新しいオ……ナカマが増えたよ!
【クレイバール島のクレイバール学校】
《校庭》
「これで良し……ピリア、ナリノ、フルーレは夜遅くまで起きてないで早く寝なさい。良いね?」
「「「…はい」」」
『……この3人に何が起きてたんだ?』
「インクグート島の中心でピーーーーーが開かれそうになってたんだよ。
性欲を高める為のお香の匂いを嗅いだけど私が性に対する勉強で何もかも隠すことなく教えているからね。
理性で抑えられたけど欲求を発散するために必要以上に暴れたんだよ」
(姉さん、耳を塞いで話を聞いてないけど…読唇術で話を聞いてる…)
ボヤ〜としている3人以外は納得した。
ルウカ先生とカーウェン先生が性教育の事になると花に例えたり軽く説明してその授業を終わらせたのを見てサニカ先生とラブ先生が「ちゃんと正しい性教育を教えないと駄目だろうが!犯罪に巻き込まれたりしたらどうする!」と怒りサニカ先生(女子担当)とラブ先生(男子担当)が担当することになった(マジェリルカ婆さま談)。
地球ではルウカ先生達の様な教えが多いらしい。
ガチでサニカ先生とラブ先生の保健体育の授業はかなり生々しく文章には出来ない。
そのおかげで異世界の人に卑猥な言葉で責められてもそれが何?と言ったり卑猥な言葉を言った人物に対して真顔の正論で諭したりする事でからかう為に近付いた者は直ぐに離れていく。
10歳の頃から教え込まれる事で貞操概念がとてつもなく硬いクレイバール島の子供達は結婚するまで手を繋いだり頬にチューしかしないために浮気されたりして別れる事が多い。
たまにお色気を追求するのが出てくるパターンや女性好きや男好きが生まれるパターンの場合は案の定、異世界にて婿や嫁に直行コースらしい。
そしてどの種族で生まれようとクレイバール島の島民たちは結婚すると伴侶に一途なのでかなり重いと言われたりする。
その様な婚姻を続けて来たからか本能で「この人はないな」とか「この人だ!」とかわかるらしい(父親談)。
「ピーーーーーねぇ…人間のエクスタシーと言う奴だな」
『それとサニカ先生、俺はどうやったら元に戻れる?』
「直ぐに戻れるよ」
サニカ先生の言った通りにポンっと戻った…だが生まれたままの姿だったが裸体が曝される前にサニカはバサァとオレの体をバスローブで包んだ。
「サニカ先生、聞いてない」
「……ゴメンね」
「………筋肉とかすげー…流石」
「オレよりあるんじゃねぇか?」
「…はっ…はっ……グヘヘヘへへ!すっごく良い身体してるでござりまするな〜!」
鼻血を垂らしてナリノはコチラを見ていたが視力が良い輩にほんの少し見られていたみたいだ……声には出さなかったが数名が鼻から下を押さえている。
「アナタ達、もしかして見えたノ?!」
「筋肉は見えた」
「細マッチョ…」
「それで…ナナヤさんが回収したアレはどうするのですか?」
「ラブナシカが来ないと始まらな―――」
「アタシならここに居るわよ」
「いつの間に来てた」
「子供達ありがとう」
「どうやって復活させるんですか?」
「今からやるわ」
ラブナシカらはとても艶めかしい踊りを踊った。
「あっそーれ!」
「……ラブナシカは不思議な踊りを踊った」
「……ふふっ」
数名が笑いを堪えていた。
すると小さな結晶がだんだんと大きくなり結晶の中に男性が入っていた。
ラブ先生の踊りが激しなるに連れて結晶にヒビが入り遂に割れる中身が出てきた。
そしてバレリーナの様なポーズを取りながら着地をして、ソロで激しい踊りを踊っていたオネェさんの元に向かい、ひとり増えてデュエットになり引いた。
サニカ先生が踊るふたりの足元を凍らせてスケートの様になりそのままクルクルと回りながら校庭の外に流れるように去っていった。
「オネェのふたりが華麗に流れるように…」
「なんか気分が悪くなってきたよ」
「………時間もちょうど良いから授業を終わりにして帰ろうか。片付けはこちらでやっておくから帰りの支度をして下校してくれるかい?
