静かにキレたオカマの奥の手
【魂のレ※ード□書○】
《記録の※※※》
「…アンタたちそれは本当なの?」
「本当だ、俺たちは【至竜への進化】を捨てて【※※※※※者】になると決めた」
「どうして捨て去ったの?」
「コレから白理達みたいなのが攻めてくる時に立ち向かう方法がこれしか無いからと【至竜】に成らなくても良いかなと思ったからだよ」
「……はぁ…どうしたものかしらね?」
「どうしてため息を付くの?ラブナシカお姉様」
「この二人は悠久の時間をこの肉体のまま完全に死ねなくなりそうなのよ」
「それなら昔と変わらなくないですか?」
「前の時とは訳が違うの」
「ラブからしたら話しづらいだろ?後は俺たちがちゃんと話す」
ルウカが話しだした。
「簡単に言うと昔から使ってきた魔法は一切使えなくなり自ら鍛え直しとなりオリジナルの魔法の理を自身で作らないと行けないのだ」
「それってどんな魔法も作り出せるのと一緒の奴ですよね?それの何処が駄目なのですか?」
「俺とサニカは転生する時は自身で肉体を新たに構築して作らないと行けないのだ。
失敗したらそれこそ不気味な物体として悠久の時間を過ごさないと行けないし記憶の持ち越しも失敗したらただの強いだけの化け物になる」
「事実、どんなに優れた存在になろうとも新たな肉体を作るなんてほぼ不可能な訳で転生が出来ないってこと」
「どうして?」
「私たちは因果率から解放され転生の輪から外れた存在になるから。
…とにかくこれだけ知ってれば言いよ。
私とルウカは至竜と同等の力を行使が出来るようになって何の代償もなく数多の次元を魔法を使わずに移動でき、寿命の概念が完全になくなる。
でも普通に武器やらで攻撃されれば傷が付き死にかけるし、戦闘以外ではその種族の特徴のまま過ごすという凄いのか凄くないのかわからないのに進化する」
「だいたいあってるデスね」
そこへフードを深く被った二人組が現れた。
「もしかして敵ですか!」
「心配いならい。そこの二人組はこれからの俺たちの生きる道での先輩に当たる人たちで、それこそ数億年以上を生きている元地球出身の二人組だな」
「すっ数億年…ですか」
「お久しぶりデスね。遂にあの力を捨て去りミーたちと同じ存在になり得ようとしている者とその教え子たち」
「お前たちの世界にお邪魔させてもらったぞ」
「お久しぶりです」
「……お前たちを殺そうとしていた奴らを追い払っておいたから安心して話をしようではないか」
「え」
「白理たちが攻めてきていたか…」
「それにしても変化している途中デスが…少しゆっくりデスね。何か心残りがあるのですか?」
「いや、心残りはもうないぞ。前前世の時にちゃんと話し合い片付けてきたからな」
「だとするとこの世界をお前たちが作った時に【旅神】が何かを仕掛けたかだな…少し待っていろ。
ルキヲ、少し調べてくれ」
「分かっていますデスぞ?」
(この人たち世界創造に付いて知ってる…)
ルキヲと呼ばれた少年が科学が進んだ世界では一般的な透明な空間に浮かぶ奴……ルウカから説明があって確か【透明ディスプレイモニター】と言われている奴だよな?
物凄い早さでカタカタと何かしてる。
「旅神ってあの人ですよね?」
「【トレニア浮気もどき事件】の時に現れて二人に何かを返した人だよな?」
「そうよ」
するとフードの少年は調べて終えたのか「ユウの言った通りデス。旅神の奴がこれ以上【理から外れた者】が増えないように細工してるデスね」といい放った。
「【理から外れた者】と言うのがあなた様方々なのですね」
「おや、【理から外れた者】が認識できるようになったのデスね」
「ちっ…やはりそうか。ならそのコードを書き換えないとだな」
「その先は言わなくて良いのデスよ。ミーがコードの書き換えをやるので。
ユウは大人しくしていてくださいデス」
また【透明ディスプレイモニター】……長いからもうモニターって訳していいよな?
