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元勇者の転生人生記録  作者: 冬こもり
【クレイバール島の日々】
278/555

クレイバール島の従魔と天井のアレ

皆様、お久し振りです。

投稿は不定期になりますが、これからまたよろしくお願いします。

【クレイバール学校】



《初等科5ー1》



「……と言う形でクレイバール牧場で従魔の子供たちが数百年に一度誕生しているのです」

「やっぱり…サニカ先生とアスチル先生の両親が世話をしているんだな」

「小さい頃の私も牧場に暮す魔物たちのお世話をしてましたがなかなかに手掛りますし…大変です」

「はいはい!その数百年周期の魔物が産まれたのよね?見学したいわ!」



教壇に立つアスチルに向けて元気よく発言したのはラローネルである。



「産まれてから…3ヶ月経った頃ですが今はまだ離乳食を食べさせている頃ですから…場合によっては無理ですね」

「親の魔物が気が立っているだろうしな」

「レンカの言うとおりと言いたいですが…この後直ぐに連絡を入れて見ますね。

もし見学できたとしたらあなた達の成長の糧となるでしょうから」

「アスチル先生2つ質問いいですか?」

「どうぞ」

「1つ目はサニカ先生とルウカ先生の従魔たちについてです。

外の世界の魔物たちと契約を交わしているのが二人しかいないので」


アスチルは玖寿の近くの花瓶を見てから表面を向いて話しだした。


「そうですねぇ…まずはサニカ先生の5体の従魔から行きましょうか。

玖寿の近くで花瓶に化けてうたた寝している【変幻狸のタヌ治郎】と遅刻しそうになった誰かさんを背に乗せて毎日登校してくる【冥犬王の譜月】に気まぐれに島を動き回わって光り物を集める【猫又の翡翠】と気弱で優しい【セイントグリフォンのエルシィロー】と気高いですが脳筋気質な【海馬のメフィリーネ】ですね」

 


すると子供たちがガヤガヤと騒ぎ喋りだした。



「自信をつけるためにと言って稀にエルシィローが背に乗せて空の旅をさせてくれるよね」

「上空からの侵入者が現れると直ぐに引き返すけどな」

「当たり前です」

「メフィリーネは良いことをすると背に乗せてくれるわ。海を泳ぐ母様や父の船に追い駆けっこ始めるのが難点だけど」

「…遅刻しそうになっている誰かさんってだぁれ?」

「お前だコナルヴィア「とイオンだよね」」

「光り物を集めている翡翠とバッタリ鉢合わせると威嚇してくるわね」

「ラローネルがいつも何か探していてそこに鉢合わせているんだろううが」

「タヌ治郎は玖寿にベッタリよね」

「…なんか気が合うんですよ」

「従魔に関してはヒーリングは大事ですからね、もしかしたらこの中に久しぶりに産まれた従魔と契約する生徒が出るかもしれませんね」



すると子供たちは黙った。



「えっ…どうして黙ったのですか?」

「いやぁ……母と従魔の関係性を見ているとねぇ」

「あぁ…日葵の所はそうですね…」

「家でデッカい犬がドテーンと寝そべているのを見るとなんとも言えない感じになるわ」

「地球産の漫画に出てくる従魔とのギャップが…」

「…………はい、それではこの話は終わりにして次に進みましょうか、次はルウカ先生の従魔ですね。

大広場にいるフェイースは実はルウカ先生と契約を交わしてるのは知ってましたか?」

「えっ島長のポーリアさんじゃないのぉ?」

「残念ながらポーリア姉さんではないんです」

「へぇ…意外だわ…てっきり歴代の島長達と契約を交わしてるって思ってたから」

「大広場でぐうたらしてますけど一応、フェンリルですからね…契約するのに大変なんです」

「俺たちが大広場にわらわら集まると尻尾振って近づいてくるけどな」



今代の次世代たちはフェイースに遠慮なく近づきフライングディスクとかでよく遊んでます。

私含めて遠慮がちだった上の世代との温度差にフェイースも最初は戸惑っていましたが今は全力で楽しんでます。

ドスコイ稽古とかするのでSTRとか鍛えられてますよ。

「ぐぁぁ!」とか結構な距離をフェイースに体当りされて子供たちが吹き飛ばされてます。

この島の子供たちはこうやってどんどんヤバく育っていくのですね…自分もそうだったように。



「その他の従魔はエルシィローの姉で気が強いですが好奇心旺盛な【ダークグリフォンのベルネクローネ】と堅物な【冥界馬の天藍てんら】ですね」

「ベルネクローネは挑発すると襲ってくるよな、容赦なく」

「そうそう「わからせてやるー!」って追いかけて来るんでしょ?

