お前はやり過ぎた
【クレイバール島】
《カフェ・ド・ラブリー…カウンターテーブル前》
「へぇ〜…タオがそんな事をね」
「どうやって捕まえるか悩みどころでな」
「それなら簡単よ、一か所に集めて現場を押さえれば良いのよ。例えば見合い会場を作ったりしてね」
「え」
「見合い大作戦か!」
「え、嫌な予感しかしない」
「ならこのあと直ぐに1度独身を広場に集めてパーティーさせるぞ!」
ルウカは早くに飛び出ていった!
「はー…ラブ…」
「ちゃんと発言の責任を取ってアタシも主催者として参加するわよ。アナタも料理とか作るの手伝いなさい」
「…圧が凄い」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
【クレイバール島】
《大広場》
「コレよりお見合い大作戦を始める!可哀想な男共よ!集まってくれたレディーたちに失礼を働き失望されるなよ!」
「ウォオオオオ!!」
「まさか町ぐるみでやるとは!」
それを遠くから見る3組の夫婦がいた。
「誰だ?あれを3日で企画したのは」
「ルウカらしいわね」
「何かノリノリだよねー」
「あーあ、エクルも見事に巻き込まれてるわ」
「独身だからな」
「既婚者は大広場の外だもんな」
「年齢層が上の大人たちは何を企んでいるやら」
それからつづがなく進んでいたが…遂にセクハラ3人組が動き出した。
「コナル姉さん、俺たちと1杯どう?」
「全く、3人で一人の女性にナンパすんじゃないわよ。捕まるわよ」
「その強気なの良いよな」
「またフアネリアさんに簀巻きにされたいの?」
「本当は俺たち3人で花屋さんから妻を娶ろうとしたのに…ソグルのオッサンが横入りしてきたからな」
「アタシの義兄をディスらないのよ」
「えー」
「さっさと引いた引いた、アタシはここでランドたちが必死こいて女性に声を掛けているのを見て笑いたの」
「コナル姉さんも人が悪いよな」
「当たり前でしょ?(だってアタシ男嫌いだし)」
その様子を見ていた調理担当のサニカとラブナシカは…。
「相変わらずねぇ…コナルは」
「ランドやタムたちに幼少の頃からかわれてからの男嫌いだからね。ミキヲたちも諦めてるし」
「カルエとアザレアは上手いわね。意識が自分たちに来ないように操作してるわ」
「逆にクルンは男を手玉に取ってるし」
「例の3人組が入るスキを奪っているのね…」
「あっ遂に3人組がエクルの元に行ったよ」
「さて、どうなるかしらね」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「やぁ!エクルさん」
「お前たちか」
エクルはついに来たなと表情を面倒くさいと変えた。
「どう誰か良い人いた?」
「ピンと来たのはいない」
「へぇー…自分たちなんて相手にされないからね」
「お前たちの胸に普段何をしているか聞くがいい」
「あれはコミニケーションだよコミニケーション」
「…ふぅ…ワック我の背後に立つな。ヤストは勝手に腕を組んでくるな…ゴルデアは二人の背後に立ってナニをする気だ」
「「ん?」」
「特に何も…様子を見てるだけだ…」
「それよりもエクルさんって伴侶を見つける気ない?」
「…………」
「もしかして、好きな人の事を気づかないふりしてその人が結婚してようやく気づいた系でしょ?」
「なんの事だかわからんな」
「この3人の中で選ばない?そんな人を忘れて」
「お前たちを選ぶ事はないから安心して他のところに行け」
エクルはしっしっとジェスチャーした。
「えぇーそれって酷くない?」
「お前たちからしたらいつもの事だろう」
「そうだな」
「……さっきからゴルデアどうしたんだ?」
「何も……」
「最近のゴルデアが変なんだよな。昔はよく喋ったのに喋らなくなったし」
「お前たち話しながらセクハラするな変態共」
「遂に俺たちの事を変態って言ったぞ」
「男同士何だから良いじゃん」
「お前たちに触られたら鳥肌が立ったぞ……ぁ」
ガタッとエクルはそのままカウンターテーブルに倒れ込んだ。
「お前たち…それは犯罪…」
「犯罪じゃないぞ。勝手にエクルさんが酒を飲んで酔っ払っただけだから」
「流石、大昔から色んな研究をしているお姉さんが作った【無味無臭の薬剤】だよな」
「さてどうやって運ぶかだよな」
「本当だよなー」
「何か………どうしてここにルウカが居るんだ?」
バーテンダーの格好をしてシャカシャカとドリンクを作っていた。
「ん?それはレディーには優しくしろと言う昔からの教えを破っている大馬鹿者どもが居ると相談があってな。
それとモーリンと繋がってヤバい薬に手を付けているともな」
3日前の澄谷家では。
「実は…セクハラ3人組…いやワックとヤストが結構前から性犯罪を起こしていると昨日、ゴルデアからタレコミがあったんだヨ」
「遂に性犯罪に手を染めたか!」
「街に居たときからそうだったが…フアネリアちゃんやヤスバたちでも去勢は出来なかったのか…!」
「それでタレコミをしたゴルデアはなんて言ったんだ?」
「モーリンと実は繋がってこの島の島民の女性を使って薬の人体実験していると言っていたネ」
「遂にこの島の島民から犯罪者を出したか……」
「ワックとヤストは末期ネ。ゴルデアはそういった事から卒業していたと言う事ヨ」
