バージンロード
【クレイバール島】
《クレイバール教会…バージンロード》
………朝起きてごはん食べて歯を磨いてソファーに座ろうとしたらルウカに連れ出され花婿の衣装を着させられて立たされているけど……結構な時間が立ってるんだけど?
「…花嫁がなかなか現れないんだけど」
「そうだね、かれこれもう2時間立ってるね」
「参加者たちが花嫁が遅いぞって騒がないで大人しくしてるの怖い」
「……ルヴェルはビワトと同時に支度していたから大丈夫さ」
「うん」
誓いを立てる神父役をサニカがやっている。
すると突然ドアがバァン!と大きな音を立てて開いた。
サニカと共に「ん?」とドアの方を向くとルヴェルらしき何故か所々に血が飛び散っていたドレスを来た花嫁が現れた。
「え」
「血染めのウェディングドレス…一体何が」
サニカ、不安になる事を言わないでくれ。
「ビワト、動くんじゃないよ?」
「あっあぁ……大丈夫か?」
ルヴェルらしき花嫁が来ているのを見て参加者たちも驚いていたが血染めのウェディングドレスを着た花嫁を見て引いていた。
「あれ?花嫁の父親役が居ない…」
(俺はこの先の夫婦生活がちゃんと出来るか怖いんだけど)
「…どうなってるの?」
今回はサニカも初めて経験したみたいで困惑している。
花嫁がついにオレの近くに来て止まった。
「るっルヴェル…だよな?…どうしたらそうなるんだ?」
「少し邪魔が入ったの…ルウカが対応してくれてね」
「…大丈夫なのか?」
「心配はないだろうさ。ルウカが引き受けたならやりきるよ」
「そうか」
「【浄化】……では…始めちゃうか。………ビワト・ルイゼントナーはルヴェルを妻とし健やかなる時も病める時も共に力を合わせてお互いを尊敬し死が二人を分かつまで永遠の絆愛を誓いますか?」
サニカがルヴェルのウェディングドレスを綺麗にした。
今日からついにアシュクラフトの姓から抜けて新しい姓を結婚と同時に新しくしちゃうかという提案に乗りオレはルイゼントナーと名乗ることになった。
「誓います」
「ルヴェル…健やかなる時も病める時もビワト・ルイゼントナーと共に力を合わせお互いに尊重し死が二人を分かつまで永遠の愛を誓いますか?」
「はい。誓います」
「では、誓いのキスを」
ベールを外すとルヴェルが涙めになっていた。オレはルヴェルとキスをした。
そして指輪をお互いの左の薬指にはめた。
「ここにて若い夫婦が誕生しました。星の泉に植えこの島の全ての命を見守る命樹の加護があらんことを!」
するとカランー…カランー…と美しく鐘の音が鳴り響いた!
そして披露宴に移った。
【クレイバール島】
《広場》
「遂にビワトも結婚かー」
「ですねー」
「我々も適齢期になり始めているで候う」
「それにしてもルヴェルが着たウェディングドレス、すっごく綺麗でしたね~憧れるです」
「きっとノエルも着るときが来るわよ」
にこやかに会話をしているとルウカが少々ボロボロの姿で現れた。
「ボロボロじゃないか!」
「やはり間に合わなかったか。だかルヴェルを無事に会場に行かせることが出来たんだ…本望だ!」
「その辺は感謝してるけど…大丈夫なの?」
「大丈夫だ」
「無茶だけはするんじゃないよ?」
「無理はしてないぞ」
本当に何の邪魔が入ったんだ。それも乱闘するくらいの奴が………だとしたら今回はルウカに感謝しないとだな。
「ルウカ、ありがとう」
「どういたしましてだ。ある程度したら今日は寄り道もせずに自宅に帰れよ?今日は素晴らしい日であったと思うためにな」
「はいよ、ルウカが言ってくるってことはそれだけの事があったって事だな」
「はー…わたしも恋愛したいです」
「出来るさ」
クレイバールの島民たちは酔っぱらう事なく穏やかに飲み食いしオレたちを祝福してさっさと家にぞろぞろと帰っていった。
オレもルヴェルと共に夫婦として家に帰った。
【ルイゼントナー家】
《リビング》
「遂にオレたちは夫婦になったんだよな?ルヴェル、今日はオレたちにとって…夫婦になって初めての夜だな」
「えぇ」
ルヴェルを良く見ると顔がかなり赤い…緊張しているみたいだ…俺の心臓もバクバクと脈を打っている。
二人で風呂に入り結婚したら使おうと約束していた部屋に向かった。
そろそろ集まる時間だね……おや、誰か覗いているみたいだ。
これから集まった人たちで話すことはバットな事や確信…これからのほんの少しの下らない?ネタバレを聞くことになるけど良いのかい?
