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元勇者の転生人生記録  作者: 冬こもり
【クレイバール島の日々】
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わからせ

ルウカに気つけポーションと共に飲ませていたタン瘤を治すための薬の組み合わせが悪かったのかビクンビクンと全身に痙攣が起きていた。



「ひっ!ビクンビクンしてるわ!」

「ポーションの飲ませ方が悪かっタ…?」

「…紅茶をティーカップに入れるように流してたわね…でも飲ませ方というより薬との組み合わせじゃない…?」

「ルウカ先生が白目を剥いています……昔レレフィオーストさんに見させられた【エク○シスト】の映画の登場人物のようです…」

『流石の子供たちもドン引きにゃ……ルウカ大丈夫かにゃ?痙攣してるにゃよ…』

『その辺にいる一般人と違って体をかなり鍛え抜いておるが…純粋な人間じゃからな…我々とて心配になる事が目の前で起きておるわな』

「救護するための本に対処法が書いてあるかしラ?」




ラローネルはペラペラとページを進めると対処法が書いてあった。



「まず冷静になり左右対称かを観察シ、5分以上続くなら救急車を呼び痙攣が止まるまで様子を見ていて決して動かしてはいけなイ……だっテ」



すると一斉に自身が持つ時計を見た。



「…5分経ってるワ」

「……どっどうしたら…」

「ルウカ先生の従魔のベルネクローネは!?ベルネクローネを呼びましょうよ!」

「ベルネクローネがこの状況を見たら「何なのよこれー!」と叫びますよ」

『まぁ…ベルネクローネもエルシィの姉だからエルシィと同じく癒やしの魔法は使えるにゃか』

『では呼び出すかのう』



譜月がビクンビクンと痙攣しているルウカの腹にポフっととても優しく右の前足を置いてベルネクローネを呼び出した。


するとルウカが装着しているブレスレットが静かな光を放つと人の姿をしたベルネクローネが出てきた。



「んー…ようやく出られ…………イィィヤァア!?」



ベルネクローネは腰を抜かしルウカを見た。



「ちょっ!ちょっと!なっ何が起きているのよ!ルウカ!?痙攣してるけど大丈夫なの!?」



ベルネクローネも痙攣しているの見て動かすとヤバいと言うことを理解しているのか声をかけるだけをしていた。



「玖寿たち!何がどうしてどうなってこうなったの?!」

「それが…」



玖寿たちはそれぞれの目線で見てきたことを話した。



「ルウカの【友情の広場】の外に出られないと思っていたら外でそんな事になってたのね?…譜月と翡翠の姿が変わっていて弱くなってるなと思ったら本当に自ら弱くなってるし。

それに冥界の上位の使者の例の鬼人が派遣されるなんてかなりヤバいじゃない」

「クローネ…治せる?」

「えぇ、大丈夫と思いたいわ」



ベルネクローネは紫色の羽が混じった黒い翼を広げて祈りを捧げるとルウカの体が静かな光に包まれ痙攣は止まりたん瘤も引いた。



「わっ凄い…」

「一応、元に戻ったのでしょうか…」

「いつの間にか目瞑ってるワ」

「コレで一件落着かしら?」



するとルウカの目がギンッという感じで開き、ガバっと体が起き上がった。



『ようやく目覚めたにゃ』

『さっきは散々だったがな』

「ルウカ、異常はない?どうかしら?そもそも聞こえてる?」



ルウカは口を開いたがすこし様子が変だった。



「※◇○☆▽△▽△☆○◇※※※○◇☆▽○△※○◇▽☆※△、◇※▽△☆○※▽◇△○☆◇?」

「えっ………何語?」

「▲☆◇※■▼△◆▽○○☆◇★…」



ルウカが聞いたことのない言語を言っていてこの場にいる者たちは何を言っているの理解できないのである。

ルウカもベルネクローネたちの様子を見て察し、お互いに苦笑いが起きた。



「◇☆▽○△○▽☆◇○※◇※……」

「賢者殿が目を覚ましたようですね」



声の主が降りてくるとジャラジャラと音がなり、音のなる方を見るたら鎖で簀巻きにされたレンカ達がたん瘤を作り気絶させられていた。



「やることがエグいっ!男女平等主義っ!」

「子供でも容赦ないですね…」

「※☆▽◇△○……」

「おや、何らかの弊害で言語障害が出ていますね。治して差し上げましょうか?」



紅凰様は金棒をスイングした。



「▽※に※☆△☆▽、☆△☆※○せ※☆!」 



ルウカは自身の魔力が不安定になっているのを無理やり落ち着かせた。



「コレデドウダ?モドッタカ?」

「片言の日本語…なんか来日して3年目の外国の方々の喋り方みたい」

「マァ、イシソツウガデキレバダイジョウフダロ?」

「出来なく無いけど…」

「あの者の魔力阻害を受けていてここまで出来ていたら上出来でしょう」

『返り血が付いているが……』

「アレに一発は良いのを喰らわせたので良しとしてますが……面倒なのに絡まれましたね」

「ホントダヨ」

「子供達、どうしますか?貴方達が探していた人物はもうこのダンジョンに居ませんが最後まで登りますか?」

「どういうことですか?」

「もし用がないのであれば破壊活動に入ろうかと思っているのですよ」

「…鬼人さン、ピンクのエプロンをつけた大人はいましたカ?」

「ピンクのエプロンの大人?………残念ながら見ていませんね。

それでどうしますか?」


「サニカ先生に登りきれたら登って帰ってくるって言っちゃったかラ…最後まで登らせてほしいナ」



ラローネル達はお互いの顔を見て頷きエトシェリカは嫌そうだったがエトシェリカも登りきる宣言をした。



「そうですか……では私は後始末もあるのでこれで失礼します。鎖に繋いだ彼らと天命を迎えていない魂を届けることから始めましょうか……子供達が外に出たとわかるように鬼火でも置いときましょう」

「オレモツレテイッテクレナイカ?」





トンでもイケメンの鬼人様は鎖をさらに追加しルウカもレンカ達と同じように簀巻きにされて運ばれることとなった。

そして金棒でダンジョンの壁を破壊してさっさとダンジョン内から去っていった。






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