう時のばあちゃん流だと確か【推して参る】だったか!」
オレはばあちゃんに唯一叩き込まれた技の準備を始めた。