新婚さんとぬいぐるみとオネェさん
「……あれ?ビワトが居ないわ…朝ごはんの準備かしら?…ワタシたち本当に夫婦になったのよね?」
ルヴェルは自身の左の薬指に着けている結婚指輪を見て微笑み左手でそっとお腹に触れた。
「……なんとなくだけど暫くは……いつかワタシたちの元に子供が来てくれるまではビワトとたっくさんイチャイチャするんだから」
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【ルイゼントナー家】
《リビング》
「…今日の朝食は負担のないものにしてやりたいな…何がいいかな?…ルクリスばあちゃんに色々と仕込まれたからな」
そこへルヴェルが部屋着姿でやって来た。
「おはよう、ビワト」
「おはよう、ルヴェル。大丈夫か?」
「えぇ…竜なのだから丈夫よ」
「……今日は二人して休日だからな…何をして過ごすか?それと朝ごはんは何がいい?」
「今日は夫婦になって1日目からビワトに甘えてイチャイチャしたいし…朝ごはんはホットケーキが良いわ」
「了解、それじゃ今から作るから楽な格好をしていてくれ」
「うん」
食事の時に夫婦になって始めての朝食をとり時間で朝の10時に家の外にでた。
【クレイバール島】
《広場》
「おっ!お二人さん!朝からイチャイチャしてるわね!」
「もう茶化さないでミナオ姉さんたち」
「うふふっ羨ましいわ」
「それじゃね、アタイらはピンクの楽園の方のブティックやらを散策してくるわ」
「この島の洋服たちのデザインも最高なんだけど向こうにある洋服たちも良いのよね」
「それじゃ、気を付けてね」
「えぇ!」
ミナオ姉さんたちは広場にあるゲートを通って行った。
『我が創造者よ、おはようでございます』
「おっおう…シューゴも元気そうだな」
『はい!元気です!今日も特に島に異変はありません!』
「シューゴは凄いわね…島全体をサーチして異変がないか調べられるものね」
『それもコレも創造者であらせられるビワト様とマウル様が我を造り自我を持ったのはこの島に暮らす人々の純正な魔力を浴び続けたからです!ルヴェル様も幸せそうで我は嬉しいです!』
オレとマウルで作ったあのぬいぐるみがある日突然に自我を持ったのはオレもマウルも驚いた。
特にルウカの興奮ぶりがとてつもないほど凄かったのを覚えている。
そして今は島の守護神となり日々オレたちの生活をのz…見守ってくれている。
このぬいぐるみさんは自身の魔力を使い浮かんで動き廻ることもできるので最初の頃は…少し怖かったです。
「シューゴ、浜辺の方に行きたいんだけど誰か先約が居るか?」
『はい、今はノエル様、ヤライ様、ナハト様、フィン様、マウル様、ソグル様たちがピクニックと言いながらもお見合いをしてます』
「男女の比率が変なんだけど」
『確かに男性:5女性:1ですね』
「何してんだアイツらは…特にソグルさん」
『ノエル様が「あのビワトが結婚した…わたしも頑張んないと」と意気込んでおられました。
ソグル様もビワト様が結婚したのを見てかなり焦ってました』
「だからって年下に行くんか」
『確かに結構な年の差ですね』
「ノエルも何してるのよ…そして男たちも」
「ミナオ姉さんたちを含めて島には年頃の女性は居るんだがな」
『そればかりは仕方ありません。島長(ルウカ様)と姉御(サニカ様)が昔作り出した教育を受けて育ち、かなり身持ちが硬い女性たちに育ったのですから。ですが心配は無さそうです』
「どうして?」
『ヤライ様とノエル様が結構いい感じですから』
「おー」
『ナハト様は心配は及びません』
「どうしてだ?もしかしてもう居るのか?」
『ナハト様は※%△□◇☆※野郎でございます』
「Ou……」
聞かなきゃ良かった。
「…人それぞれよね」
「…だな」
「新婚夫婦が朝方からデートしてるなんて平和ねぇ」
「あっラブさん」
『おはよう、ラブちゃん』
「えぇ、おはよう」
「何か用事でも?」
「えぇ、モーリンをシバく準備を進めるのに必要なブツを取りに来たの」
「こちらもわりと黒かった」
「それにサニカとルウカの様子が少し変だし。だからと言って危害を加えるとかじゃないって言うのは分かるんだけど…不思議な感じなのよね」
「その辺は良く訪ねているので様子を見る様にしておきます」
「うふふっありがと…じゃあまたね?」
ルンルンとラブさんはクレイバール図書館に向かっていった。
マジェリルカばあちゃんと一体何の取引をするつもりなんだろうか?
「……良からぬ事を考えているのは誰にでもわかるわね」
「ははっ」
『悪いことに使わない見たいですからね…きっと大丈夫でしょう』
「その時が永遠と来ないことを祈りたいな」
『暫くは大丈夫でしょう。暫くは』
「不安になることを言わないの」
『あっ砂浜で面白いことが起きましたが……聞きますか?』
「いや、いいよ。どうせ後で報告に来るだろうから」
「シューゴまたね、これからワタシたちはサニカたちの所に行ってくるから」
『はい、また!』
オレとルヴェルは手を繋ぎながら澄谷家に向かった。




