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元勇者の転生人生記録  作者: 冬こもり
【最後の使命】
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救いと答え

【野営地】


「……ていう夢を見て朝起きたらこんなの握ってた」

「コレは白虎のみが使えるこの地球の意思かなんかに託された真言が入っている水晶だろう」

「……使う場所がありそうだね」



ルウカ先生がバイクを2台アイテムボックスから取り出し大型バイクにルウカ先生が乗り、俺は大型バイクのサイドカーにヘルメットをかぶり乗せられた。


サニカ先生はスクーターに乗った。



「………中型バイクじゃないのか」

「自分の身の丈にあった方が良いよこういうのは」

「そのスクーター宙に浮いてる……」

「俺がカスタマイズした特製のスクーターだからな!」

「こういうのはルウカの方が器用だから」

「未来技術…」

「では出発進行と行こうか」



荒野が続く世界を宙に浮かぶバイクを使うことによってとても素早く進むことが出来ている。

侵略した異世界の住人たちはこの地球で様々な実験をしたが帰還出来ずに途方にくれていたようである。

魔法陣みたいなのが今も残っている場所があったりした。


生き残ったほとんどの人の地球人は終末論を唱えた新興宗教団体の教祖が唱えた「人は土に帰るべし」と言う言葉に従い安楽死するためのこの地球で開発されたであろう薬を使い死を選び静かに消えていったようだ。


その教祖は死んだ人間たちの肉体を使い【呪物】を作り異世界人を呪っていたが異世界人によって殺されて俺の夢に出てきたふたり以外の地球人の生き残りはその時に死に絶えたようだ、そう誰かが石に経緯を書き記し残してある壁画みたいなのを見つけた。



「……呪物も劣化して消えたのかな」

「物体がなくなったとしても念だけがさまよってるんだろうね。死してもなお侵略者の魂を追いかけ回してるよ」

「でも出逢わないな」

「当たり前だ、オレたちは出逢わないように避けるからな」

「避けてた」

「この呪いは白虎には関係無いから放置しても良い。

もし白虎この地球を解放したのであればその呪いは異世界の侵略者の魂に持って行ってもらうから」

「うわ…」

「尻拭いは自分たちでちゃんとやらせないとね」

「だな」

「……それで次は何処に行こうか?」

「………次の場所が最後みたいだな。侵略者によって住める土地はほとんど奪われて住めなくされて生き残りたちは残りわずかな土地で防衛戦を繰り広げていたみたいだから」

「だとするとあのふたりは平気だろうか…」

「大丈夫だろあの二人なら。白虎、覚悟は良いか?」

「あぁ……行こう」



ブルルッとバイクにふたりは跨り俺はサイドカーに乗って綺月はずきとエリザと呼ばれていたふたりが死んだ場所に向かった。




◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇




【禁足※の花※】



「「うわ………」」

「どうしたんだ」



一定の距離まで行くと立ち止まり動かなくなったふたりを見て俺も立ち止まった。



「久し振りにここまで黒くなった土地を見たよ」

「浄化は出来ないのか?」

「ここまで黒い土地は一人じゃ無理。下手に手を出して痛い目にあいたくはない、まぁ白虎が入るぶんには何も起きないと思う」

「………………」

「その水晶が守ってくれているから。もしこの地球をどうするのか決めているのであれば行きなさい」

「あぁ」

「!」

「ルウカ先生どうしたんだ?」

「………気にするな。行くなら行って来い」



驚いた表情をしたルウカ先生たちを見て何かよっぽどの事が起きているのは確実のようだが俺は…この星で巡れる場所を巡り答えは決まった。

いや、この星に降りた時には決まっていたのかも知れないな。

俺はこの場所の中心に生えている大樹の元に向かった。



「…………………綺月、エリザ…すまなかった。お前たちふたりを逃したまでは良かったがこんなことになったなんて俺は思わなかったし悪かった。

この地球が異世界の地球の賢者や魔法使いによって切り離される前に、侵略してきた世界の一つ【エンデ=ガイデン=アースチル】世界の御子を巻き添えに死んだ俺はその世界の創造主に御子と共に呪われ彷徨っていたが…。

