通信と
【クレイバール学校迷宮】
《第8階層(裏)結晶の鉱脈の宝物鉱床》
『そうそう〜。夜中に親たちにバレずに四人で抜け出したのは良かったんだけど、外に出たら思った以上に霧が深くて彷徨いながら歩てレンカが枝を踏むと、とても美味しそうな大きな蛇が急に出てきて睨まれて動けなくなったなーって思ったらこうなってたの』
「巨大な蛇のことを美味しそうなって言うのコナルヴィアだわネ」
「……何やってんのよ…」
「島を囲う霧は確かに深かいですが宿屋に泊まっていた時から巨大な蛇は見かけてないです」
『そうなの〜?』
『そんなに大きいのなら弱くなった我でも爬虫類特有の匂いを掻き分けられる筈じゃが匂いはしなかったぞ?』
『多分にゃけど、それは濃霧の影響かと思うにゃ』
「それでコナルヴィアはこのダンジョンのどこから来たか覚えてる?上?下?」
ルフェルニカがそう聞くと『うーん……どこだっけなぁ…壁とか色んなのをすり抜けてきたから……』と考え始めた。
『……あっ確かこのダンジョンの
コナルヴィアが何か言う前にすぅーと消えていった。
「えッ」
「良いところで消えた」
「……このダンジョンの次を聞きたかったわ…」
「敵さんに見つかったのかも知れませんね」
『多分そうにゃ』
『最後まで登り切るしかないのう』
「……少しでも休めたので次に進みましょうか」
「そうね、でもこの階層には階段が無いみたいだから降りてマグマの坑道の正式な階段の方を登りましょう」
「戻るのね……あの自然交「思い出させないでエトシェ…」」
『あれ?玖寿のリュックが光ってるにゃ』
「えっ?」
玖寿は背負っているリュックを目の前に持ってくると確かにリュックが光っていた。
玖寿はリュックを調べるといつの間に入れられた光っている水晶玉が出てきた。
するとサニカとの通信が行われた。
『子供たち無事かい?』
「…サニカ先生…どうか無事ですよ。サニカ先生の方はどうでしたか?」
『私の方も結構な修羅だったよ。玖寿のどうにか無事のニュアンスが低かったから玖寿達の方も散々だったみたいだね』
「結構な死に戻りをしたワ…」
『残りの残基はどれくらい残っているの?』
「5回分…」
『………30回分の身代わり用品をそれぞれに渡したけどかなりの経験をしたね』
「サニカ先生、あとコナルヴィアの魂らしき者が現れてどこから来たか聞いたら重要な所を言う寸前の所ですぅーって消えちゃったわ」
『言う前にとすぅーと消えたなら邪魔が入ったね……それでクレイバール学校迷宮を攻略出来そうかい?』
「残りどれだけの階層があるかわかりませんがやれるだけやります」
『そうか……帰還の鈴の魔力を水晶玉を通して感じないけど介入があるみたいだね』
「……………死がだんだん近づいてるわ…」
『もしも本物のピンチが訪れようならどんなことをしても必ず私が玖寿、ラローネル、エトシェリカ、ルフェルニカ、譜月、翡翠の元に行くからね』
「そんなことやって譜月たちみたいに弱くならないでよ?」
『善処するよ……周囲をよく見て気を付けて進んでね。
譜月、翡翠…子供たちの事を頼んだからね?』
『『任せて欲しい』にゃ…今の所特に役に立ててないにゃけど』
「サニカ先生の方も」
すると水晶玉の輝きがなくなり通信が切れた。
「なんか先生の方もドタバタ忙しそうだったわネ」
「星の泉がーとか大人達が騒いでいたから何かあったのね」
「それにしても後どれだけ登れば良いのかしら……」
「そればかりはイタズラの神のみぞ知るでしょう」
子供たちはレジャーシート等を片付けて階段を降りようとしたがラローネルがピッケルを取り出していた。
「ラローネル…何をするつもりなの…?」
「なんか惹かれるものがあったのでカンカンしようかト」
「譜月、翡翠、カンカンして大丈夫そうなの?」
『んー微妙にゃね』
『カンカンして採取したとしても、採取した石が良い方に転ぶか悪い方に転ぶかは起きないと分からぬ』
「微妙なのね」
「この石だけカンカンさせて!」
ラローネルが指を指したのは七色に輝く水晶であった。
『ラローネルが反応するくらいにはあんまし見かけない美しい水晶じゃな』
「でしょでしョ!彫金師のルルエールさんにこの水晶を採取して託したら良いのが作れそうなのヨ!」
「良いのを作れそうとラローネルは言ってますが…何を作るか考えてます?」
「えッ?ルルエールちゃんに託せば良いんじゃなイ?」
「ふふ……ラローネルらしいわ」
「それじゃ行くヨー!」
ラローネルがピッケルを七色に輝く水晶に向けて振りかざそうとしたら突然ニョキっと腕が出て来てラローネルにデコピンした。
「あっ痛ッ!?」
そして七色に輝く水晶からドスの聞かせた声が当たりに響いた。
『何やっているんです?』




