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元勇者の転生人生記録  作者: 冬こもり
【最後の使命】
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クレイバール島の変化とそういうの



【クレイバール島】


《無敵の宿屋 エントランス》 


「えっ……その人がラタムの…?」


バタバタ…と本を落とす音が聞こえガタッと椅子から跳び上がる音も聞こえた。


「遂に紹介してくれたな!ラタム!でかした!」

「彼女は生まれた世界での身辺整理は終えたからネ」



ラタムがえへへっと照れながら紹介した女性はエキゾチックな筋肉ムキムキのアマゾネス風の方であった。



「………随分と良い女を連れてきたもんだ」

「えっ」

「肝もすわってるようだし嫁に来るという事でいいのかい?」

「あぁ、ラタムからある程度は聞いてる、宜しく頼むよ!」



あと色んな意味で包容力も凄そうだ。



「これでほとんど島にはカップルだらけになって桃色のオーラだらけになったな」

「ニヤニヤしてル…」

「ファムロスもこれで安心だな…式とかの予定はあるのか?」

「ありますとモ。でも今は島での生活に慣れてもらうつもりだヨ。合わなければおれが通うつもりダ」

「それでお名前は?」

「あっ言ってなかったね。あたしの名前はロディンナだよ」

「そうか!これから宜しくな!ロディンナ」

「フハハハハ!ラタムの言うように面白い人たちだね!」



笑い方も豪快で逞しい人だ。



「ラタムおめでとう」

「今度ゆっくり話そウ」

「あぁ」



こうして5年前の3月に1組目の夫婦が誕生するとここぞと動き始め出来たいくつものカップルが成立した。



2組目はロッカさんとフルーレで5年前の12月に交際0日で結婚しフルーレはルイゼントナー家の婿となったが鍛冶屋を継ぐために日夜がんばっている。

ロッカさんはロルスさんと共に警備隊として見回りしている。



3組目はなんとヒペリカさんと隆太郎で3年前の6月に籍を入れた。いつの間にそんなことになっていたのか?!と思っていたらヒペリカさんからアプローチがあったみたいだ。

隆太郎はマメな性格で器用なところがアジサイさんに気に入られアジュガさんからは気に入らんと無茶振りさせられているがその器用さで難なく無茶振りをこなしている。



4組目は3年前の7月に結婚したシェルフィナとカイリさんでシェルフィナによって外堀を埋められ逃げられなくなりカイリさんも観念したのかシェルフィナに自分からプロポーズした。

そしてロルスさんたちに冷やかされてながらシェルフィナと結婚した。



5組目は初恋を叶えたフィリムと幼馴染みの唯糸で、唯糸の両親が残した結婚するための条件を唯糸が突き出しフィリムはそれを簡単にクリアできたが少し時間をかけてクリアし隆太郎たちと同じく3年前の10月に結婚した。



そして5組目はニヴァさんで、旅先から連れてきた人は魔術が発達した世界の男性でワイルド系で2年前の9月に事実婚した。



そして1年前にメルゴさんとルファーナさんの次男で人間ミックスブラットのヴィレルドさんが妻で狐の獣人のキョウカさんを伴い新婚旅行から帰ってきた。

始めましてだったので話す機会を作られ話したが確かに皆が言うように人懐っこい人で陽気な人だった。

妻のキョウカさんは穏やかでありながらお茶目な方で狐の獣人だけあり変化の術とか凄かった。 






◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇







【星あかりの森】


《星の泉》



「……いつ来てもここはホッとしますね」



俺は封じられた地球での出来事から先生の元で祖先と同じく【薬師】として鍛えてもらい3年後に地球で国家免許も取得して独り立ちの許可を得たさらにその2年後にキユクに恋人になって欲しいと言って良いですよとさらっと言われ交際歴2年目である。



俺とキユクは結婚を前提と交際するに当たりまずは俺の両親にあって話をしたが「やっぱりなのね」的な事が俺の母の口から飛び出し「あんまりキユクさんを待たせるなよ」と父親から言われた。


