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元勇者の転生人生記録  作者: 冬こもり
【クレイバール島の日々】
302/569

番外編 ブラッディーハロウィンの反省

【クレイバール島】


《寄り合い場》



「さて、マジェリルカ。何か言うことはない?」

「わたしは悪くないわ」

「第一声がそれかい」

「子供たち若干引いてたわね」

「サニカ先生達はカボチャ料理を持つと震えてたし…食べるとき自分自身と戦ってたよね?」

「だって〜…あのカボチャ生きてたんだもん…カボチャを切ったらトマトジュースが飛び出してきたのよ?」

「あと断末魔ね」

「調理場がカオスになってたわね。あと魔物の解体をやってる気分だったわ」

「えっ」



シェシアとナオハルとルファーナは調理しているところを思い出し身震いした。




「収獲チームも散々だったよ」

「特に巨大化したカボチャな」

「蔓がぶっといんだよな…」

「子供たちはブーブーいっていたが収獲チームに入れなくてホントーに良かったと思ったよ」

「その子供たちは親とラブ先生とルウカ先生が引率して今頃ハロウィンカボチャの専用の畑に行ってるんだろ?」

「惨状を見て子供たちもラブ先生も引いてるよな」

「マジェリルカちゃん……ホントーに…どれだけの物を育てたのじゃ……」

「ホントにね」

「………それでは来年度のハロウィンカボチャについてに話し合いを始めようか。

全面的にマジェリルカとニヴァに管理を任せた私も責任あるし、もう過ぎたことだから何も言うまいさ」

「ソーデスネ」






来年度のハロウィンに向けての話し合いが開始されハロウィンカボチャ専用の畑に向かった子供たちとその親達とラブナシカとルウカはというと…。












《ハロウィンカボチャ専用の畑》




「いやぁああああっ!何なのよこれはっ!」

「コレでも頑張って半分は処理したんだぞ?」

「処理したんだぞじゃないわよっ」

「うわー…コレはまた……」




ラブナシカがぷりぷり怒っている理由は目の前に広がるいまだにぴくんぴくんと動くに蔓と切られた所から真っ赤な液体が流れているからである。

幼ない子供達はその場で倒れ、その親達は惨状を見てドン引きしている。




「子供たちが行きたい行きたいって言ったから「そんなに行きないのなら逝けばいい」ってサニカ先生にオッケー貰ったけども」

「あー…倒れるわよね……スプラッターな景色だものね……まだ子供たちには早かったわね…」

『子供たちを寝かすならボクに任せて』



タヌ治郎は普段から持持ち歩いている茶釜を置いて茶釜の蓋に肉球を押し当てるとパカッと蓋が開くとそこには立派なリビングが内蔵されていた。



『子供たちを一時的に茶釜の中にある部屋に避難させるからね』



タヌ治郎は気絶した子供たちを茶釜の中のリビングに収納して見せた。



『サニカと似た能力を使える恩恵をボクは受けているから大丈夫だからね』

「コレで子供たちは大丈夫そうだな」

 


ラブナシカが蔓とかを直接触れて調べていたが…。



「燃やすなりしなさいよ」 

「燃やしきれないんだよ…高位の火の魔法を5回放ったんだぞ?それなのにコレだからな?」

「ひっ……いまドロッと濃い赤いのが流れたっ!」

「相変わらずなんか鉄臭いナ…」

「…………少し食べたけど大丈夫よね?」

「大量に残ったカボチャ料理はクレイバール牧場の魔物達にハロウィンの贈り物だよーって贈られていたけど魔物たちですら若干引いてたわ」

「…この畑使えるんでしょうか」

「使えるようにしなきゃいけないのでしょう?子供たち知恵を振り絞るのよっ!」

「植物に向けて海の水を撒いてみるのはどう?」

「それは昨日やったヨ」

「えっ…それじゃ…この辺の空気を圧縮して二酸化炭素とかを吸えなくするとかは?」

「それも昨日のうちにヤッた」

「ダメじゃん」

「万策尽きたからこのまま放置したんだろ?結界を施して広がらないようにしてな」

「…………うわぁ……ホントにどうしよ」

「浄化してみるのはどうでしょうか」

「あー……浄化は試してないな……浄化と言えばこの中で白虎だよな」

「まぁ……一応、先生に【信仰が始めて行われた異世界の聖書】を持たされてるけども……俺、呪われないよな…?」

「多分平気だと思います」

「……………呪われたとしてもラブ先生が居るから大丈夫だヨ」



白虎は深呼吸して聖書を開くと自動でこの惨状をどうにか出来るであろうページが開かれた。



「その聖書…すげーな、自動でこの惨状に相応しいページが開かれたぜ」

「ホントだ……では…【収獲を終えし魔改造された植物の無念を癒しこの地を再び祝福されし豊穣の大地へと浄化し祝福されし大地へと戻りたまえ】」



すると散々たる畑には白い炎がボッボッと現れ燃え始めると「ピギャァアァアア!!」と言う悲鳴が轟いた。

それを聞いたルウカ達は激しい悪寒と震えに見舞われたがラブナシカが両手を使い♡マークを作り「アタシの愛のパワーを喰らいなさい!【ラブラブランデブーゥ】」と唱えあたり一面がピンク色に染まった。


呪いのような黒いオーラとピンクオーラが激しくぶつかり合いタヌ治郎に『避難するよ!』と声を掛けられルウカ達はこの場所から逃走した。


ある程度の距離を取ると悪寒と震えが止まりハロウィンカボチャ専用の畑の上空にブロークンハートがモクモクと煙で出来ていた。


そして物の数分後にはラブナシカがやってやったわと言った表情をして出てきた。



結局、数日後にはハロウィンカボチャ専用の畑をサニカとカーウェンとハルディオラが地質調査に入り暫く使えないと判断し自然に浄化をしてくれる【精霊花】を植えたのだった。


だがその【精霊花】がちゃんと成長するのに手間取り浄化に3年もの年月が掛かったのである。


そして浄化されたハロウィンカボチャ専用の畑で久し振りに育てられたカボチャに突然変異が起きピンク色のカボチャと真黒いカボチャが実るようになった。


真黒いカボチャを食べると気分が悪くなり、ピンク色のカボチャを食べると恋に落ちた様な感じになる事を異世界の植物学者3名を呼び魔物実験で判明させた。


ピンク色のカボチャと真黒いカボチャは危険物に指定された事でハロウィンカボチャ専用の畑は然るべき対応を取られ異界の植物学者3名によって畑ごと島の土地を抉り取り新しい土を入れられハロウィンカボチャ専用の畑を作り直されてからは通常通りのカボチャが収獲出来るようになって一段落が付いたのであった。




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