川の主様と出発
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隠れ里ファイズマ
「くぅー…よく寝た…」
「こんなにゆっくり寝られたのは初めてだ…この大陸の日差しは眩しいな…」
「…なんで居るんだ」
「………別に良いじゃないか」
「良くないわ」
「「…………」」
「朝の鍛練に行く」
「我輩はもう少し寝ようか」
「起きてろよ…」
オレはさっさと部屋からでて日課の朝のランニングと剣の稽古と体術の練習を始めた。
「テスの剣術は真似できないな」
「居たのか」
「サニカさんの剣術を元にしてるけど後は自己流だね」
「そうだな、ばあちゃんは基礎しか教えてくれなかったからな…確か「1度も負けたことは無いけど、いざ苦手な技を使って来るのと出会った時の為に基礎しか教えない後は自分で型を作りなさい」と言われたよ」
「サニカさんらしいね」
「だな、それじゃあ風呂に行ってくる」
風呂に向かった。
「ふぃ~…朝風呂なんて最高だな」
すると風呂のお湯の中に緑色をした珍妙な生物が頭の皿の部分の天辺だけを出して泳いでいた。
「………………」
「やっぱ温泉最高やな…いつの間に男が居たんか」
「人の言葉喋れるのか」
「なんやそれ!カッパが喋れるのか可笑しいと言うのか?」
「カッパ?」
「なんや知らんのか!麓の村の水源を浄化しとるカッパ様やで!」
……おや、川の主様でしたか…昔オレもヤンチャしたな、テムル兄さんに誘われて水源地で魔法の練習したら…そういえば緑色の生物が浮かんで来てテムル兄さんと一緒に笑ってたら、テムル兄さんのお母さんのティアさんとばあちゃんに怒られたな。
「古傷と疲れたから体を癒しに来たんや!」
「そうなのか…麓の村はいつになったら直せる」
「まだかかりそうやな…川の汚れが落ちんわ」
「そうか」
「……テムルの小僧は居ないんか?」
「テムル兄さんなら空島の方に皆で避難してるよ」
「お前を見てるとあんの小僧につけられた古傷が痛むわ」
「何したの?テムル兄さん」
「アイツか?アイツはこのカッパ様を釣りやがるんや、笑いながらな」
カッパ様のお話によるとテムル兄さんは小さいときから今も釣糸をカッパ様の暮らす水源地にゲリラ的に釣糸をたらしに来ておちょくり、魔法で渦を作ったり微弱な電気を流し込んで溺れさせようとしたりするそうだ。
水源地に住むもう一匹のカッパ様の護衛役と釣りバトルを繰り広げ水中を荒らして大変な目にあうらしい。
「アイツ性格悪いんや」
「何かテムル兄さんにしたんじゃないの?」
「そんな事はないはずや…多分」
テムル兄さんに後で聞いてみよう、このカッパ様が何をしたのか。
「さて風呂から上がるか」
「ワシも上がって川の浄化作業を始めようや…キュウリ食べるか旨いで?話を聞いてくれた駄賃や」
カッパ様がキュウリと言う物をくれた、そして温泉にある茂みの奥に入って居なくなった。
「何だったんだろうな」
◇◇◇
「先に朝ごはん貰ってるよ」
「あぁ」
「こんなに旨いのは久しぶりだ!」
カフェルネ朝から凄いな。
「その緑色のなに?」
「温泉に居たカッパ様がくれたキュウリって言う食べ物らしい」
「カッパ様?…それ食べれるの?」
「旨いらしい」
「へぇ…」
「キュウリの調理法をばあちゃんの料理本で調べて見ようと思ってな」
「出来たら食べさせてくれ」
ばあちゃんの料理本に載っていたカッパ巻きを作った。
「これはなんだ…細長い黒い物体は」
「……これがカッパ巻き」
「ばあちゃんの好物のひとつ巻き物だな」
「サニカさんこういうのが好みなんだ…」
ミストルとカフェルネは結局食べなかった、オレが美味しくいただきました。
◇◇◇
「出発出来る?」
「今度こそカフロルト王国に向けて行こう」
「人間の国か…どんな食べ物があるかな~」
「馬車なんてあったんだ…地面で寝なくても馬車の中で寝られたんじゃ…」
「すまんミストル、ばあちゃんとじいちゃんがくれたの忘れてたんだ」
「でも良いや今度からは使えるね、物を運んだり休んだり」
「そうだな」
「出発進行するのだ!」
「カフェルネはちゃんと中入ってろ危ないぞ、ラセス馬車を引っ張りながらでも平気そうか?」
『ルトラウス殿とサニカ殿特製だからスッゴくフィットインする、ボスが乗る部分も雨避けの屋根とランタンがあるから雨や雪が降ろうとも夜になろうと走っていられるな』
「そうかなら良かった、ラセスには契約石の効果で風と水の加護が着いてるから悪天候は効かないもんな」
「僕も悪天候になったら休ませてもらうよ」
『そうしましょう』
ミストルはセルクシアに乗って空からオレは地上からカフロルト王国向かって馬車を走らせた。