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元勇者の転生人生記録  作者: 冬こもり
【2度目の人生編~世界散策の章~】
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シルトの住人に喧嘩を売ると基本的こうなる

【裁縫師の仕事場】



「コレ……どうしたらこんな巨大なぬいぐるみが出来るの?」

「なんか…調子こいたら出来た」

「どこに飾るの…コレ」

「街の広場に飾れば良いんじゃね?」

「え…コレを飾るの?」

「御神体として拝めれば行けるか?」

「…………コレが御神体」

「祭で使えば良いんじゃないかしら~」

「おばあちゃん…」

「良い出来だから~飾っちゃえば~?」

「ばあちゃん、少し外すな。ビワトと二人でこのぬいぐるみを広場に置いてくるわ!」

「ふふふ~…行ってらっしゃい~」

「もう、兄ちゃんたちは!おばあちゃんも止めろよ!」

「別に良いじゃないの~このクレイバール東側の守り神になるわよ~」

「え」





◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇




【クレイバール島】



《東地区の広場》



「この辺で良いよな?」

「この変なら邪魔にならないだろう」

「ねぇ…コレは一体何なんだ?」

「あっリリンじゃないか。仕事はもう終わったのか?」



リリンとはマウルとフィンの同級生で半年前に【クレイバール警備隊】での職業体験の時にいた人物である。



「終わるわけないでしょ?ウチは休憩中でサニカ先生の所に行ってケーキ食べに行く途中よ」

「そうか」

「この巨大なぬいぐるみはビワトとマウルの二人で作ったの?」

「うん」

「どうしてこの広場に置くのよ」

「御神体として崇めて貰おうかと」

「拝めるって誰が」

「通った人たち?」

「……コレが御神体ねぇ……排除されないように気を付けることね」

「へーい」



それから暫くすると怒鳴りながら一人の男が現れた。



「貴様がルヴェルの男か!!」

「「ん?」」



オレとマウルは怒鳴った男の方に振り向いた。



「どっちがルヴェルの男だ!!」

「さっきからルヴェル、ルヴェルとオレの恋人の名前を偉そうに読んでんじゃねぇぞ?」

「貴様がルヴェルの……貴様!ルヴェルと別れろ!!貴様より吾の方が相応しい!」

「いきなり訳のわからんことを…ルヴェルを含めた竜は1度どパートナーを決めるとよっぽどの事がない限り変えることはないよ?アンタ、それ知ってんの?」

「何だ!貴様も偉そうに!」

「何だか面白そうなことをやってんじゃねぇか」

「ソグル兄ぃだ」

「誰だ!」

「俺は鮮魚店の店長だ。お前が話すとややこしくなりそうだから簡潔に解決する方法を提案してやる。この広場で一対一の決闘しろ」

「それは面白い!下民が吾に勝てるとでも!」

「何で決闘しろって言うかなー」

「ビワトもコイツがウザいしさっさと解決したいだろ?」

「まぁそうだけど……わかったよ。アレをすれば良いんだろう?」

「そうだ」

「もし吾が勝ったらー以下攻略ー」



ソグルさんが立会人となり決闘が始まった。



「ふん!弱い!弱い!やはりシルトの住人であろうと訓練を受けていない奴らは弱い!ただの一般人だ!」



オレは偉そうな男の攻撃を避けることなく全て抵抗せずに受け入れ攻撃を受けている。

いつの間にかギャラリーが増えている。



「ふん!コレで終わりだ!!」



偉そうな男は止めと表してオレの腹に1発重たいのを入れた。

オレは昔からのルールに乗っ取り受け身を取らずに地面に叩きつけられた。



「ほう、ルヴェルも来ていたか。探す手間が省かれたから良いとしよう」

「……………」

「ルヴェル、コレでわかっただろう?あんな小僧より吾の妻になった方が良いと。さぁ、今すぐ吾の妻になれ」

「はぁ~…アナタは何も分かってないわね?…ソグルさん、この人に関してどうして決闘に向かわせたのよ。可哀想じゃないの」

「何を言っている。吾は勝ったのだぞ?決着は着いたではないか」



オレはソグルさんからの合図を待っていた。



「ビワト、そろそろ良いぞ。この可哀想な野郎に引導を渡してやれ」

「おっもうヤられた振りを終わりにして良いのか?」



オレは何事もなかったかのように起き上がり服を整えた。



「!?」

「ルヴェル、ごめんな」

「良いのよ。シルトの住人たちには徹底的な外の住人との実力差があるから1度は相手に花を持たせるようにと言うルールがあるのだから」

「何…だと?」

「それに今回は外の住人たちが最近シルトの元住人たちに因縁を着け始めて来た事での牽制のためにやってるのでしょ?」

「俺はなんの事か知らねぇな」

