表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
元勇者の転生人生記録  作者: 冬こもり
【クレイバール島の日々】
287/555

快速の探検


日葵が言ったセリフに間違いがあり直しましたのと内容が抜けました!すみません!

【無敵の宿屋】


《東側のエントランスラウンジ》


「………………」

「キユク達が心配なのはわかりますが…」

「出てからまだ10分しか経ってないぞ?」

「不安にならないのか?まだまだ霧が続いてるから不安なんだよ…先生?どこに行くんだ?」



真新しい探検服を着たサニカが自室から現れた。



「新しい探検服の実験と星の泉の様子を見て来る」

「えっ」

「大丈夫さ、すぐに戻るよ」



ガチャっとドアを開けたら10分前に出てばかりのキユク達が戻ってきてなだれ込むように宿屋の玄関に倒れ込んだ。



「ハノン、レシェット来てくれ。来たらキユク達をソファーまで運んでくれるー?」

「わっわかりました!」

「はいなのよー」



ヒョイっと持ち上げられソファーまで運ばれて行った。



「キユク!…って冷た!」

「何だか所々凍ってる」

「運んでいる最中に体温を調べましたが低くなってますので特製のカイロを貼りましょう」



ベタベタとハノンとレシェットはカイロを張り出した。

そしてロディンナさんとラタムも駆けつけて来て手当を始めた。


ラタムにキユクから離され大人しく遠くから見ていろと言われた。



「何か異常事態が起きてる……尚更行かないとだね」

『サニカ、キユク達はラタムたちに任せて例の車を使っていってきなよ』

「……そうしよう……誰が同行したい人は居るかい?車で移動するなら同行しても安全だから誰でも」

「それならくじ引きで決めようよ!」

「確かにそっちのほうが後腐れなく出来るわね」














◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇














【無敵の宿屋の駐車場】


《車内》



サニカは全員が乗ったのを確認すると運転席側にしかない車の鍵を閉めた。



「ちゃんとシートベルト固定した?」

「うん!ちゃんとシートベルト固定したよ」

「ここからどんな景色が見えるかナ〜?」

「ウチが知ってる車となんか違う…」



行方が掴めて居なかった莉糸はくじ引きをしていた時に、無敵の宿屋の方の【図書館】にある【薔薇の園の区画】の側で寝落ちしていたらしくひょっこりと「お腹すいたー」と無敵の宿屋の方の【図書館】から出てきた時に皆、驚いていた。

そして莉糸は母である唯糸にこってりと絞られた。



そしてくじでアタリを引いたのは日葵とラローネルと一悶着あった莉糸であった。

そして三人は好奇心に胸をときめきに溢れさせていた。


そして車内にエンジン音が響いた。



「でさ散策と行きますか」

「出発ゥ!」




ブロロロロ…と車が動き出すと自動で宿屋にある車庫が開いた。



「特に待ち伏せはしてはなさそうだー




そして車庫から出て直ぐにバキャッと嫌な音が響いた。



「「「……………」」」

「感覚からして何か物を踏んじゃった感じがする」

「えッ」

「ラローネル莉糸や日葵の窓から何が見える?」

「……見なきゃだめ?サニカ先生」

「嫌なら見なくて良いよ」

「サニカ先生壊れないよね?この車」

「創造されてから数万年経ってるけど今も健在だし、どんな状態異常も攻撃も防ぐのは確認してるよ」

「おぅ…」

「さて、どのルートから巡っていこうか?」



車に乗った日葵と莉糸は早まったかもと思った。



「えっト……まずはあたし達が暮らす住宅街から回ってから山に登って畑とかの様子を見て学校の近くに向かってそこから山を下って星明かりの森をウロウロして海に続く道を通って浜辺に向かってから宿に帰ル」

「反時計回りだね、それじゃラローネルが言ったルートを通って行こう」

「ゴーゴーなんだヨ!」



日葵と莉糸はホントに大丈夫なのかと不安に見舞われながらシートベルトをギュッと掴んだ。


車庫から車が出て直ぐに自動で車庫のシャッターが締まるとまたまたグシャっと嫌な音が響いた。

深い霧故に何がグシャっしたかなどわからずじまいである。


だが宿屋と同じチートマシマシの安全な車だとサニカに言われているために日葵と莉糸はお互いに顔を見合わせると窓から外の光景を見た。

ふたりはシートベルトを装着したまま器用に体を反転させて車が出たばかりなので見えると思い車庫の足元を見ると車庫から宿屋に侵入しようとしている人の手の形をしている触手が結界に弾かれ車に踏まれたのだと知った。