………それでも聞きたいって思うなら下に行って覗くと良いよ。
【ここはサニカの夢の中の空間】
「これで全員揃ったな。話を始めるぞ」
「……俺の愛息の結婚式を直接見たかったーー!!」
「後で映像を送ってやるからそれを見て満足してくれ」
「悪いね、フジトラ。お前に二重スパイをさせることになって」
「良いんだよ、サニカ先生。息子たちを守ることに繋がっているんだからな」
「それで動きはどうなんだい?白理たちは来ているのかい?」
「マジェリルカのバーさんの心配はあってる。この世界にも精神体で干渉してきてるぜ?」
「やはり外側の観測者に負けて力を蓄えるために干渉し始めたか…既に至竜の力はこの世界から消えその辺の世界と同じに戻ったんどけどな」
「………やはり何度考えてもこの世界が実は2週目だと言うことが信じられません」
「それを知っているのはオレとサニカだけだからな。この島に植えて育った未来の命樹が未来の俺たちに起きたことの記憶を送ってくれたんだ…俺だって信じたくないが」
「今から約15年後に白理たちが攻めてきたからね。白理たちがクレイバール島の島民を殺し周り生き残ったのはこれからの生まれてくる子供たちと私とルウカとエクルだけだった」
「白理たちは確かにワシらより強いですからな」
「エクルはこれから生まれてくる子供を見守り独身を貫いて子供に教えるのが楽しくなったと教師になった」
「警備から教師になるのか…それでサニカ先生たちの側に居たから助かったのだな」
「…エクルがこの島でベビーブームが到来しているときに1人の子供を拾った事が始まりなんだがな。
その子が立派に育っているなーと思っていたら拾った子供がクレイバール島の結界を白理たちに操られ破壊し白理たちが侵入してきた。
どうにか逃げ切ってこの島で育った子供たちが力を着け白理たちのと最終決戦の時にクレイバールをこんな状況にしたと全責任を取ると白理たちをこの世界から追い出すことに成功したんだが魔力の使いすぎで存在事態が消えてしまってね」
「白理たちを滅することは出来ないの?」
「白理たちは死の概念から外れてるからな。力を失う前の俺たちなら滅することは出来たかもしれんな」
「貴方たちですら出来たかもしれんな、なのですね」
「アイツらは外の観測者たちと同じく死の概念から外れ外側の観測者の様になろうとしてなれなかった奴らだから余計に厄介なんだよ。エクルが育てたその子も…アイツらの様になり掛けていたからね」
「その子が消える時に残した言葉が俺たちの胸に突き刺さっていてな」
「…確かこう言うのですよね?「これで僕は許されたでしょうか?エクルさん、皆、ごめんなさい。………もっと一緒に過ごしたかった…本当の家族になりたかった」って」
「そこに至るまで異世界でたくさん冒険して苦楽を共にしてきたから余計に胸に突き刺さるんだ」
「そこで記憶は終わってるんだよな?」
「うん」
「歴史が変わってタイムパラドックスが起きかしら?心配になるわ」
「ラブさんが心配している事はその時になってみないと分からないね」
そこで一旦、区切りを着けて次の話に移行した。
「それで最近どうなの?転移した島は」
「超カオスになってるぞ。モーリンは容赦なくヤバい薬とか作って環境破壊してるし、トレニアなんてあれから6人の妻を娶りハーレム形成して好き勝手やってるし荒れ放題だよ……俺の従竜であるルーギュストがトレニアによってハーレムに加えられたしもう散々だ。
ルディオスとビスカたちも疲労とか溜まってきてるしそろそろ爆発するかも」
「うわー…絶対に行きたくねぇ…そんな場所」
「フジトラの身の回りは大丈夫なのか?」
「どうにかな。先生たちが俺に渡してくれた【日天の宿屋の鍵】と【輝石】のお陰で助かってるよ…でもそろそろ限界と言いたい」
「日天の宿屋を回収しようとしたけど…先延ばしした方が良いな」
「……もし何かフジトラたちでも解決できない異変が起きたら逃げて来なさいよ?」
「わかってる」
「アタシはモーリンをシバく準備を始めないとかしらねぇ……ふふふふふふっ」
「「ひっ!」」
「今日の所はこの辺で終わりにしようかね。また何か合ったら来て話し合いをしよう」
「ですね…ではおやすみなさい」
「おやすみなさい」
「……帰ったね?」
「おう、帰ったな」
「私たち自身の強化はいい感じに進んできてるけど…本当に良いんだね?」
「俺たちも遠慮してスキルを取っていたが俺たちの更なる肉体の進化を進めよう。至竜への進化の道はもう完全になくなっちまうけどな」
「…まさか転生生活が始まる前の人生の時に保留していた力を使えたとは意外だったね…それに君も私と同じ様に力を持っていたとは…」
「その辺はお前さんより悠久の時間を生きていたからな」
「…だね。……はー遂に私たちも本物の化け物になるのか、少し複雑だよ」
「今回の件は白理や黒司たちに立ち向かうために必要だからな。場合によっては滅することも可能になるだろう」
「…サポート型とアタッカー型で別れるんで良いんだよね?」
「それが良いだろう。それに今日がお前が移行できる最後の日なんだろ?」
「うん、ギリギリで気づいて良かったのか……ルウカ、本当に良いんだね?例え生きることが苦しくなってもそう簡単に死ねなくなるからね?」
「その辺りの事は分かってる。お前が隣に居てくれればどうにかなるだろう。一人だと厳しいが二人なら…分かち合えるからな。お前の方はどうなんだ?」
「私もとっくに腹を決めてるよ」
「…これから歩む悠久の人生もよろしく頼むぞ?親友」
「わかってるよ、親友」
「始めるよ?」
「あぁ」