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元勇者の転生人生記録  作者: 冬こもり
【クレイバール島の日々】
298/558

攻略開始…?

【クレイバール学校迷宮】


《1階層〜暗闇と執拗の追跡者〜》




『おんどりゃぁア!あたしの爪の錆にしてくれるわァ!』



ハイビーストの犬型の姿となったラローネルが殿となり先頭を走りながら鋭い爪を使い【アンヤゴブリン】を駆逐していた。

玖寿は【レッサーウルフ】から【飛び級の実】を食べて【ウルフクイーン】になった譜月の背に乗りラローネルの後を着いている。

ルフェルニカとエトシェリカは【下級妖魔】から【クラウンタイガー】となり譜月よりもデカくなった翡翠の背に二人乗りしていて譜月と翡翠は並走して動いていた。



「…ラローネルが近接での戦闘に慣れてきてるわ…それにしてもこんなに沢山居たのね…」

「それにしても珍しいですね、メスの個体しか居ないなんて…オーガがハーレムを築いているのでしょうか?」

「たぶんそうなんじゃないかしら?」

「我が炎に焼かれ滅せよ…【イグニー厶フレイ厶】…!」



父から譲り受けた魔導書に書かれている技名をエトシェリカが唱え放つと背後に迫って来た影に潜んだモンスターを燃やした。



「完全には燃やせないわ…暫らくしたらまた来るわね…」

「玖寿、敵が来るから左に避けるか体を屈めて!」



玖寿は体を屈めてルフェルニカは銛を構えゴムの部分を引っ張り巨大なコウモリが近くに来たタイミングで放った。

そして捕まえたことを確認するとコウモリを床にゴリゴリと押し付けコウモリが消滅すると銛を持ち直した。




「ルニカ、ありがとうございます…そろそろ物理攻撃を防ぐ障壁をはしましょうか」



玖寿は聖書を開き聖書の一文を言った。



「…奇跡を信じその力を一端を我々に分け与え守りたまえ…【ブレイクキャンセルバリアー】」

「なんか技名がダサいわ」



ルフェルニカがそう言うと翡翠とルフェルニカとエトシェリカには防壁が張られなかった。



「えっ」

「【信仰が始めて行われた世界】の神聖魔法をダサいと言うからですよ…暫くしないと張れませんからね?」

「ルニカ…」

『ミーが防壁を張るから責めるでないにゃよ、エトシェリカ』

「えぇ…」

『最近の魔法の技名は格好よいにゃ。

でも古ければ古いほど技名が放たれる魔法の姿のまんまで効果も今どきの魔法の術式と違って完璧に組み立てられているからかなり強いにゃよ』



ラローネルは防壁を纏う事で物理攻撃を無効にして前足の爪を使い前から来る魔物を蹴散らしている。



「………確かにラローネルを見れは一目瞭然ね」

「でもこうなるまでに3回ほど死に戻りしてるけど」

『「それは言わない約束でしょう?」じゃぞ』



グイグイ進んでいると次の階層に上がるための階段が目の前に現れたがこの階層のフロアボスの【アンヤオーガ】はメフィリーネによって倒されていて復活してなく、そのまま2階へ上がることが出来た。


そして2階層のフロアボスだったゴテゴテの衣装を身に纏ったギガースが不在のため更に進み、1階層が異様に難しかっただけで一気に階層を駆け上がり、自身のレベルも一桁のまま7階層についてしまった。












◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇








【クレイバール学校迷宮】



《7階層〜色欲と欲望の海〜》



「暗闇、ジャングル、廃墟、濃霧、毒沼、キノコの森が終わったと思ったラ……海」

「………おっ泳ぐの…?」

「泳ぐしかないでしょうネ。着衣水泳デ」

「グヘヘヘ!人魚が沢山っ!マーメイド!セイレネス!」



ルフェルニカは人魚を見て()()も海に突撃してマーメイドの群れによって溺れ死にさせられ死に戻り、今はエトシェリカとラローネルによって簀巻きにされ体を持ち上げられても苦しくない部位を譜月に加え上げられている。