「先生が車で踏んだの人の手の形をした触手だったわ」

「また触手か……キユク達は大丈夫かねぇ」

「ロッカさんも居るから大丈夫だと思いたいな〜」

「あら日葵、ウチの父も居るのよ?」

「フィリムさんって変なところ冷たいから見捨てそう…」

「そこまで人でなしじゃないわよ…幼馴染み同士で向かったんだから」

「でも日葵達にいつも会うたびに言ってるわヨ?もし何者かに襲われたら莉糸の肉盾になれてきなことヲ…」

「そんなこと言われてたんか日葵達は…どんな親も自分の子供は可愛いけども、でも流石にそれはねぇ…フィリムには私から少し注意しておくよ」



すると窓の外を見ていたラローネルが何かを見つけた。



「あっサニカ先生!大広場の中心になんかいタ!」

「ラローネルの後ろは莉糸か…莉糸は何か見えた?」

「………………………………ナニモミテナイワ」

「莉糸、片言の日本語になってるよ…隠すの下手だなぁ」

「ウチ、ホントウニナニモミテナイワ」

「見たんだね……フェイースもシューゴも今は火天の宿屋に居るから……一応行ってみようか。

車内に居れば大丈夫だし、見たくないなら目を瞑っていなさい、何かいたとしても居なくなったら教えるから」

「先生、外の音を聞こえなくできない?」

「出来なくはないけども、もしかしたらがあるから無音にしないかな」

「うへぇ…」



サニカは住宅街を回ってから大広場に直行した。

大広場にたどり着きその中心に居たのは下半身だけの何かだった。



「うわァ……人型の何かだョ…サニカ先生が最初に引いたのってもしかしてこの人型の何かの手だったりしテ…」

「………その可能性はある」

「ラローネル…目を瞑ってた方がいい感じ?」

「うン、下半身から内蔵とか見えてるヨ」

「ねぇ、おれの窓側からなんか声がするんだけど」

「日葵は目を瞑っているなら目を開けちゃ駄目だよ?」

「………もしかしてだけど…」

「居るわネ」



日葵は何でおれなんだよぉ!と心の中で思った。



「この車の窓も火天の宿屋や無敵の宿屋のように中からは見えるけど外から見れないマジックミラーになってるからどこに誰が居るか覗いてるかもね」

「見れないんだったら見てくるなよぉ!」

「心の声がでてる」


日葵は心から言った。


「サニカ先生、いつまでここに停まってるの?」

「他になにかないか探りを入れてから移動するよ」



サニカはエンジンを止めることなく車のライトや双眼鏡などを使い観察したが人型の何か以外は特に危険なものはないと確認してから移動を始めた。



「サニカ先生、もう目を開けてもいい?」

「まだ、首だけが着いてきてるか止めたほうが良いよ」

「……ラローネルが平気だったんだからおれでも大丈夫!」

「えっ日葵、目を開けるの?」

「目をつるむの飽きたし、目を開けても窓を見なきゃいいんだよ」



日葵は目を開けて前を向いた。

だがサニカが言った首は日葵の横の窓ではなく表面の窓にくっついていた。



「ギャァァァ!」

「どっどうしたのよ!」

「おれの横にあるんじゃないのかよぉ!表面にあるじゃん!」

「もう日葵たらサニカ先生が合図するまで目を瞑ってたら良かったのニ」

「何でサニカ先生とラローネルは平気なんだよ!」

「だって車内に入れば安全だって言われてるシ…それに首だけなのがブツブツ何か言ってても聞こえないシ」

「それ呪詛唱えとるやん!もうイヤ!イオンと交換すれば良かった!」

「そんなことはないと思うよ」

「えっどうして?」

「宿屋の窓にもここと同じことが起きてる可能性があるからだよ」

「………………本当に変なことに巻き込まれたんだ…この世界事態が」

「この世界規模かも知れないしこの島限定かもしれないね」





そこからは目を開けた日葵も無表情になり「えっえっ」とソワソワしている莉糸の声がする以外はブロロロロと車のエンジン音が車内に響いているだけであった。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