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元勇者の転生人生記録  作者: 冬こもり
【クレイバール島の日々】
284/555

探検…しなきゃいけなくなったけど

【コーラルプリンス号】


《船内の客間》



「………本を読むの飽きたわ」

「早いですね…飽きるのに」

「海に関する資料とか読んで楽しいの?」

「…図書館にある資料よりも実際に目で見たりしての実体験に基づいて書かれていたりするので楽しいです」

「そう…少し風を浴びてくるわね」

「あっ待って……私も着いて行くわ」



エルシィローもタヌ治郎と同じく人間に变化して玖寿たちと共に本を読んだりして過ごしていた。



「なら飲み物とか持ってきましょうか」

「そう……ね………!…わわ!」



エルシィローが客間の窓を見て腰抜かした。



「えっエルシィ?どうし…!」

「二人してどうしたんで………!」



エルシィローの様子を見て玖寿とルフェルニカも窓を見るとナニカの生物と目が合った。



「なんなの!あれ!」

「色合いからしたらクラーケンですかね?」

「クラーケンですかね?じゃないわ!」

「はわわわ……!」

「ふたりとも船内にいれば大丈夫ですよ。他のグリフォンたちを見てください、呑気に寝てますよ」

「呑気に寝てると言うより…いっ息を潜めてませんか?」

「確かにこの船は並大抵のモンスターじゃ壊せないけども…海に引きずり込まれたらたまったもんじゃないわ!

皆でこの船の隠し通路から逃走するわよ!!」



ルフェルニカの声を合図にグリフォン達が一斉に起き上がり隠し通路の場所が開くと順序よく抜けていった。



「きっ玖寿とルフェルニカは私の背に…」



エルシィローがポンっと本来の姿に戻ると二人を背に乗せて走り隠し通路を抜けていった。

そして先に出ていたグリフォンたちは船を襲っていたクラーケン…ではなく巨大なイソギンチャクに上空から攻撃を仕掛けていたが特に効いていなかった。



『あの子達の攻撃が効いてない…なんて』

「エルシィロー…中央の大樹もよく見たら変よ」

「………枝の部分が動いてま…ゔっ!」




大樹と浜辺の距離がかなり遠いのに大樹の枝の先がエルシィローを捕まえようとして伸ばしてきた。

それを光の壁を作り防いだ。



『上空は危険みたいですね…安全そうな森の広場へ降りましょう。グリフォンたちは攻撃をやめてクレイバール島に戻ってください。サニカ達なら大丈夫ですから』



エルシィローの指示を聞いたのかグリフォンたちは攻撃をやめ巨大なイソギンチャクから距離を取り飛び去っていった。



「大丈夫なの?」

『…大丈夫です私がサニカに事情を説明しますから……さぁ行きますよ。ちゃんと手綱を掴んでてくださいね』



ビューと上空から見えた森の広場へと向かいルニカと共に船の方を見た。

僕らが居なくなったのを感じたのか巨大なイソギンチャクは触手を引っ込めて海へズゴゴゴゴゴゴと沈んでいったの見届けた。






◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇





【ナントークーゼ島】



《新緑の中部》



「…………結局来ちゃったわね」

「…そうですね」

「それでどうしますか?」

「動きたくないけど、あたい達も移動してサニカ先生達と合流した方が良いわね」

「待つという選択は?」

「ないわよ。玖寿はこれを見ても留まりたいのかしら?」



ルフェルニカはいつの間にか細みの剣を取り出し自身に絡んできそうな蔦を切り裂いていた。



「はわわわ!いっいつの間に!」

「女子限…うわぁ!」




蔦が足に絡まるとぷらーんと吊らされた。



「玖寿!」

「エルシィ、このまま少し様子を見て見ましょ」

「「え」」



エルシィと共に声を出した。



「大丈夫よ、エロい事になっても女子と違って玖寿は男だからそこまでの被害はないわ」

「酷くないですか?!」

「たっ食べられたりしないかしら?」

「大丈夫よ、今は引きずられて連れ去られそうな動きしてないし生態調査と言う観察しましょう。

玖寿自身が身を持ってナニの危険を知ればいいわ」




エルシィはコチラを見てアワアワしながら顔を赤くしてチラチラと僕の方を見ていたがルニカはコチラをニヤニヤしながら水分を取りながら見ていた。

そして体感からして数十分後にエルシィによって助け出されましたがその間ナニがあったか聞かないでください……………。




「……少し肌をさらけ出したぐらいなんだから…そこまでツンツンしなくても良いじゃないの」

「…まだ辱めに合ったことのない方にそんなことを言われてもなんの慰めにもなりません。

クレイバール島でもこんなことされたことないのに……」

「過激なイタズラをしない限りは辱めるための吊るしは無いですからね…」

「でもサニカ先生が言ってたとおりにエロいハプニングに合う以外はなさそうね。移動しましょ」

「荷物持ちは私がしますから二人は周囲を警戒しつつ移動してください」



エルシィが2つ分のリュックを背負うと僕たち光の防壁を貼った。



「エルシィありがとう。コレで大丈夫そうね」

「私と魔力で常に繋がっているサニカの居場所を感知しますので案内しますね…」

「エルシィ、サニカ先生たちはどの辺に居そう?」

「……まだ中央に着かずに移動しているみたいです…それでは私たちも動きましょう」



歩き始めるとエルシィとルニカが手を繋いでいた。



「右手が空いてますが玖寿も繋ぎますか?」

「僕は大丈夫です…」

「そうですか…」




エルシィは少しシュンとした。

それから注意深く周囲を警戒しつつ移動し、襲い来る蔓や蔦を切りながら行動したが。




「何なのよ、もう!きりがないわ」

「確かにそうです………なにか来ます!…ふたりともしゃがんでくたさい!」



エルシィに従い同時にしゃがむと僕たちが居た周囲の木々が伐採されたのと同時にエルシィは僕のリュックに手を突っ込み父さんが作った特性の閃光弾を取り出した。




「玖寿、使わせてもらいますね?」

「どうぞ…」

「二人とも目をつむり深く息を吸ってください!」



目を瞑るとエルシィが閃光弾を地面に叩き付けたのかエルシィは人型のまま両脇に僕とルニカを抱えて翼を広げて上空に飛び上がったようである。



「寒くないですか?」

「大丈夫よ、この探検服は異常気象を想定して作られてるから暑い寒いは効かないわ」

「エルシィ、もう目を開けてもいいですか?」

「イイデスヨ」

「「えっ」」



不気味な声音を聞き心臓がドキドキしている状態で目を開けると僕とルニカを掴んでいるのはエルシィではなく例の中央にある大樹が伸ばした柔軟な枝であった。



「ひっ」

「あはは……既にエルシィは捕まってたのね……」



大樹の中心を見るとエルシィは既に捕まってもがいていたのが見えます。



「やっぱりエルシィは普段から着痩せして見える系を着てるから…縛られるとボン・キュッ・ボンが見えるわ」

「こんな時にそれですか!?」

「こんな時だからよ!」



ギャーギャー言い合っていましたが僕とルニカはあれよあれよと蔦に絡まれそのまま意識が………。


 

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