2度目の人生の始まり
書けるときは更新しますが、更新出来なかったら気長に待ってください。
シルトフォレスト山 中腹
「ふぇ…うぎゃー!」
おれは死んだのか?……生まれ変わってもやっぱりおれは必要ないのか…また親におれは捨てられたのか……。
「爺さん…じゃなかったルトラウス居たよ!」
「ホントに居たぞ」
「ふぇ…(えっ)」
婆さん…爺さん!また会え……えっ…若くね?しかも声も若い……老人じゃない…!…それにルトラウス?…聞いたことあるぞ…何だったけ?…生まれ変わったんじゃないのか…巻き戻ったのか…?…眠くなってきた…くっそ赤ん坊の体力はそこまで…。
「お帰り…であってるか?」
「赤ん坊の頬っぺたは最高だな……寝たな」
「豪胆な子だねぇ…このままいたら赤ん坊が風邪を引いてしまう」
「俺たちの家に連れて帰るか」
「やはりこの子を私たちの手で育てるのかい?」
「【巻き戻しのブローチ】が壊れとたんに物凄い魔力を感じ取ってここに来たら、この子がいたと言うことは…一度目に俺たちがこの子に渡して後悔が残る人生を味わったんだろう」
「私たちがブローチを渡したと言うことはこの子は悲劇の星の元に生まれたのか…なら今度は後悔がないように老人の振りをするのはやめた方がいいかね?」
「今まで育ててきた子供たちにはバレてるしな!…ぽかんって表情してたのは俺たちの正体がバレてなかったと言うことか」
「前回の私たちの様に後悔しない様に鍛え上げようか」
◇◇◇
おれの名前はティルクス・アシュクラスト、名前はばあちゃんが名付けてくれて苗字はじいちゃんのを貰った…前と名前は同じで変わったのは苗字が付いた事、それでいておれの常識が外の世界で効かなかったのとバケモノと呼ばれた理由がわかった。
じいちゃんの名前は【ルトラウス・アシュクラスト】三千年前に起きた人魔竜戦争の始まった年代に生まれ味方と敵からは【光斥の魔導王】と呼ばれていた賢者だった。
じいちゃんが長生きの理由は先祖返りで天使の血が出たかららしい…そう言えばじいちゃんの背中に光の羽が浮き出て空飛んでいたな…じいちゃんにお迎えが来たんじゃないかっていつも泣いてたよ…ばあちゃんの事は今度教えるよ。
それからおれが前回の記憶を持っているのは百も承知だったと言っていた喋り方は年相応で話すように仕込まれた…解せぬ。
おれが前回の記憶持ちなのが解っていたのは、昔作ったヤバい機能を持ったブローチが突然壊れて、おれが拾われた所にとてつもないほどの魔力を感じ取っとたからだそうだ…爺さんと婆さんじゃなく、じいちゃんとばあちゃんと呼べと言われた…解せぬ。
そして今は拾われてから八年が経ちシルトフォレスト山の麓の森でじいちゃんと追いかけっこして速く走れる様にと体力をつける訓練をしていた。
「待ってよーじいちゃん!」
「テス!速く来ないと足場の木が移動するぞ!」
「くっそー…こうなったら【ハイブースト】」
「もうハイブーストを使えるようになったか!」
「あっ!じいちゃんあっちに美味しい大きなトカゲが居るよ!」
「まだ狩るのは規制されてないはずだ!俺が教えた魔法を使って仕留めんるだ」
「うん!【ライトニングブレーカー】!」
大きなトカゲを数多の光の剣が貫き刺さりドシンっ…とその場に倒れた。
「このトカゲを麓の村に持っていっておすそ分けするか」
「うん、おれたちだけだと食べきれないもんね」
「それに鱗とか羽が加工品として重宝するから物々交換してこよう」
「うん!」
じいちゃんが大きなトカゲを収納魔法を使って閉まって麓の村に競争しながら向かった。