何年……何千年もの時を待たせたんだ?」



どこからともなく声が響いた。



『かれこれ九千と九百八十三年ってとこだわさ』

『帰ってくるのが遅ーんだよ』

「悪かったって言っただろ」

『……君っていつも遅れて来るわね』

「両思いを永く二人で過ごせたんだ少しは見逃してくれよ」

『そう思ってるのはお前だけだぞ?口うるさいエリザとふたりきりはきつかったんだが?』

『そうそう、私の名前を呼んで絶対に見つけてやるーって言ったのに二人してここに閉じ込められて離れなかったもんね。

この初心でピュアな綺月は結局手を出してこなかったし』

『エリザ…お前な』

「……ふたりが見てきた映像を見た。苦労させたみたいだな」

『3人で異世界に連れ去られた時よりは苦労してないわ。時間は掛かったけど時効ぎりぎりで戻ってきてくれたし』

『それでどうなんだ?この地球をどうするか既に決めてるんだよな?『『その答えは?』』

「この星を破壊し地球人たちの魂だけを解放して異界の勇者たちは転生出来ないようにする」

『斜め上を行ったわ』 

『普通、そこは助けるか助けないって言うところだろうが』

「冗談だよ」

『………冗談に聞こえないが』

「ホントは永遠に苦しめば良いのにと思うけどもう充分に罰は受けただろう、それに最後の使命とやらを終わりにしたい。

解放したあとで……お前たちとまた逢えるだろうか?」

『出逢えるわ。どれだけの時が経ってもどこに居ても縁で繋がっていたもの』

『またな。お前が巻き込んで道連れにした御子さんにもよろしくな。お前とセットで転生しているんだろう?』

「あぁ」



俺は解放の真言を発動させてこういった「我、この地球の勇者となった最後の者なり、幾万もの時間と魂を永き原罪から解放しこの地に縛られし全ての魂を解き放て!」


すると強烈な光が輝くと俺の意識が別の空間に飛ばされた。
































【ナイトメアの迷宮(フォルモフォスの迷宮)】



《管理者フロア》



「…ここはナイトメアの迷宮か」

「大丈夫さ、今回はほんの少し話すだけだからさ」



目の前にはパピヨンマスクのへ



「誰が変態じゃ」

「俺は変人って思ったんだけど」

「……まぁそこは良いや。白虎くん、あの地球を解放してくれてありがとう。途中物騒な事を言ったけど解放してくれて一安心だよ」

「どういたしまして」

「あの地球を侵略した者の魂も呪いとともに異界に戻ることによって深い眠りから世界が目覚めるだろう。

後のことは彼らがちゃんと仕出かした責任を取るっしょ」

「それで何かようなの?」

「うん、君の中に眠るとある魂を貰い受け……うわっ!何事だよ!」




この場がグラグラと揺れるとドッカーンと管理者フロアの一部が破壊された。



「フォルモフォス。流石にコレ以上の干渉はいけないよ」

「何故ここに」

「人の子よ帰るべき場所に戻れ、お前は永き旅路を終わらせ役目を終えた褒美として魂の修復をする。

私が全てを零に戻し、お前の近くにいる元観測者たちが身代わりとして背負ったお前の罪や貴殿の中に眠る天使の魂も融合から解き放ち天使が望む世界に転生させよう。

そして今こそ始めから御子の魂も役目から解き放ちと共に研鑽を積みあげ数多の世界の一部となれ」

「えっ?」

「またね坊や……幾度かの巡りでまた逢いましょう……」




突如現れた何者の側にナイトメアの迷宮で出逢ったミリーさんが佇んでいた。

そしてミリーさんの隣にいる者が指を鳴らすと俺はそのまま下に吸い込まれて行った。










◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇





【始原ナイトメアの迷宮】



「まさか君が妖宝サマの使者だったなんてね」

「使者になった覚えはないわ……何やら良からぬ事をしようとしている困ったさんをほっておけなかっただけよ……」

