道連れが出来たよ!
隠れ里ファイズマ
「助かった~…」
「オナカマになる所だったぞ?この野郎」
「それはすまなかった…助かったぞティルクス」
「股間を隠せ」
「我輩は石像ではないぞ…何か着るものをくれないか」
隠せと言ったからって石像のようにポーズを取るな。
「この服を着ろ」
「おお…なかなか良い生地の服だ」
「オレはミストルを休ませる為に寝かせてくる」
「我輩はここで大人しくしているぞ」
ファイズマでも一番デカい家の居間に休ませるスペースがあるからミストルをそこに寝かせた。
「ミストル起きたらオレに話を聞かせてくれよ」
オレは元魔王の所に向かった。
「ティルクスこの場所気に入ったぞ!」
「この隠れ里はオレたち麓の村の人間しか入れないぞ、普段はな」
「そうなのか」
「先代魔王これからどうするんだ?」
「名前で呼んでくれカフェルネとな…男になってしまったからソナタとは結婚出来ぬわな…ソナタらの旅に同行しようか」
「現魔王に追いかけられるのは勘弁してくれ」
「我輩は変装するから安心しろ旅の終着点はどこなのだ?」
「…【リバンティエル】だ」
「【リバンティエル】だと」
「何か知っているのか」
「……我輩たち魔族が入れぬ禁足地だ」
「えっ」
「…久方に聞いたぞ…それに行くための手段が一筋縄では行かぬ旅路だともな」
「バルセイルさんたちも旅した見たいだけど…長くなりそうだ」
「それに旅は道連れと言うであろう?」
「旅に同行したければミストルを説得しろ」
「銀髪小ぞ…銀髪娘か」
「ふたりで制覇すると誓ったからな」
「ひとつ聞いておきたかったのだが、ソナタ女体に慣れておるのか?最初に会った時から我輩の女体に反応しなかったが」
「小さいときは村のお姉さんたちと入っていたから女性の裸体見てもそこまで反応はしないな…こんなこと言ったら悪いが魔王よりもスタイル抜群の人たちが多かったから「へぇー」で済むな」
「我輩の女体に反応しなかったのはその為か」
「美人が多いからなオレたちの村は」
「…一度ソナタの村に行ってみたいものだ」
「グゥー…」
「安心したらお腹が減ったな」
「我輩も良いか?」
「構わないよ、腹を空かせている者に会ったら弁当とか分けてやれと言われてるからな」
「…………テス」
「ミストル起きたのか?」
「…うん」
「随分大人しくなったな」
「…友人に見られたくない所を見られたからね」
「カフェルネ少し席を外してくれ」
「わかった…茶々を入れる気はないから大人しくしてるぞ」
「隠れ里から出るなよ?ここに居れば安心だから」
「わかっておるわ」
魔王は席を外し隠れ里ファイズマの中心にあるキャンプファイアの側に休みに行った。
「ミストル話してくれるか?」
「少し時間欲しいけど僕もセルクシアの制止を振り切って行ったからね…話すよ僕の体についてとテスへの謝罪をね」
「ミストルはオレに謝罪することを言ったのか?」
「言ったと思うけど」
「そんな事は気にしないで話してくれよ」
「わかったよ」
ミストルはシェリナの事や体の事、桃色神殿跡のゴブレットを狙った理由を話してくれた…霧の事は最後までは教えてくれなかった。
「シェリナは演じてるのか」
「リシア姉さんとかに演じてるのがバレてるんだけどね」
「村の人たちには嘘は効かないからな…嘘ついたら論破されるし」
「一度戻った方が良いかな?」
「アルーヴさんとかも変化に気付いてるだろうし」
「それにシェリナに一発食らわせたい…!」
「可哀想だから止めてやれ、どうせアルーヴさんからお叱りを受けてるだろうし」
「…カフェルネもお腹空かせてるみたいだから何か作ろう」
「ミストル」
「一応魔王やってたくらいだから何かの役に立つだろうしね」
「後はじいちゃんたちに連絡入れとくか…呼び出し食らったら行けば良いし、ミストルが何者であろうとオレとの繋がりは簡単には切れないからな?」
「わかったよ…テス」
料理を作り出したらカフェルネが匂いにつられて戻ってきた、皆で食事を取り早めに休んだ。