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元勇者の転生人生記録  作者: 冬こもり
【クレイバール島の日々】
289/555

小さな探検家達

【無敵の宿屋】


《西側のエントランスラウンジ》



ナントークーゼ島で散々な目にあった玖寿とルフェルニカも昼過ぎになって復活し話し合いに参加した。



「普段から寝てばかりのコナルヴィアがレンカ達と行動していたとは…何か感じるのもでもあったのでしょうか」

「食欲大魔神だから食べ物でつられたのよ…レンカに」



いつも早弁していてお昼ごはんが足りなくなるコナルヴィアにいつも弁当のオカズを奪われているカーウェンの娘のエトシェリカが言った。



「子供達だけで探索させるなんて何百年振り?」

「500年振りくらいじゃな」

「年下組であるイオンとヴァリラとディーシェはサポートに回ってもらうつもりでいるけども」

「なんだと!我は認めんぞ!…というより我も冒険したいぞ」

「探索させたいけど何があるかわかったもんじゃないからね…サポートしてはいけないって看板には書いてなかったらバフ掛け名人たちにバフを掛けてもらうさ」

「子供たちよ、第一陣の先行隊として足を踏み入れたいと志願するのもはい「暫し待たれよ!」



すると人間に化けた譜月が莉糸の曽祖父であるイグファルドの言葉を遮った。



「どうした、譜月」

「サニカ、魔物は入ってはイケないと書かれていたか?」

「書いてなかったけど子供だけって書いてあったから譜月達も手伝えないと思う」

「子供だけと言うならば我も子供になれば入れるのでは?」

「譜月、子供だけって言ったの聞いてた?」

「者は試しだな!もし失敗しても平気じゃろ。では弱くなろうかのう!」

「ちょい待った!」



サニカの静止を無視した譜月はここぞと言うときのための自身の魔力を解放して自身の体を無理やり変化させた。

濃密な魔力に包まれた譜月がどんどん小さくなっていった。

そして……。



『コレでどうじゃ!我は小さくなったぞ!』



濃密な魔力がなくなり【冥犬王】と呼ばれていた時の面影は消え失せそこには子犬ではなく子狼がピョコンと座っていた。



「マジでやっちゃったよ、あんなに苦労して【冥犬王】に進化させたのに……【レッサーウルフ】になった…出会った頃よりも弱い魔物に変化しとる」 

「え」



サニカは悔しそうに譜月のステータスを確認していた。

大人達も譜月のステータスを見た。




譜月


種族 レッサーウルフ

性別 ♀

現在 転生したことによって生誕1日目

称号 強さを捨て去り自ら弱くなった魔物




「やっちまったな、サニカ先生」

「……もう譜月の進化に関しては本人が好きに進化すればいいや、まだ譜月が子供達と共に学校迷宮に入れるかわかっていないのに仕出かすとは…昔の狡猾さはどこ行った?」

「今は狡猾と言うよりはセラピー犬だよな」

「あー…子供たちの編成に戻るかー」




最初に学校迷宮に潜るメンバーはやる気のある者を中心としたパーティーとなると言うよりも既に潜る者は決まっていた。



ラローネル、エトシェリカ、ルフェルニカ、玖寿の四人であった。



「何で僕が先発隊として編成されてるんですか?」

「それはこっちの台詞よ、玖寿」

「ここに居るのは限られてるからね。日葵にはまとめ役としてイオン、ディーシェ、ヴァリラと共に私と一緒に車ではなく歩きでフクコ達の捜索をしてもらいたいからです」

「やったぞ!ゴネた我の勝利だ!」

「「えっ」」



ディーシェとヴァリラはイオンに向けて巻き込みやがったなと嫌そうな表情をした。



「経験を積むのに良い機会だし子供を連れてたほうが危険が少なくフクコ達を捜索するのに良さそうだし…後はポーリア達にはナビゲートを頼みたい」

「魔法の地図の作成ね?わかったわ」

「武器なんて使ったことないよ…」

「お前らにはおれとロッカで体術を叩き込んだろ」

「あとあたしもそれぞれが得意とする魔法を教えたんだから使いなさいよ。

ラローネルは回復と雷魔法でエトシェリカは闇と風魔法でルフェルニカは炎と水魔法で玖寿は聖と回復魔法でバランス良いじゃないの」

「回復がふたり居るんだけど」

「回復魔法が間に合わないってことがないから良いじゃん」

「……………えぇ」

『ボクも手伝えれば良いんだけどね…』

『治郎も我と同じように弱くなれば良いじゃないか』

『なんでやねん』

「まっ出発は明日の朝で私と日葵チームは先発隊チームを表玄関までは見送るからね」

「……決定事項になってるわ」

「でも本当に嫌なら行かせないさ。残る?」

「いいえ、僕は母さんや双子の事もあるから行きます」

「ならワタシは残りたいな」

「サニカ先生、ボクも学校の温室に用があるので着いていきます」

「あー…そろそろその時期か。よろしく頼むよカーウェン」

「着いてくわ」

「切り替えが早いなエトシェ」

「……サニカ先生、火天の宿屋にある【道場】使っていい?明日のためにイオン達も巻き込んで訓練してくるわ」

「良いよ。【道場】の鍵はタヌ治郎に……譜月と子供たちを頼んだよ」

『アイアイサー』



タヌ治郎が先頭を歩き出したのを確認したルフェルニカが「訓練いやー」と言っている他の子供達と譜月に「少しでも怪我しないように訓練するわよ!」と言って引き連れて火天の宿屋に向かっていった。



サニカ達も明日の準備をするために動き出した。







◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇













【火天の宿屋】


《道場》


「それでルニカ何をするの?」

「もの投げつけありのパルクールケイドロかス○○トゥーンごっこ」

「パルクールケイドロの方が実戦として良さそうな気がします」

「もの投げつけありを抜いたわ」

『鬼役は我がやろう』

「ケイドロの鬼が一匹だけだと終わらないからもう二人欲しいわ」



するとほぼ同時にエトシェリカとラローネルが手を上げた。



「はいはーい!あたし鬼やるワ!」

「ラローネルは良いとしてエトシェに鬼はやらせません」

「なんでよ」

「昔、エトシェが鬼役をやってて追いかけるの面倒だと途中サボって行方不明事件を起こしかけたり、マジモンの鬼を召喚してリアル鬼ごっこをやらされたから無理です」

「ちっ」

「ちっ…じゃないわよ、見つからなければ逃げる方で良いんだから走るの面倒なら隠れてなさいよ…鬼はラローネルと譜月だけで良いか。

ロルスさんが片付けるのを忘れて障害物を置いたままのしてあるこのままやりましょうか。

ラローネル、譜月。わたし達のハンデとして100数えてくれる?」

「いーよ」

『良いぞ』

「それじゃ始め!」



きゃーと蜘蛛の子を散らすように散り散りとなり隠れるなり逃げやすい場所を見つけたり譜月とラローネルが100を数えるまで定位置に着いた。




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