ナナヤは学校の衣装室に来てね、採寸して測って新しい探検の制服を作るから」
「わかった」
「それと宿題はなしとするよ。明日から土日の休みだけど体と心を休ませてね……」
サニカ先生も精神的なダメージを喰らったようであった。
俺とサニカ先生は衣装室に向かったが何故かナリノが付いてきていた。
「サニカ先生はそんな事をしないと思うけど監視として付いてきたでござる」
「ナリノが居る方が不安になるんだけどねー」
「えー」
「ナリノの目当てはナナヤの体を見ることでしょ?」
「そっそんな事はないでござるっ」
ナリノ、目をギラギラさせ鼻血を垂らしている時点でもうダメだと思う。
サニカ先生は俺の採寸をしながら警戒しているようだ。
「ってソウビも付いて来てたのね」
「………………心配で」
「困ったちゃん達だねぇ……全く……それにしてもまた背が伸びたねー流石の成長盛りだよ」
「………」
「……………コレで良し。今日のうちに受注しておくから次着るときは新しくなってるよ」
「…ありがとう」
サニカ先生がナリノたちが居る方に視線を向けるとナリノが透明な壁に阻まれ変顔を晒している。
「…透明な壁を張っておいて正解だったね……サキュバスの特性が漏れてる。
今日の夜だけど夢の中でナリノに襲われる可能性があるからナオハル特性のお守りを握って寝るんだよ」
「あぁ」
……俺たち男連中はナリノの母であるナオハルさん特性のお守りを第一次性徴期が来る前から渡されている。
俺たちでは父さん達のようにまだ自身ではサキュバスの夢魔法を防げないために持たされている。
「ナリノはこのまま私が転移させて家に帰らせるからソウビとナナヤはくれぐれも気をつけて帰りなさい」
「はい………」
俺とソウビは学校の裏門から妖精の血統の者しか使えない【妖精の細道】を使って帰って行った。
道すがら学校の表門をチラッとふたりで見たら変装したクラスメイトと年下組が数人が潜んでいた。
「…何をやっているんだ…」
「さぁ……暇なんじゃない?」
ナリノを縛り上げ運んでいるサニカ先生が表門を通ろうとしたが潜んでいる子供達を見つけて变化の魔法を使いカボチャの怪物に化けた姿で使い襲ってきた生徒を返り討ちにしていた。
变化したサニカ先生を見て腰を抜かして動けないのを脱兎のごとくの逃げ足で助ける事なく逃走したのがいた。
サニカ先生とその様子を見ていたナリノは苦笑いしているようだった。
腰を抜かした生徒達はそのままカボチャの怪物に变化したサニカ先生に縛り上げられ連行されていった。
ソウビを家に送ってから俺も自宅に帰ったが家では父が人形とヌイグルミ達と共にロウソクの明かりだけを使いティーパーティーを開いていた。
「!…………なんだ…父さんか」
「あっナナヤお帰り〜」
「電気ぐらい付けろ、知らない人が来たら腰を抜かすぞ」
「それならもう腰を抜かした人がいるぞ」
「え」
俺は家の明かりを付けるとルウカ先生とレフィが腰を抜かして床に放置されていた。
「何してるんだ」
「ナナヤに地球のお土産を持って行ったら……こうなった」
「ルウカ先生でも腰を抜かすんだな」
「おっおう……今日のは特にこっ怖かったぞ…」
「人形の首が一斉に振り向いてこっちを見たんだよぉ〜!」
「大袈裟だなふたりして」
「ロルス!だからお前の家に誰も来ないんだぞ!」
「えー?訪ねてくるぞ?…ナナヤが帰ってきたしそろそろ帰っていただこうかな」
父はヌイグルミや人形達を使いふたりをそれぞれの家の前に置きに行かせた。
「人形さん達が戻ってきたらティーパーティーの続きだな」
「………俺はサニカ先生の宿屋に今日も泊まりに行くから」
「すまないな」
「この時期は仕方ない…ハロウィンの名残が残ってるから」
「着替えは玄関のいつもの場所に用意して置いたからな」
俺は着替えを持って無敵の宿屋に向かって行った。