狭い場所に逃げても人型に化けてですら追いかけてくる執念も凄いわ」

「レンカと莉糸はそんなことをしてたのですか…」

「うわぁ…」

「玖寿と日葵は追いかけられたことないのか?」



「ないです」「ないよー」とふたりはほぼ同時に言った。



「あと、エトシェもないんじゃない?」

「………………ないわよ…そもそも構ってる暇もないわ」



エトシェリカはレンカと莉糸に呆れたように言った。



「アスチル先生は従魔はいないの?」

「残念ながら」

「旅先で出逢わなかったの?」

「出逢いはなかったですが別に良いのです、私は植物たちと話せますから」

「そうだったわ……(草花の水やり当番をサボったときに怒られたわー)」

「……それで玖寿、最後の質問はなんですか?」

「天井にくっついているのどうにかしてください…!」



一瞬でクラスに静寂が流れた。



「確かに、入学当初から天井にくっついていますね。

サニカ先生やルウカ先生たちが天井に居られないようになどの幾百の対策をしてきた結果がコレなので無視しましょう」



天井にくっついている……それはラブナシカである。

アスチルの説明にもあった様にルウカたちは島の大人たちと共にラブナシカの学校での奇行対策を幾百の工程をやっても失敗し、しまいには「島の子供たちの護衛を含めてやってるの、手出しとかしてないから良いじゃないの。一応気配消してるわよ?」とラブナシカが言い放ったのである。


それを聞いたルウカ達はコレは駄目だと諦めたように見えたが今日もラブナシカの奇行を止めるために対策を練ったが駄目であった。


今日の対策は天井にいられないように学校全体の天井に滑れないようにするための液体が床に落ちたりしない様に対策をしながら塗られたが、ラブナシカはその仕掛けに気づき天井にくっつくことなく重力魔法を使い浮かんで今日を過ごしているのである。


なんとも言えない雰囲気のタイミングでキーンコーンカーンコーンとチャイムがなりアスチルは天井の存在を気にしてないとの感じで「午前中の授業はおしまいですので調理室に向かいましょう」とニコッとしながら言って教室から出てアスチルの実家と連絡を取るために職員室に向かった。


そして天井に張り付いたまま自動で動きながらスィーっと教室から出て言ったのであった。



「ひっ!…あの動きどうにかならないでしょうか…!」

「手足動いてないのに動くのはある意味ホラーだわな」

「いつもの手足動いていてもホラーだわ」



クラスのお調子者であろうと「いつもの日常だろ?ビビってんじゃねーよ」とか言わないくらい移動している姿は迫力があるのである。


その光景を見て子供たちは毎日ドン引きしている。



「アスチル先生、昔からなんだろうねぇ…たまに異世界からの来賓者さん来るけどさ、天井にいるラブちゃんを見て腰抜かして廊下の天井を移動している姿も見て引いてるもんね」

「ヒッて大の大人がビビってたもんな。

稀にだけどサニカ先生も気が抜けているときラブちゃんが移動している天井を見て「ふぉっ」って反応してるもんね」

「うん」

「本当にどうにかならないでしょうか…レンカ」

「アスチル先生が言ったけど無理。

俺がどうこう出来ているんだったら他の先生方がとっくに解決してるわ」

「ですよねぇ」




教室がまた静寂に包まれたが「お腹減ったわぁ〜」とコナルヴィアが言うと「あっそうだった」と皆で調理室に移動したのであった。


食事を取り午後の授業はアスチルの実家の牧場へ向かう許可が降り向かうことになった。


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