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元勇者の転生人生記録  作者: 冬こもり
【3度目の人生編】
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答え合わせ

【クレイバール病院】


《大部屋》



「それでアタシを呼んだのねん?」

「君なら目覚めさせられるでしょう?他の子供達」

「そうねぇ……ぱっと見てこのまま普通に起こすなら3年ってところねん。アタシに掛かれば今すぐに起こせるけどねん」

「何か道具とか必要?」

「んふふ……必要ないわ。本当に起こしていいのよね?」

「うん」

「では」



お子さんが100人以上いる人には見えないほどの色ぽい女性が指を鳴らし「目覚めなさい」と言うと寝たきりになっていた3年生達を光が包み込みパリーンと何かが割れる音がした。

少しすると先に目覚めていたメルファとルニス以外の3年生達が目覚めた。




「サニカ先生!今すぐに逃げて!」

「目覚めたと思ったらどうしたんだい?」

「転生者狩りがこの島に!」

「……どう言うことだい」

「サニカ先生…ルウカ先生は?」

「ルウカなら学校に向かったよ」

「嘘は良くないわよん?子供達?」

「ラビリア?」

「サニカもルウカも子供達を甘やかしすぎよん。ホントのことを話せる子供達以外は「眠りなさい」」



ラビリアがそう言うとルニスとメルファ以外の子供達が眠りについた。



「…まさかと思うけどラビリア。君に何が見えた?」

「……言うのはちょっとねん。人の厄を貰いたくないもの」

「それだけの事が起きてるってことか。場合によってはもう帰っていいよ、ありがとう、ラビリア。…目覚めたルニスとメルファ。何があったか話してもらえる?」

「サニカ先生……」

「転校生と弟達は大丈夫なノ?」

「大丈夫、キユクやラタム達は私達側でしょう?今なら嘘の話ではなく「ラビリアの言う本当の話」を話せるんじゃない?」

「………実は…」





◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇







【クレイバール学校】


《科学室》



「……へぇ白虎の背に現れる翼の枚数は2枚か」

「あぁ、心の成長と共に増えるらしい。俺の父親は4枚だからな」

「フィリムがここまで興味津々だもんな。天使の血を引くのが居ないから余計かもな」

「触っても大丈夫かい?」

「あぁ、大丈夫だけど毟るのはよしてくれ」

「ほほぉ……コレが天使の翼ですカ……間近で見られるなんて思わなかったヨ」

「……現実逃避するのは別に良いですけど、どうやってこの状況を超えるか考えませんか?」

「キユクが言うように考えたいけど無理だね。状況的に詰んでるし」

「ははっ」



……俺たちは今絶賛立てこもり中であり周りにはルウカ先生やキユク達の親や祖父母らしき存在に囲まれている。



「……学校に着いた途端に变化したからな。先生から渡された腕輪が光ったと思ったら動きを封じて逃げる時間作ったし」

「いつから入れ替わってたんだろうな。全く違和感なかったぜ?3年生達が話したのって嘘だと言うことだよな」

「そうだネ」

「そこだよ……いつまで持つかね」

「食料なら大丈夫だけど、ここの部屋ってサニカ先生が管理してるから実は…お菓子や食料が隠してあるんだよね」

「えっ」

「お腹空いてるとくれるんだよね。皆には秘密だよって」

「えっ」

「具だくさんのシュークリームとか美味しい」

「えっ」

「あぁ、フィリムも貰っていたのかい」

「その様子だとシェルフィーも貰ってるのですね」

「貧血の症状が出た場に居合わせるとサニカ先生に引きずられてこの部屋で食べさせられるよ」

「えっ僕はなかったですよ」

「だってキユク頑丈じゃん。フルーレと同じく」

「そうですけど…何か損している気分です」

「その分、宿屋で食事を摂るときサービスされてるじゃないのさ」

「そうなのですか?」

「そうだよ」



ここでもまたなんとも言えぬの雰囲気が流れた。



「それにこの部屋にサニカ先生がいざという時のためにと用意した宿に続く扉もあるから避難できるし」

「えっサニカ先生そんなことしてるの?それにしてもフィリムは詳しすぎませんか?」

「だって自分、君達の学級委員長だから」

「……小学校から押し付けてすみません」

「なら本当にヤバくなったら行くしかないな」

「それフラグって言うんだよネ」

「そうだな」

「えっ」

「え」



ガタガタと科学室の出入り口のドアを開けようとする音が仕出した。



「ほら!やっぱり始まったよ!」

「オイラのせいじゃないよね?」

「フルーレっていつもこうだから。さて宿屋に行こうか」



フィリムは宿屋のドアが隠してある本棚を動かすと確かにそこには俺の知っている宿屋のドアが壁に付いていた。

そしてガチャと普通に開けることが出来て入った。




◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



【無敵の宿屋】


《2階エントランス》


「…………そうか、わかった。今回の件に関しては私達の監督不行き届きでもあるから気を負うことはないよ。そろそろフィリム達がこの宿屋に来る頃だろうし私も準備しないとだね」

