人狼ゲーム
【クレイバール島】
《中心市街地》
『コレより人狼ゲームを始めるぞ。人狼も村人も頑張れよ』
『私達は街全体を見舞わせる場所に居るから違法行為はしないようにね』
『では試合開始!』
人狼ゲームが開始されると同時に参加している者達が全員バラバラに飛ばされた。
《クレイバールの薬草畑》
「…なぁ、ナナヤ」
「なんだ、ルニス」
「これってタスクじゃなくてご老人たちの手伝いだよな?」
「そうかも知れないが…先生たちに用意されたタスクだ」
「薬草畑の草取りだぞ?」
「俺たち村人はタスクをこなしてクリア目指すか狼を見つけ出して追放するしか方法はないからな」
「ナナヤ、お前は本当に狼じゃないんだよな?」
「信じるも信じないもお前しだいだ」
「それを言われるとな〜」
「……俺は終わったぞ」
「うげっマジか!……先に行ってもいいぞ?もう少し掛かりそうだからな」
「わかった」
ルニスはナナヤが違うタスクをこなしに行くのを見守ってから作業に戻ろうとしたが背後にいつの間にかキユクが現れ人狼ゲーム専用のナイフで背中から刺されていた。
「……隙が有りすぎますよ?」
「いつの間に!」
「コレで終わりです」
『お前が狼って事はなかなか楽しくなりそうだな…(後は頼んだぞ…ナナヤ)』
《クレイバールの寄合所》
(ピリア…お前と言う奴は…やはりお前はえげつないこと平然と出来る奴だな)
ナナヤの目の前では村人であろうピリアがアンエルタのキルされた体を人間の盾として使い狼であろうメルファと駆け引きを行っていた。
「ピリア、いい加減に諦めなさいヨ」
『このヒトで無しめ〜』
「まだよ、まだ負けてないわ」
『負を認めないのであれば紅のボタンを押すがいいっ!』
「負けてないわじゃないヨ」
『そうだぞ?』
「狩られた村人を盾にしちゃ駄目ってルールは無いわ」
『限度があるだろう!』
「確かにそれは無いけど流石にヒドイと思わないノ?」
『絶対に許さんからな、この魔法を極めんとしている我に…』
「生き残れれば良いのよ」
するとガサガサと近付いてきた人物はスッとナナヤの隣にやって来た。
(………ソウビか)
(…そろそろ緊急会議ボタンを押して…生存確認したくて)
(…確かに)
(それにしてもピリアは凄い……人間の盾作戦を実行に移せるなんて……)
(昔からそうだったな、ドッチボールやケイドロやらで誰かの背後に潜んでいたり誰かを盾に使ってたな……俺たち以外にも藪から様子を伺っているのかなん人がいるな)
((!))
すると背後から殺気を感じだふたりはガサっと藪から出た。
「「えっ!」」
「ソウビ!」
「………(わかってる)」
ソウビは言い争っているふたりの間をスライディングで通り抜け緊急会議ボタンを押した。
「やった…?」
『緊急会議、始め』とアナウンスが流れると生き残りたちが寄合所に集められた。
そして生き残りとお覚悟された人が表示された。
「あら、結構の数がご覚悟されてるでござりまする」
「本当だな…ルニスとは寄合所に来る前に共に行動していたんだが」
「そうなのですか?」
「あぁ」
「……言わずもがなメルファは狼よ」
「それに関しては俺とソウビはふたりのやり取りを途中からしか見ていないから実際はどうか分からん」
「二人とも吊っちゃえば良いと思う………」
「村人が1人減るのは厳しくないか?」
「……追放出来るのは一人だけだからどうする?」
「先にメルファさんを追放してゲームが始まったら直ぐにボタンを押せる人が向って押してピリアさんを吊れば良いんじゃないの?」
「ローラ作戦か…前のときにそれやって負けたよな?」
「でも狐が誰か分からないなら無害な村人を残しておきたいですね」
「確かに」
「アンエルタさんを盾にしていたピリアさんも怪しなぁ」
「えーどうして?」
「もしメルファさんが狐なら村人と狼をキルできるじゃないですか?だからピリアさんが狼でも問題ないんじゃ?」
「…議論してフィリムが狼だと確定してメルファを追放しても狐もまだ残ってますし慎重になった方が良いかと」
「…コレだから人狼ゲームは嫌なんだよー」
「良く先生たちが人を見る目を養えって言うけど生まれたときから知ってる者たちで人狼ゲームをやらせる人たちが酷いと思う」
「それな」
「で、どうする?追放するか?人狼や狐を含めて残り10人しか居ないがな」
「火種ある所に煙は立たないと言いますから。だからメルファとピリアを吊っちゃいましょうか」
「マコト〜」
「後腐れなくよろしゅうございまする」
投票が行われ先にメルファが追放された。
「ではボタンを押しますよ」
「本当にわたしを追放するのですね」
「後腐れなくするためですので」
つづがなくボタンが押されピリアは「残りの村人たち頑張ってくださいねー」と言葉を残し追放された。
《クレイバール寄合所》
「……………………」
「ピリアさんの最後の捨て台詞に関しては虚偽の可能性もあるのでそこまで気になさらずに」
「それよりタスクをこなしていち早くクリアだな」
「幽霊共がどう動いているかでござりまする」
「では」
それぞれのタスクをこなす為に場バラバラに散っていったが。
「ナナヤさんの残りのタスクはどの方面ですか?」
「鮮魚店がある東の地区だ」
「それなら僕もそちら側なので行動を共にしませんか?」
「わかった」
「それではタスクをこなしに向かいましょう!(ナナヤさんは最後まで残っていると厄介なのでやってしまいましょう……それにしてもまさかメルファさんが追放されてしまうとは人狼ひとりで残りをキルするのは骨が折れそうです)」
タスクをこなしに鮮魚店に向かっていった…様々な思惑を抱えながら。