フードを深く被った少年がとてつもない速度でカタカタと打ち始めた。
「それにしても二人が色々とこの世界の理を弄くってくれたお陰で何もかもが中途半端になってるデスよ。
中途半端に作用しているからほんの少しずつ肉体が変化しているみたいデスね。
本来なら【理から外れた者】に変化できない仕組みになっていた予定だったようデス」
「至竜の差し金か…それともこの二人には【理から外れた者】になって欲しくないのかも知れないぞ?」
「だとしたらまだ引き返せるのね?」
すると性別を超越したオカ……ラブナシカ様が椅子から立ち上がった。
「…貴殿は神族か」
「えぇ、悪いけどこの馬鹿二人組がまだ人間で居られるのであればそうさせてもらうわ。
だからお二人には退場して貰らって良いかしら?」
バカ二人組っていったよな……ラブナシカ様が懐からキラキラ光る何かを取り出した。
「それは……だとしたら我々では敵わないな。ルキヲこの世界での仲間の引き抜きはほぼ不可能だ【理の礎】を持った神族という引き留め役がいるからな」
「そうみたいデスね…ようやく見つけられたと思ったのデスがね……なら用は無くなりました…我々は次の次元に跳ぶとしましょう」
「あっさりと手を引くんだな」
「えぇ、我々は【理から外れた者】ですから」
それだけ言うとフードを深く被った二人組が直ぐに居なくなった。
「あの二人組に取ってそこのお馬鹿二人とアタシたちを含めてその辺に転がる石ころでしかないものね。
それにサニカやルウカ見たいなのは次元を越えれば沢山居るもの。
ビワトちゃんたちには悪いけど今さっき話した事はこの件が解決したら現実でそこのお馬鹿二人組にまた説明させるからね」
「え、それってどういう…」
「ここに居た記憶が無くなるってことですよー」
エンロウさんがそう言い放った。
ラブナシカ様が懐から取り出した物を使用したようだ。
俺の意識が消えていく~。
【魂のレコードの記録書庫】
《記録の保管部屋》
「さて、ここからは自分で自己満足して犠牲になろうとしたお馬鹿たちにお説教の時間よ。
全く、これで何回目かしらね?一応、弁解は聞いてあげるわ。アタシは数多の命を慈しむ女神だから」
「男神だろうが」
「あ"っ?」
「………悪かった。白理たちにどうしても対抗したくて至竜への進化を利用しようとしました」
「ほんとうに馬鹿ね、【理から外れた者】の末路は知ってるでしょうに。
魂が永遠に閉じ込められ、永遠に終わることのない旅をし続けなければ行けないのよ?肉体を失っても」
「そうだが…そのラブナシカが持つ【理の礎】は誰の奴だ?」
「アンタたち…感じ取れなくなったの?」
ラブナシカは本当に驚いた。
「…うん」
「そこまで衰えたの?」
「俺たち自身には術を掛けるとこ無く、自然に流れるままにしたままで弄くらなかったからな。
ルトラウスの前の記憶は6割ほど失ったよ、地球に記憶を持ち越したまま転生した時に自身の代償としてだと思うが」
「そう……とある世界の現役賢者や退役勇者たちみたいにはしてないのね」
「あのぺーぺーの小僧や化け物集団と一緒にするな」
「あなた達もその化け物集団と同じ様に術を体に施しちゃえば良かったのに」
「そこまでは踏み込めなかったんだ…弁解は終わった。煮るなり焼くなり好きにするが良い」
「あら、そう…ではお説教の時間よ?」
ラブナシカはサニカとルウカに正座をさせ自分等がどれだけの事をしたのか、どうして頼ってこなかった、自分等だけで解決しようとするな等の説教を3時間ほど行った。
「アタシが持つこの【理の礎】はとある二人から預かったものよ。
また昔のようにアナタ達が犠牲となって事をなそうとするかもしれないから、いざとなったら使って欲しいと譲り受けたの」
「かなり懐かしい感じだな」
「えぇ、当たり前よ……誰から譲り受けたかは譲ってくれた既に生まれ変わっている子供たちに被害がでないように教えられないけど」
「時間を戻すのか」
「えぇ、あの二人が結婚式をあげた日にね。サニカ、貴女はそのまま至竜への進化の力を自然と失いなさい良いわね?」
「うん」
「ルウカも後5年もすれば至竜への進化の力を自然と失うのであればそれでね。
これからはアタシもクレイバール島に住むから馬鹿なマネはもう止めなさいよ?」
「わかった」
「では託された【理の礎】を使うわよ?」
「いつもスマン」
「良いのよ。アタシとルウカとは創世記の時代からの仲なんだから」
「え」
「本当に幸福だった頃の記憶がスッポリ抜けてるみたいね?魔術とかは覚えているのに」
「その辺は都合上なんだろうさ」
【理の礎】を使用しました。
全ての時間をその時まで戻します。
使われた【理の礎】はあるべき者の元へ戻りました。
【とある地球系列世界にて…】
「あっ」
「どうしたの?」
「今、何か……ううん、気にしないで大丈夫だから」
「わかったのよ」
「…………」
「ほらほら!ボーッとしてたら学校に遅れちゃうわ!」
「あっホントだ」