キユクの両親は遺跡巡りの旅をしているので会えず交際云々の手紙を送り「孫は2人以上」と夫婦ふたりして似たような返事が帰ってきて呆気にとられた。


そして俺は今、キユクを連れて星の泉まで来て泉にふたりで足を入れて涼んでいる。ここへ来た理由は一つ…プロポーズするために来た。




「なぁキユク」

「何でしょう?」

「俺と結婚してくれないか」

「良いですよ……ん?……えっ」

「フルーレに冷やかされながらも指輪を作ったんだ。あとこの島の伝統である花冠も」



俺はキユクの方を見てアイテムボックスから花冠を最初に取り出した。



「………………僕で良いんですか?」

「それは俺のセリフだよ。俺は天使の翼を引き継いでいるけど約100年しか生きれないしキユクは若い姿のままで長く生きて俺はこれからどんどん老いていく」

「老いに関しては問題はありません。白虎が生きてるあいだに沢山の思い出を作れば良いので。

それに結婚したら子供たちが…白虎との子供たちが居てくれますから」

「それじゃ…」

「はい、僕は白虎と結婚したいです。その花冠をかぶってもいいですか?」



俺はそっとキユクの頭に花冠を乗せた。キユクを見ると顔を赤くして照れていて最高に可愛いです。



「花冠に使われている花に関しては白虎らしいですね」

「そうか?」

「赤いゼラニウム、ナデシコ、ミニバラ、スイセンノウ、ブルースター………直球過ぎませんか?」

「プロポーズなんてなるべく一生に一度だろ?それにキユクの事を考えたら花冠がこうなった」

「……うぅ……卑怯ですよ……そんなことを言われたら……」



キユクが急に静かに涙を流し始めた。



「……何でなのしょう……涙が止まりません……とても嬉しいはずなのに…」



俺はキユクを抱きしめたがバランスを崩してふたりして星の泉に落ちた。

そこまで深くないのでふたりして起き上がった。



「ふふ……びしょ濡れですね……この泉は昔からとても澄んでいてホントにキレイですよね」

「あぁ……キユクの方がもっと綺麗だけど」

「!」

「…キユク……死がふたりを分かつまで俺の隣に居てほしい」

「……うん。宜しくお願いします」



俺はキユクの左手の薬指に俺が作った結婚指輪をはめた。

そして今日、初めてキスをした。










◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇







【星あかりの森】



《?????》



(サニカ!サニカ!白虎がキユクにプロポーズしたぞ!!)

(偶然居合わせて一部始終を見たから知ってるよ…)

(ようやく、キユクが持つ魂の悲願が叶ったのですね…!)

(なんかむず痒いですの)

(始まりは敵同士だったのに数万年もの時間をかけてようやくだからね)



キユクの魂は白虎にとっての始まりの地球に侵略者した異世界の代償もなく異界の扉を開くことが出来たとある御子の魂で自身を巻き込んで死んだ白虎のかなり前の前世を恨んでいた。


だが永い年月を共に過し恨みの感情は消え始めた頃に変化が現れた。

本来は宿敵として対峙してきたが何故かその時だけは幼馴染なで友人の間柄になったからであった。

御子の魂はとても強靭だったために記憶を引継いでここまで辿り着き一時は混乱したが親友として背中を預ける関係となったが呪いが発動し悲劇が起きた。


白虎の魂の方が死に御子の魂だけが残され絶望したが御子は自身の特別な力を使い死んだ。

御子は来世に淡い希望を託したがこの事がさらにふたりの因果が複雑に絡み合い歪んでいった。


そこからの御子は記憶の継承がなくなりお互いが出逢ったとしてもすれ違ったり勇者と魔王として巡り合ったりを繰り返した。


さらに永い時が流れ変化が現れた。

それはキユクがまだ【魔王カフェルネ】として生を受け、一度目の時に【勇者ティルクス】に惚れ込んだことである。

それからは性別が必ず逆転して生まれて来るようになった。

だが何度も片方が恋をしても呪いにより叶わなかった。


だが因果を変えることが出来る強者たちが白虎の魂を何度も何度も切り離したり結い直したりし白虎の前世の魂と御子の魂の因果が曖昧になっていたのであった。


それにより【封じられた地球】の管理者が目覚めナイトメアの迷宮の管理者の1人のフォルモフォスに働きかけた。

そして数日前に【封じられた地球】と侵略者の世界も解放された後にとある一体の【至竜】によって複雑化した全ての呪いも解け目の前の現実が起きたのだろうとのことである。


ある程度の部分は問題を解決した日にフォルモフォスからの手紙で知った。



(それにしてもニヴァの占いがまた当りましたの)

(魔女の血統の極みな感じなんじゃないか?)

(……そろそろ時間か……君たち、冷やかすんじゃないからね?私はお先に失礼するよ)



するとサニカはすっと去っていった。



(何があったんだろう?…………あっ!今日は日曜でした!)



ハノンもその場から去った。




◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



深夜のとある時間帯にて。


【クレイバール島】



《クレイバール教会 礼拝堂》



「………………」

「サニカ、久し振り」

「久し振りルヴェル」

「ようやく今生で結ばれたのね?あのふたり」

「うん」

「長かったわね〜…これで私も心配事がなくなったからようやく次の旅路へ行けるわ」

「ルヴェルに頼まれてた【天の霊花】が咲いたから渡すよ」


暗がりにほんのり光る白い花をルヴェルに渡した。


「ありがとう」

「……またね。ルヴェル」

「サニカもお達者でね?……次はどんな生になるんだろう……楽しみよ」

「ルウカやカーウェンたちに挨拶はしていかないのかい?」

「必要ないわ。また巡り逢うことがあるのかも知れなもの。どの時代、どの場所かは生まれてからの楽しみだから。

この花を持って行きたかったの…ビワトから生まれて初めて貰った花だから…」



ルヴェルはそれだけ言って微笑み光となって消えていったのを確認してハノンがやってきた。



「次の旅路に向かってしまいましたね」

「コレが本来の命の流れさ。ルヴェルは白虎とキユクの魂の行方を心配していたから私が冥界から許可を取って留まらせて居たからね」

「そのようでしたね………ボクはこれからのことが楽しみで仕方ないですよ。因果から解放されこれからの子供たちの未来がさらに開けるでしょうから!」

「そうだね。ハノン、これからまた忙しくなるよ」

「ふふふっ……まずは白虎とキユクの結婚式ですね…今のところ白虎の家系の結婚式をボクは全部コンプしてますからね」

「張り切りすぎて引かれないようにね」

「大丈夫ですよ。キユクの事だから派手な結婚式はしないでしょうから」

「………確かに」




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