「頼みの綱のルニカは人魚狂いが出てるので無理ですね」

「まさに欲望の海…」

『上手いことを言っても今は特に笑えないぞ』



翡翠も縦に頷いている。



「そんなことわかってるわ。サニカ先生に音楽の授業の時にマーメイドやセイレネスについて聞かされたけど…リアルで捕食シーンを見るもんじゃないわね…」

「ルフェルニカにバシャバシャと群がって海が赤く染まって怖かったでス」

「何を言っているんですか。この階層に着いてそうそうマーメイドの歌声に魅了され海に入った事を忘れたとは言わせませんよ」

「「………………………」」

『面倒だからもうマーメイドの群れに雷を放ちまくって生物が居なくなったら進むとしようかのう』

『…………効くのかにゃ?』

『ルウカが作った海の底まで轟かせる【雷滅大嵐】の魔術が封じ込められた魔符を使えば良いのじゃ。』



譜月は【雷滅大嵐】と呼ばれる魔術が封じ込められた魔符をサニカによって腕に装着させられた小さなリュックサックからまずは一枚を取り出しマーメイド達が群れだっている場所に放った。


マーメイド達は海の底へ逃げていき、マーメイドを淘汰させるかと騒ぎ出す前にエトシェリカがルフェルニカに猿轡をした。


すると雲一つない場所からカッと稲光が放たれてすぐに黒い雲がモクモクと湧き上がり風が吹き荒れ巨大な竜巻が現れた。



「おっ思ってたのとなんか違う…」

『ルウカ……なんという魔術を作ったんだにゃ…』

「竜巻デカすぎなイ?」

「このまま巨大なハリケーンがコチラに来れば巻き込まれて死に戻りですね。ははっ」

『翡翠、地面に伏せて踏ん張るぞな。子供たち我々にしがみつくのじゃ』




譜月と翡翠は近くに寄って伏せ二匹の間に3人は入り込んでガシッと左手と右手でそれぞれの毛を掴んだ。



『…こんなことを言ったら失礼にゃけど…莉糸がここに居なくて良かったにゃ』

『子供たちの中で1番力があるから掴まれたら最後、かなりの量の毛をむしり取られるであろうな』



呑気に二匹は話しているが子供たちは巨大なハリケーンを見て戦慄していた。

そしてゴォォォ!!と言う轟音を轟かせながら巨大なハリケーンが水面を移動し、水を巻き上げ荒々しい風が吹き荒れドンドン迫って来た。



「ひぇエ!…雨も降ってきタ!って塩っぱッ!」

「………!」

「ラローネルは相変わらず…騒がしいわね……こうなったらなるようにしかならないわよ…」



ダンジョンの海の水がハリケーンに全て巻き上げられ底が見えた。



「うわっ……ダンジョン内の海の底が見えてます…!」

「どんだけこの巨大な竜巻ヤバいのよヨ!」

「……思ったより……深くないわね……」

「見るところそこなノ?!」

「重要な所よ…?」

「ふたりとも!もうすぐ近くにハリケーンが来ます!」



ハリケーンが近づく度に風と雨が強まり身体が冷えてきた。



「キャァア!」

「あはッ!エトシェもそんな声を出すのネ!」



エトシェリカは余裕な雰囲気を醸し出していたが、それが仇となり体勢を崩し宙に浮かんだ。

独りで逝ってたまるか!という気持ちになったのか一番近くにいたラローネルを掴んだ。



「何やってるんですか!?エトシェ!」

「ちょっト!エトシェ!なんでぇエ?!」

「独りで逝くより2人で!」

「なら3人で!」



今度はラローネルが体勢を崩し玖寿を掴んだ。



「えっ?!」

「皆で逝こうヨ…?」

「ラローネル!?」

『お前達は何をしてるんだ…』

「ふっ譜月…翡翠!…助けて…!」

『もう少しで魔符の効果が切れる……玖寿は男じゃろ?根性を出して耐えるのじゃ』

『譜月に同意にゃ』

「今ここで根性論を唱えないでください!」




玖寿は二匹をジーと見たが、今の体勢を崩すのは二匹共に余裕がないらしく目を逸らされた。


嵐が過ぎ去るまで耐えて二匹を罵倒してやると玖寿は思ったがそのもう少しが寒さなどの要因で耐えられず3人は巨大なハリケーンに吸いこまれて言った。 




「コレでルフェルニカと一緒ね?」

「「嬉しくないです!」ワ!」



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