職場体験をしよう!
【クレイバール島】
《クレイバール港》
「漁師の仕事は朝が早い、場合によっては何日も船での生活をしなければいけない時もあるからな。今はまだ海に魚を放ったばかりだから漁に行かないがな」
「シルトの山に居たときはどこで漁をしてたんだ?海はなかったよな?」
「あっそうか、ビワトは知らなかったのか」
「なにが?」
「シルトの山の北側に30キロ進むと海に出る場所があるんだよ」
「そんな近くに海が在ったの?」
「30キロを近くと言うかお前は…」
「俺たちシルトの連中に取って30日キロは「軽く走って来る」と同じだから」
「…………」
「ソグル、そろそろ次の職場体験に送り出す時間だね」
「もうそんな時間か…初めての割には良くできてた。次の職場体験も頑張れよ」
オレとエクルは港から次の職場である警備隊の砦に向かって行った。
【クレイバール砦】
「はい、次は腹筋1000回始め!」
「うひぃ!きついです!」
「………………ぬおぉ…」
「警備隊は街の安全を守る役目だ!暇な時間はない!街の見回りがなければ訓練!その日の記録を取る役割は書き終えたらちゃんと記録を元の場所にしまい訓練に参加しろ!」
「おぉ…」
「声が小さい!」
「ひぃー!」
「シルトの人たち凄すぎですぅ~」
「ビワトも普通に着いていってる…」
「兄ちゃんたち頑張れ!」
「年下の子供らに負けてるとは……情けないでござる」
「悪ガキ3人組は居ないのか」
「ワックたちならフアネリア婆に連れられ畑仕事してるんじゃないかな?」
「そうか」
「まさか……ふぅ……これだけシルトの子供らが街に残っていたとは」
「向こうの世界に残った3人組は9歳だったから学園に連れていって貰ったんだ。ウチらは12以上の年齢だからね」
「そう言えばあなた達は学園に通わなかったのですね」
「うん、シルトの私塾で勉強すれば充分やっていけるから」
「……計算問題とかで負けてヤライは泣いてましたね」
「シルトのおなごたちもこの警備隊に入るでござるか?」
「んー…分かんない。ウチらもビワトと同じく職場体験して決めようと思ってるから…あっそろそろ次の職場体験の時間だ。次に行きましょ?」
「じゃね」
「ばいばーいっ」
年下組が鬼教官のメニューを軽く済ませて去っていった。
「ビワトも我の事は放置してさっさと行くがいい」
「いや…次の職場体験までまだ時間あるからオレも久し振りにランフェーナさん(元シルトの警備隊 副隊長)に鍛えて貰うよ」
「その心意気、良いじゃないか!」
「ひぇ~!」
「………ふっ」
この後たっぷり1時間ほどしごかれたよ!
【クレイバール図書館】
《受付》
「………………………」
「………………………」
「どうした小僧ども。なにか言いたげじゃが?」
「図書館ですることじゃないと思うけど。だから魔法屋って言われるんだよ」
「図書館にちょうど良い資料があるものでな。つい試したくなるのじゃ」
受付係をオレとエクルはやらされているが受付の少し離れた広い場所ではヤライとエンロウさんが怪しい儀式みたいなのをして何かを作っている。
「今は何を作っているのだ…」
「石化解除薬じゃよ。古の風の勇者の様にはいかんがな」
「何かヤバい儀式してるみたいに見えるんだけど」
「まぁ…古の黒魔術と同じようなものじゃからな」
「原住民の様な格好をしてウホウホと槍を上げ下げしてるのは何で?」
「それは知らん」
「マジェリルカちゃん…」
図書館では特に何の異変もなく穏やかに終わり現地解散した。
そして夜の時間帯になるとサニカとルウカが島全体に朝と昼と夜が正しい時間で順番で来るようなったと知らせが来た。
すると大人たちはここぞとばかりに【日の出を見る記念日】とい記念日を作り上げた。
オレとルヴェルは少しのんびりしてから二人でその祭りの会場に向かった。
【ビワトの家】
「少し気になることがあるんだよ」
「どうしたの突然」
「あの魔結晶の洞窟でのやり取りで気になった点が幾つか合ってな。当人たちから話を聞こうかと思って」
「魔結晶の洞窟でのやり取りね」
「親父たちに顔を出したら聞きに行こうか」
「そうね。ワタシはどこまでもあなたに着いていくだけよ」
「ありがとさん」
「どういたしまして」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
【クレイバール西区の大広場】
「あっ、モーリン学園長だ」
「大人たちも随分と騒いでるわね」
「あ"ぁ"ぁ"!?また負けた!」
「本当に懲りないな……」
「それがば「あ"?」学園長クオリティーと言う奴だろう」
親父殿は学園長の事をババアって言おうとしたよね?
「それより職場体験はどうだった?」
「皆凄いなぁ…て思った」
「ビワト、お前ならどの職に着いても平気だろう」
「だろうね」
「フジトラ!もう一回!もう一回麻雀やるわよ!」
「そのセリフ何回目ですか」
「あー…かれこれ5回目じゃないか?コレで王手だな」
「ちょっ!ヤスバ」
「モーリンよ、ロイヤルストレートフラッシュだ」
「あ"ぁ"ぁ"ぁ"!ルディオスゥウウ!?」
「3ヶ所同時かい!!」
「いや、違うぞ」
「ソグルさんもいたんだ」
「…6ヶ所同時だ」
よく見るとエンロウやエディスさんも何かのギャンブルに手をつけていた。
「相変わらず弱いな」
「もしモーリン先生がギャンブルに勝ったら誰か亡くなりますからね」
「何か縁起の悪い事を聞いたんだけど?」
「子供らも騒いでおるわ」
「じっちゃんもやってたんだ」
「それにしてもよく来れたね。学園長」
「ポータルを設置したのよ。コレでいちいち空路や海路を通らなくても行き来出来るでしょ?」
「だからってギャンブルを子供らが居る所でやるのかい」
「その子供らに5回も負けてだっせぇって言われてましたよ」
「ふふっ」
オレとルヴェルは挨拶をして大人たちがギャンブルしている場所を離れオレたちは澄谷家に向かって行った。
…サニカとルウカが暮らしている家については澄谷家と呼ぶようになった。
理由は「家を管理しているのは私だが…色んな場所で名前を連呼されると何か…」と顔を赤くして言っていたから。
そして二人のDNAの検査をしたところ兄弟とか出はなかった……赤の他人だったらしい。
髪の毛のメッシュに関しては何かの拍子で混じり、そして肉体は一般ピープルと同じ水準だそう。
前前世の時の様には行かないだろうとの事であったが今から鍛えれば多少は強くなれるとい意気込んでいた。