「サニカ先生…」

「そういう代の時もあるから気にしないの。それに君たちに小さい頃から何度も言ってるけどさ。君達の魂は縛られることはない、いつでも自由なんだって」

「……本当におれ達に甘いよな」

「そりゃね。私やルウカやラブと共に永い時を過ごしここまで着いてきてくれたんだもの。過ごしやすい様にしてあげたいからね」

「あっ……ラタム達が来たみたいヨ」

「見たいだね……融合していた人造物を除いたばかりだからゆっくりと体を休ませなさいね」

「わかってるって」



階段を降りて行くのを目覚めているメルファ、ルニスは見ていた。








所変わり《1階エントランス》





「あっサニカ先生降りてきた」

「フィリム、ご苦労様。科学室から来たみたいだね」

「えぇ、学級委員長として役割を果たしました」

「…サニカ先生、父さんやルウカ先生どうしちゃったの?」

「今から話すから食堂に行くよ」

「はーい」



食堂の大人数で座れる席の椅子に全員が座るのを確認して口を開いた。



「まずこの島で起きている現象がわかったから報告するね。ルウカ達大人組は3年生とこの島の卒業生によってこの世界の狭間の世界に結構前から閉じ込められてる事がわかった。

そしてついさっきまで3年生達は人造悪魔達が体を乗っとた姿なんだそうだよ」

「…今回の怨念樹は姉さん達がやったのですか?」

「うん、レフィを除く3年生全員でやったそうだよ」

「どうしてですカ?」

「この島から出て行きたかったけど親がそれを許してくれなかったからだそうだよ。

ルウカは騒ぎ立てるからついでに閉じ込めたんだって」

「なんかわかる気がするな」

「本来ならそこにはナナヤも含まれてたんだってさ」

「えっ!ナナヤさんも!?」

「まさかナナヤさんまで…」

「そう。ナナヤが居なくなっても計画は続行していて探索が始まってここならって場所は目星をつけていたらしくこの島の卒業生と密かに連絡を取って年明け前に実行したんだってさ。

ピリアとアンエルタの中にいた人造悪魔が最初に暴走して今日の事件が起きたとメルファとルニスがそう話してくれたよ」



……俺からしたら何が何やらだな。深く関わった事はないから、それにしても祖先よ…貴方までどんな手を使ってでも島から出ようと考えてたんか。



「それでどうやって救い出すんですか?」

「救わないよ」

「えっ」

「捕まったルウカ達に自力で帰還させる」

「えっ」

「その間に3年生達を一足早い卒業式を開いて子供達が目星をつけていた世界に送還する。そうでもしないと帰ってきた大人組によってこの島に永久に閉じ込めそうだからね」

「先生が責められませんか?」

「大丈夫。ルウカ達が人質に取られたからやったと言うから。それに…3年生達には色々と仕出かしたことの責任も持ってて貰うから……卒業生にも罪には罰さ」



どうやら先生は3年生達に何かを押し付けようとしている様である。

俺はキユク達を見るとキユク達は表情を曇らせ下を向いていた。



「………君達も自由だからね。この世界から飛び出したいと願うなら親とかの説得とか手伝うから」

「それよりも外にいるのどうするんです?」

「フィリムの切り替えの速さは相変わらずだヨ」

「自分には関係ないことですし、親子喧嘩に巻き込まないでいただきたいよ」

「………そういえばハルディオラさん達は大丈夫なのかい?」

「ハルディオラ達はラブが生まれた子供ごと【神族達の暮らす世界】にさっさと連れて行ってたみたい」

「………欲望に忠実だな」

「ホントだよ「アタシはマトモで親切よ」って人と話しているときに言ってるくせにね。

3年生達を外の世界に送るのをやりたくないって子はのんびりしてて良いからね。

私はもう準備を始めるから外に行くけど、どうする?」

「先生、オイラたちでも出来る?」

「うん、フルーレ達が本気を出せばね。メルファ達の話によると実力は本人たちの半分しか出せないと言ってたからね。

暴走したときに困るからそういった性能にしたんだろうさ」

「それなら自分、行くよ。ヤバかったら宿屋に避難するし」

「レベル上げにちょうど良さそうだねぇ」

「白虎も出て見ろよ」

「俺、一発でもパンチ受けたら死ぬよ?」

「サニカ先生の作ったブレスレットしてんだから大丈夫だろ」

「白虎がレベル上げようともキユク達の様には強くはならんよ。地球人としてのステータスだから」

「でも世界的なスポーツの大会に出る人並みには体が強くなるだろ?」

「それくらいにはなるけどもね」

「……僕達が守りながら戦えばチャンスがありそうですね…」






こうして俺もクラスメイト達によって人造悪魔がいる外にドナドナされた。

そして「あんのタコ…覚えてろよ」と先生は最後にボソッと言った。




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