「良し、それじゃ反撃開始と行くか!」

「なー



オレは向こうが何かを言う前に顔面に向けて拳を振り上げ頬を殴り飛ばした。

偉そうな男はかなりの距離を吹き飛び空き家の壁に腰から上が家の壁に突っ込んでいた。



「はい、終わり。後でタオさんの元に運ばないと」

「おぉ~嫌みな野郎に一泡吹かせてくれたわ」

「あらリリンも居たの」

「休憩中だったけど巻き込まれたのよ、ルヴェル」



そこへ独特の足音をならしながらオーg………ウヌ様が現れた。



「流石はフジトラの息子だな」

「あっルディオス総長!」



ウヌ様は家の壁に突っ込んでいる偉そうな男の元へ向かい、壁から引き抜きその場です巻きにして男を引きずりながらこちらに来なさった。



「悪いがこの愚か者にはそれなりの処罰をするからグーパン1発で許してやってくれないか?」

「もう少しヤりたい気持ちはあるけど、それなりの対応してくれそうだから宜しくお願いします」

「うむ、任せろ。こやつは1度タオの元に運ぶとしよう」

「リリン、ルヴェルはこのまま仕事を終わりにしてくれて良いぞ。ちゃんと1日分の給料は引かずに出す」

「「了解しました」」

「ソグル、後で我々の元へ来い良いな?」

「む「来るよな?」

「はい…」

「観戦者もさっさとそれぞれの持ち場に戻れい……何だこの巨大なぬいぐるみは…」

「御神体です」

「コレが御神体だと…」

「ルクリスばあちゃんがゴーサイン出したんです」

「……あのお方も相変わらずと言うことか…まぁ通行の邪魔にならなければ良いのではないか?」



それだけ言うとウヌ様はあの独特の足音をならしながら去っていったの見てギャラリーもバラバラに散っていった。



「ルヴェル、いきなり喧嘩を売られたんだか…この後オレたちの作業場でどうしてこうなったか話を聞かせてくれないか?」

「良いわよ。ルディオス総長もこのために仕事を終わらせてくれたのだろうから」

「アタシもフィンたちに会ってこよう」



◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


【裁縫師の作業場】



《新人の作業場》



「その辺にある椅子に座ってくれ」

「……何このファンシー部屋」

「わ~…」

「結構このぬいぐるみたちは人気なんだが」

「ますます…乙女化が進んでる」

「別に乙女化は進んでないわよ~」

「ルクリスおばあちゃん」

「大変だったわね~でも何事も無く良かったわ~マウルとビワトもそれぞれぬいぐるみを5つ作ったら今日の作業を終わりにして良いわ~」

「了解ー」



ルクリスばあちゃんはそれだけ言って持ち場に戻った。



「……一瞬、他の作業場が見えたけどなんかビワトたちよりヤバくない?何あれ」

「……一瞬で警備隊の服を作ってたわ」

「いずれオレたちもあの次元に行くんだろうな」



少し話は外れたが偉そうな野郎の事やシルトの住人であるオレにケンカを吹っ掛けてきた理由がわかった。



偉そうな野郎の名前はクインツスという【アメユキノ龍国】という竜人たちが多く住む国出身で身分の高い人物であったそう。

最近になりシルトの元住人たちが外から来た人たちに対して手加減をしていたら「もしかしてシルトの住人ってそこまで強くないんじゃね?」と勘違いし煽り始めてらしい。

ルディオスさんたちはその事に関して対策を取ろうとしているところにアイツがルヴェルを見てもしかして奪えるのではないか?と思い立ち今回の事が起きたようだった。



「アレ、ウザかったのよね。なんかこうあるべきだと高圧的で気持ち悪かったし、フジトラ様からは相手からちょっかいを掛けてくるまで待てと言われてたの」

「今回の事で外から来た人たちと険悪にならないと良いけど」

「…そういった問題は共同生活が始まってから直ぐに出ていたのよ。ルディオス総長たち一部の人たちはシルトの住人たちの強さとか知ってるからね、そこまで揉めないんだけど」

「今回の事が起きる前提であることを作ってあるらしいから揉めないと思うわよ?」

「あること?」

「その辺は教えてもらってないのよ。末端の隊員だから」

「そうかー」

「そうなの」

「……明日にはなんかの発表があるだろうさ」

「マウル、最後にまとめたな」

「うん、もうぬいぐるみ作りは終わったから早く家で休みたいから。ビワトもそうでしょ?」

「もう縫い終わってる…」

「それじゃ帰ろう?」

「そうだな。オレはマジェリルカちゃんに呼ばれてるから図書館に寄ってからだな」

「せっかくだしワタシも着いてくわ」

「熱々ですな~」




図書館に寄ってマジェリルカちゃんに頼まれた特製ぬいぐるみを渡してから家に帰ってルヴェルと夕食を取って二人でのんびりしてから寝た。






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