「証拠がなきゃ迫れないからな…ゴルデアでも止められなかったのか?」
「タレコミするのが精一杯みたいだったヨ。でもなんか股関がもっk「ゴルデアが加担してないとしても見ていたと言うことは少しは罰を与えないとだね…さてどうするか」
「フアネリアちゃんたちは気付いてないのか?」
「確かに気づきそうですが……」
「……もしかしたら、フアネリアたちにもモーリンお手製の強い薬を使われていたら錯乱しているかも知れないよ」
その場にいた大人たちはため息を着いた。
「……タオ、定期検診として調べに入れないか?」
「そう言うと思って薬が効かない元祖父だったナースを派遣して置いたゾ。ナニをされても困らないからネ」
「うわぁ…人でなしがここに居るんだが」
「自他共に認めるドMだから喜んで向かっていったヨ。どんなプレイを受けるのかと言いながらネ」
「あの人は女性となった今は性にかなり奔放になってましたからね。童貞キラーでしたっけ?」
「かなり貪欲ネ」
「後の事はラブナシカにも話を通しておくか。モーリンが関わって居るのであれば余計にな」
「ですね」
現在に戻る。
「なっ!ゴルデア!」
「だから3日前からもう辞めろと言い続けただろう?向こうも合意ならおれも文句を言わないさ。
でも今お前たちがやっていることは犯罪だ」
「くっ!こうなれば逃げ「誰か逃げるだって?」え」
そこにはワック肩を掴む実母であるククナさんとヤストの祖母フアネリアとその母スーフェが仁王立ちしていた。
「貴様ら覚悟は出来ているんであろうな?」
「かっ母ちゃん!?婆さんまで?!」
「この腐れ※◇☆野郎共!」
「この◇※☆○△!!」
親たちからの罵倒の嵐である。
「ヤスト…まさか俺を置いて行かないよな?」
「そもそも貴様ら※◇☆野郎共がそうやすやすと逃げられると思うなよ…」
それだけ言って母たちは息子に対してボディーブローをかまして直ぐに胸ぐらを掴み往復ビンタを始めた。
「オラオラオラオラ!!この※○▽◇!!モーリンのババァに利用されてんじゃないよ!!」
「身代わり人形を使おうともアタイらに効くと思ってんのかい!!愚か者の○▽※☆△が!!」
「グヒょっ!かっ」
「かぁひゃん!やめ!」
「貴様ら※◇☆の実体を引き寄せる儀式召喚をマジェリルカちゃんが行っている!コレで向こうの島の犯罪者共との完全決別じゃぁあ!モーリンババァとこの※◇☆がぁあ!!」
パン!パン!といい音を響き渡らせる母親×2
「モーリンの※▶★◆■がぁああ!だからお前は結婚も出来ないんじゃぁあ!!」
「そして一生独身の★◆■で出かけた先で見かけたら石を投げる様にとこの島に生まれてくる子供に教育してやるわぁあ!!」
「ん?」
それから数十分後…。
「女性…怖い…」
「ここまで過激なのはこの二人だけだからな」
「はぁぁあ……スッキリした!」
「ルトラ先生、この人形どうしたら良い?」
「俺が責任を持って燃やすぞ。エクルは俺がエディスの元に責任持って連れ帰るぞ」
「では後はわし等が処理をしときます」
ルウカはエクルを脇に抱えるとその場から去っていった。
【クレイバール島】
《???????》
「どこに行くつもりだい?」
「サニカか…どうしたんだ?」
「正体は解っている、姿を表わせモーリン」
「なっ!!」
「ルウカがあれぐらいのお仕置きされているのを見て引くのはあり得ない。あの状況をみて笑っている筈なのに笑わなかったから跡をつけさせて貰ったよ」
「なーんだ…バレてんじゃないの」
すると本来の姿になった。
「さてエクルを何処に連れて行くつもりかな?」
「何処でしょうね?」
「モーリン、今ならまだ引き返せる。止めておきなさい」
「それを言うためだけに一人で来たの?」
「いや、一人ではない」
「……わたしはもう引き返さないわ」
「だそうだよ。ラブナシカ」
「えっ」
そこに突如としてラブナシカが空から降ってきた。
「このバカ娘!アタシは何度も止めるように言ったのに、どうしてそこで引き返さないのよ…?」
「ママ?」
「アナタは操られていたとしてもやり過ぎたの。
今からアナタには心の底から反省しない限り解けない呪いを掛けるわ。サニカとルウカの嘆願のお陰でそれだけで済んだのだから感謝するのよ?」
「何を…言って…あっ!」
サニカは影術を使いエクルをモーリンから回収し、ラブナシカはモーリンに【反省の石像の呪い】をモーリンに掛けた。
そして頭から石化していき石像になった。
「……この呪符は凄いわね…」
「エクルを取り戻したし帰ろうか」
「アタシはアナタたちに感謝しきれないわ」
「…私たちもラブには助けられているから」
「本来なら人外専用の裁判所で極刑をくだされる筈だったのに…どれだけの物を支払ったの?」
「結構痛い出費だったけど……私たちなら大丈夫」
「そう」
「うん、その辺も首を長くして待っている。島民たちとルウカに話さないとね」
「このモーリンの石像をどうしようかしら?」
「この島の中心にでも飾れば?」
「……ふふ」
「やっぱり、ラブは笑っている方が良いよ」
「…っ!…なんでサニカが男の子じゃないのよ!惚れられないじゃないの!」
「そればかりは判らないねぇ〜」
砂浜から二人で並んで雑談をしながら大広場に向かった。