「フォルモフォス、今日を持ってお前を現世に還す」

「ぶーぶー…もう少し力を蓄えたかったのにな〜」

「2つの【深い眠りに就いている()()()世界】を目覚めさせた罰だ。お前の魂を2つに分かち安定化させてこい」

「へーい」

「そんなので良いの………?」

「切り離された地球に九千年以上もの時を封じ込められていた、多少なりとも反省しているだろう。

それに元の世界に戻ったは良いが立て直すのにかなりの時間と労力がかかり暫くは大人しくしているだろうさ」

「…………甘いと思うわ……」

「そう言わないでおくれ。

また異世界を攻めようとしたならば次はない、それこそ【時空維持】の連中も動くだろうしな……魂だけで動くのにも結構力を消費するからあまり動きたくないんだけど…奇跡の使いすぎで深い眠りに就いている【慈聖樹の竜】との約束だから私が介入したんだ」

「………それじゃわたしも行くわ」

「君が得たかった物は手に入ったか?」

「えぇ……得たわ……おやすみなさい……さようなら【妖宝(ようほう)智竜(ちりゅう)】様」

「あぁ、おやすみ」

























【封じられた地球】


《中心部???》



「……おや、忍と賢者と眠らされている特異点もここに飛ばされたようだね」

「パカ王様とナルコルさんはここに行き着いたので?」

「えぇ、パルテルカがここを直ぐに見つけてまだシステムが生きていたから弄っている最中だと思ったら貴女たちがここに飛ばされてきたから少し警戒しているのよ」

「コレはコレは……地球系列でもここまでの技術が進んでいる世界は片手で数えられるくらいしか無いと思っていたがな」



すると中央画面に人工知能らしき物の顔が浮かんだ。



『よくぞ、ここまで辿り着いた。知的生命体がこの星に存在したのは来たのは随分と前のような気がする』

「それで君は何物なんだい?…昨日から僕が弄っても出てきてくれなかったのに急に出てくるなんてね」

『私はアータリタニアス。この星の歴史を記録するためだけにこの星の意思より作られたが完成する前に突如として消えた事で不完成ゆえに記録は残っていない』

「それじゃ…弄っても無駄だからこれ以上弄るのはやめよう」

「何を伝えに現れたのかしら?」

『この星は間もなく消え去る。この星の時が動き出し封じられていた兵器も動き出すからだ。この星から外宇宙へと逃げることを推奨する』

「だってさ。それなら僕たちの宇宙船に乗るといいよ。6人乗りだから全員乗れるし」



その直後、この部屋を含めて物凄い揺れた。



「一度、外に出て観察してみたいが」

「止めといたほうが良いよ。ルウカたちは不老不死だけどその辺の人間と変わらないから」

「だよな」



小型宇宙船でこの場所まで来ていたらしくこの部屋を出ると直ぐ近くに停めてあった小型円盤型の宇宙船に乗り込み30分もすると灼熱の炎が辺りを包み込んだ。



【小型円盤型宇宙船】


《メインオペレーター室》


「流石の宇宙船だね、炎の暑さとか来ないし」

「そりゃあね。僕とナルコルの移動手段だもの、どんな環境でも快適に過ごせるようにしておくさ」

「このまま離脱します」



ナルコルは小型円盤型の宇宙船を動かすと炎の中を通り地下深くにあった施設から飛び出し宇宙へ出た。

そしてこの星全体が炎に包まれていた。



「ひぇ〜」

「既に荒廃していたと言うのに…さらにこの追い打ち…」

「……地球出身としてなんとも言えない複雑な感じになるね」

「こうならぬようにオレたちが創り上げた世界も程よい発展や変化を受け入れながらも守り続けないとな」

「…そうだね」




この様子は地球系列世界の強者やこの世界の行く末を見守っていた永く生きている強者に見守られ、切り離された地球の命が終わった。




だか数億年後には新たな生命が生まれ地球とは別の星へと生まれ変わるのである…。


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