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元勇者の転生人生記録  作者: 冬こもり
【2度目の人生編~世界散策の章~】
205/556

祝日

【クレイバール島】


《大広場》



「かー!遂に今日はマウルとノエルの結婚だな」

「結婚に行くまで5年だもんな」

「めでたい日だよ!若い連中がドンドン結婚して次世代に命のバトンが続くってもんだ!」

「まだ子持ちは一組しかいないけど」

「雰囲気を壊さないのよ、フィン」

「コレでだいたいのカップルは籍を入れたのか」

「そうなるわね」

「ヤライさん奥方さんは?」

「ん?あぁ…それなら花嫁の元に向かって祝辞を言ってるんじゃないか?」



ヤライさんは盛大に振られたがその半年後に何とマジェリルカちゃんと結婚した。

ヤライも結婚前夜にビワトと同じように目がギンギンになったのでビワトと一緒になって笑ってやった。

サニカさんとルウカさんたち大人組がマジェリルカちゃんの結婚にかなり驚いていたが祝福していた。


そしてオレっちは2年前に結婚した。リリンがルヴェルと同じ年の子供が欲しいと言ったので子供に関してはもう少し先かな?


そして今日はオレっちの片割れの結婚した日である。

ソグル夫婦以外の夫婦は子供に関して何故かビワトたち夫婦と揃える気満々でいるみたい。


そして世代が近い人たちでの独身者はナハトさんとエクルさんとカルエさんとアザレアさんだけとなった。

ナハトさんは少々特殊な性癖があるらしく結婚は無理かな?と自覚しているために独身である。

エクルさんは結婚に関してはなんか吹っ切れたと聞いた。


ビワトなんてオレっちの斜め前でルヴェルとイチャイチャしてるし。






「ノエル、マウル結婚おめでとう!」

「ありがとうです!」

「本当にいつまで経ってもイチャイチャしてるよなー」

「そりゃ…愛してるからな」

「ヒュー!ヒュー!」

「今日の宴も酒は無しか」

「仕方ないと思うです、モーリン元学園長がまた何かやらかしたとラブちゃんが言ってたです」

「各家庭に酒はあるから家飲みしろって事だろうな」

「でも夫婦水入らずでの酒飲みは楽しいぞ」

「マウルたちに祝辞を言ったね?なら今日はもう各自家に帰って家飲みするならして過ごしなさい。

モーリンからの【呪いの祝辞】が送られてきたから何か起こるかわからないよ」



大広場に集まった島民たちは心を一つにして思った「だからモーリンは結婚出来ないんだ」と。



「それじゃオレたちも帰るわ。マウルたちはサニカとルウカから祝辞を貰ってから帰るんだろ?」

「そうでした、忘れてたです」

「また明日な」

「おう!また明日!」



オレたちは手を繋いで家に帰ろうとしたがエクルが1人ポツンとしていた所を声をかけた。



「どうしたんだ?」

「ビワトたちか…いや、何だかめでたい日なのに少し憂鬱になってな」

「そっか…なら今日はオレたちの家で飲んでいくか?」

「いや、夫婦水入らずの所に突っ込んでいく勇気は流石にないぞ?」

「でもたまにはエクルと飲みたいし…ナハトも来るわよ」

「…そう言えば最近は飲んでないなってナハトも来るのか」

「ビワト、このままエクルを連行しちゃいましょう」

「そうだな」




◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



「お前たちは一体何を企んでいる?」と言ったエクルをそのまま連行して途中で合流したナハトも連れお酒のツマミを大量に作り家飲みを開始した。



【ルイゼントナー家】


《リビング》


「本当に泊まらせる気満々だな…」

「それが大人の付き合いと言う奴でござる」

「客間はそれぞれ用意してあるから安心しろ」

「ルヴェルは飲まないのか?」

「えぇ、ワタシがストッパーになるから」

「そう言えば最近になってナハトは候うって言わなくなったな」

「その言葉の使い方が間違ってると上司に去勢されたでござるよ」

「おぉう…ランフェーナさんか」

「おなごは恐ろしいでござる…」

「明日に影響するから抑えて飲まないとだな」

「大丈夫よ、シラフのワタシが居るから」



そしてエクルは用意されたグラスを手に取り飲んだ。

エクルだけ度数が高い奴を。

そうこうしないで数十分後にはエクルは直ぐにほろ酔いになった。



「それにしても…あのノエルが結婚か…時が経つのは早いな」

「そうねぇ…エクルとナハトはそういった人はいないの?」

