以下自主規制します
【クレイバール学校迷宮】
《8階層〜憤怒と高熱の坑道〜》
キコキコキコキコと1台の一輪車の漕ぐ音だけが鳴り響いていた。
「………何でこうなったのかしら…」
ルフェルニカはつい先程起きた事を思い出しながら見の前のゴールに向かって行った。
〜30分前〜
「こうなったら!やったるわ!!」
ルフェルニカは一輪車に乗ってから壁に掛けてあった細い棒を掴みスタートの合図を待っていた。
「ヤーイ!ハデアタマ!」
「なんですって?」
ルフェルニカは細い棒を持ったまま性格の悪いピクシー振り返ると細い棒の先が右側の一輪車に乗っていたピクシーの体にクリーンヒットして落ち、ポチャン……と音が響きボコボコ…とマグマが活動している音だけが聞こえている。
「えっ」
【一輪車レーススタート!】とアナウンスが流れた。
「えっ?移動していいの?」
ルフェルニカは取り敢えずキコキコキコキコと一輪車を漕ぎ始めた。
マグマの中から炎に焼かれている途中のピクシーが「コムスメガァ!」と飛び出して来たが、勢い余って細い棒に当たりまたポチャン…とマグマの中に入っていった。
ある一定の場所に着くとエグい障害物が出てきたが、障害物が出てくるタイミングで必ず炎に焼かれているピクシーがマグマの中から現れ障害物と鉢合わせてマグマにポチャン…ポチャンと入っていったのである。
そして遂にルフェルニカが一輪車レースでゴールすると捕まっていた三人と二匹は解き放たれた。
「何事もなく済んで良かったですね」
「…えぇ…良かったのかしらね」
「なら次の階層に行きましょうヨ…階段あるシ」
「そうね……」
次の階層に向かおうとしたらマグマの中からピクシーがまたまた現れた。
「チョットマチナサイヨ!」
『うわぁ……炎に焼かれている途中のピクシーが出てきたにゃ』
『ここは我が…』
譜月がフッと燃えているピクシーに息を吹き掛けると更に燃え上がり「▽☆◇△※○☆◇▽”※○!!」と聞き取れない言葉を放ちゴロンゴロンと床に転がった。
玖寿が先に階段を上り進もうとしたら悪寒が走った。
「どうしたノ?」
「なんかこの階段を登ろうとしたら悪寒がしました…」
「えっ………罠でも仕掛けられてる…?」
「人間のこういう時の感は信じれるわよね」
『子供達なら通れそうな道があるから付いてくるにゃ』
『我も子狼モードになろうかのう』
譜月と翡翠はポンッと子狼と仔猫に変化して階段と右側の壁の間に子供くらいなら通れそうな隙間があり翡翠が先頭を歩き子供達は屈んで翡翠の後をひとりずつ通り最後に譜月が入っていった。
子供達の目の前にはとても美しい巨大な水晶の原石の群生が現れたのだった。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
《隠し通路?》
「すっごいキレイね」
「ねぇねェ、カンカンってすル?」
ラローネルはリュックからピッケルを取り出して目をキラキラさせていたが。
「やめた方がいいわ……その水晶、呪いの水晶よ……」
「それもいくつもの呪いが何重にもかさねられてます…」
「「えッ」」
「あら……玖寿もわかったの…?」
「呪われてますって雰囲気が出てますよ…」
するとラローネルはピッケルを何食わぬ顔をしてしまった。
ルフェルニカとラローネルはじっと水晶を見ていると見たこともない景色や苦悶の表情をした人々の顔が映った。
「ひっ!」
「水晶に映っている人々が苦悶の表情をしてるワ……」
『……譜月見るにゃ』
『ん?どうしたのだ、翡翠……』
譜月と翡翠も水晶を覗いていたがなんとも言えぬ表情をした。
「どうしたノ?翡翠、譜月?」
『……いやなに、クレイバール島から巣立った者が映っていたのでな…』
『最近の異界は旅するのに適している世界もあれば異界の者が歓迎されない異世界もあるからにゃ〜』
『そもそも簡単には辿り着けない世界もあるからのう』
「アタシ達が暮らしている世界は簡単には辿り着けない世界の方よね」
『そのお陰で変に影響を受けにゃいし、のんびり楽しく過ごせるにゃね』
「平和すぎて飽きたとか言って飛び出すのもいるけれどモ」
『そういった子らは安寧秩序の平和のありがたさを知らないのにゃよ……ミー達が見たのは平和なのを飽きたと言って飛び出した子供たちにゃよ』
「それで次の階層に向かうための階段は何処かしら…?」
キョロキョロと階段を探している所にマグマの坑道の方から魔物同士の声が聞こえ始めたので四人と二匹は聞き耳を立てたが子供たちは後悔することになる。
ゴテゴテの衣装を身に纏った巨人が遂に階段付近にやって来て「花嫁は何処だと」探していたが、このフロアのピクシーと合間見れ急にバトルが始まった。
だかその数分後には決着が着いたのかビリビリと服が破り取られる音が響きピクシーの悲鳴が聞こ…以下自主規制。
そして動くに動けなくなりそのまま立ち止まること3時間が経過してピクシーを連れ帰る宣言をしてゴテゴテの衣装を身に纏った巨人は独特な足音を鳴らして去っていったが…。
(子供たち、まだ動くでないぞ?……まだ何か気配を感じる。
このままあともう少し立っているのじゃ……呪いの水晶を利用するのじゃ)
(了解したワ……こういう立っているだけの地味な訓練をサニカ先生にさせられたもんネ)
(………ここまでしつこいにゃんて…)
それからさらに2時間経過してようやく緊張から開放された。
(さっさとこの隠し部屋の階段を登って次の階層に向かってそこで休みましょう…?)
エトシェリカが階段を見つけたらしく階段の方に指を指した。
(もう念話をやめて喋っても…………まだですね……)
(……こうなったら…昔強者と力比べした時にルウカが使った技を真似してみようかにゃ)
翡翠はその場で魔力を使うことなくクラウンタイガーの能力のみを使い宙に浮かび上がると、子供たちと譜月を自身が作った雲で包み込んで浮かべ階段の方に向かい宙に浮いたまま階段を登っていった。
(ルウカは空気を固めて足場を作り宙に浮いて戦うスタイルの強者と互角に戦ってたにゃ!)
(………今回は助かりました、ありがとうございます。翡翠)
(どういたしましてにゃ!)
(話の腰を折るけど、調子に乗るのは禁止ヨ?)
(わかってるにゃよ…)
(階段を登り切ったら休みましょう?)
(そうじゃな)