「拙者はアブノーマルでござるからな…趣味に付き合ってくれる方はそうそう見つからぬだろう」

「我はナハトと同じく独身を貫くと決めたからな…」

「それはどうしてなんだ?」

「………それは………だから…な。悪いが今日はもう休ませて貰っていいか?……久し振りに酔ったな」

「客間までワタシが案内するわ」

「わかった」

「君に案内させるとは…我は不甲斐ないな」

「そんな事なないわよ、ほら立てる?」

「あぁ…大丈夫だ」



◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



《客間》



「ほら、楽な格好して」

「後は自分で出来る……君はビワトの元に行ってやってくれ」

「そう?わかったわ」 



それだけ言うとルヴェルは出ていった。



「………………本当にここまで酔うとは……明日も早いから……寝ないと…」

『あら…面白そうなのがいるわね』

「誰だっ」

『やっぱり魂だけで意識を飛ばすと認知されないのね』

「モーリン元学園長か!」

『あのマッド術式マニアと一緒にされたくないわ。仕方ないから自己紹介してあげるわ。

あたくしは数多の次元を魂だけで旅をする【エルダーサキュバス】のマージュエリーっていうの』

「そのエルダーサキュバスとやらが何の様だ」

『特に用は無いけど…そうねぇ…大昔に封印してくれた腹いせに大魔法使いに意趣返ししてあげようかしら?

すこし痛いから我慢して…ネ?中途半端な可愛子ちゃん』

「!!」





◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇




【ルイゼントナー家】


《リビング》



ルヴェルとナハトと愚痴をこぼしながら話しているとノックもせずにサニカが入ってきた。



「サニカ、慌ててどうしたんだ?」

「今さっきビワトたちの家から禍々しい何かを感じてね。エクルとナハトたちと飲んでるって話を目撃した島民たちから聞いたんだが」



こういう時のサニカは良く感が働くのを知っている。オレたちはサニカをエクルの泊まっている客間まで案内した。



「エクル、悪いがドアを開けさせてもらうぞ」



ドアを開けた物凄くエロい格好をしたグラマーなサキュバスらしき魔人がエクルに覆いかぶさり首を絞めていた。

エクルも必死に抵抗している。



「くっ」

「マージュエリーか!どうしてここに!」

『生まれ変わっても感が鋭いわね……もう気が早いんだから』

「待たんか!」

『待ちませーん!じゃーね〜』



それだけ言うとサキュバスはポンッと消えた。

首を締められていたエクルはベットに力なく横たわった。



「相変わらず逃げ足だけは早い、ビワトたちはルウカとマジェリルカを呼んできてくれ。こちらである程度どんな事をされたか調べておくから」

「わかった!今すぐ呼んでくる!」



オレはリビングに戻るとナハトがいつの間にか居なくなっていた。

ルヴェルに留守を頼みルウカとマジェリルカちゃんを呼びに向かった。



◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



【ルイゼントナー家】


《客間》


「マジェリルカ、君からどう見える?」

「…淫魔系の呪いは掛けられてないが…何か掛けられていのう」

「大丈夫なのか!」

「大丈夫だけど大丈夫じゃない中途半端な呪いだな」

「多分だが呪いを掛けたマージュエリーを捕まえて呪いを解けと言っても本人でも解けないな」

「日常生活に特に影響はないが……暫くすれば目覚めるじゃろう。

ビワトの家で呪われたからヤバい呪いではなく中途半端な呪いになったんじゃな」

「えっそれはどういうこと?」

「サニカ先生が5年前のお前たちに結婚祝いとして送った置物の家具があるじゃろ?その置物が悪意や呪いといった物の効果を半減させる置物でな」

「それなら完全に防ぐ置物だけはなぜか作れなくてね。

ほら軽い奴ならタオやマジェリルカやカーウェンやラブかキリエストに頼めば解けるからさ」



オレたちの結婚祝いの品…。

そこへ「うぃ〜…今帰ったでござるぅ〜」とナハトがオレたちの家に来た。



「今の声はナハトだよな?」

「エクルは寝かせていて大丈夫だからエディスもリビングに来てくれるかのう?」

「……良いだろう」

「お前たちも行くぞー」

「私はもう少し何か出来ないか調べてる」



ルウカの合図でリビングに向かった。



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