これからの生活につきましては…
「ふぁ~……」
「おはよう、ビワト」
「うん……おはようで良いんだよな?」
「たぶん」
外の景色を見ると外は暗い。でも明かりがちらほら見えるから活動を始めているみたいだ
「オレたちも朝飯食べて行くか」
「今日は焼き魚定食を作ってみたの」
「おぉ…!」
「……魚は少し焦がしたけど」
「大丈夫、焦げたぐらいが美味しいよ」
ルヴェルが作った川魚の塩焼きはマジで美味しかったです。
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【クレイバール島】
《クレイバール公民館》
「皆、集まったな。では第1回定例会を始めようと思う」
「ちょっと待って」
「どうしたビワト」
「エンロウさんが死にかけてるんだけど」
「飲みすぎました……暫くはこのままですので気にしないでください…」
「エンロウは置いて、今回は警備班や漁師と言った様々な役割についての議題です」
50名の人数が様々な意見の交換を始めた。
「これまで通り俺はたちはこの島に生える木や家や農具など道具の管理をさせてもらいたい」
「ヤスバはそうだよな」
「なら自分たちは医院で怪我人や病人のケアに回るネ。薬の製作はエディスやマジェリルカの婆さんたち魔法屋に任せるヨ」
「あたしゃ図書館の館長であって魔法屋じゃないぞ」
「タオ…お前って」
あっエディスさんの角が折れてる…昨日の話し合いでなにがあった。
「農業や牛や羊と言った魔物はあたいらが世話をするよ」
「フアネリア婆さんたちがやるのか?大丈夫か?」
「フジトラの小僧。年寄りをなめるんじゃないよ」
「ご隠居をなめる分けないだろ。現役相手に喧嘩を売る暇はない」
「漁は俺とお袋が受ける」
「ソグルとソヨミ婆さんだったら平気か。漁や農業関係は外からきたふらふらしている若いのとかを使えよ」
「警備隊の人選もしないとですからね」
「その辺はフジトラたちがやるんだろ?」
「おう、その辺はルディオスと意見を交換しながらシルトの若いのからも数人引き抜きながらだな。新しく来た子供たちは様々な事を経験してもらってそれぞれが得意としている所に配置しよう」
「それと教育に付いてはこの島のまだ開拓が進んでいない頂上付近に学校を作ろうと思っている」
「魔術の研究施設とかも欲しいのう」
「ついさっきの発言の通り、カーウェン爺さん一人だと何気に怖いから先生たちにも参加して貰う」
「そっちの方が怖い気がするゾ」
「そう言えば何でオレだけが呼ばれたんだ?」
「お前の世代代表としてだ。そしてビワトはこれからどうするんだ?」
「…少し考えてる」
「お前は近い将来一家の大黒柱として支えることになる。よく考えて決めるんだぞ」
「うん」
「あと、ピンクの人たちとの交流についてなんだが…」
「それなら私とルウカでやるよ。ラブと話したい事とかあるから」
「そうか、わかった」
「了解しました」
「ふむ、これなら文句ないな」
「賛成だヨ」
その後は特に問題も起きずに進み内容は島の掲示板に貼り出すと言っていた。
内容はこう書いてある。
これからの生活についての話し合いの結果、今まで通りの生活にもしもの時のために警備隊を発足します。
そして明日からこの島での本格的な農業や漁の開始し後に生まれてくる子供のためにもより良い生活を作り出しましょう。
もしこの島から違う島に移りたいと言うか方はクレイバール公民館に相談役であるリックス(ギルドマスター達の元締め)とマーテル(元ギルドマスター)を置いておくので相談してください。
生活用品に関しては【日天の宿屋】に行けばいくらでも手に入るそうなのです。
そこにも信頼できる管理人を置くそうですので安心してお受け取りください。
「こんな安定した生活だと……なんか怠惰な感じになってグダグダしそう」
「娯楽もないからな…探検隊も作って数ヵ月に1度この世界を探索しよう」
「娯楽ありますぞ」
「チェスと将棋と五目並べとか?」
「お爺ちゃんの趣味が多いな」
「……シルトの住人はどうやって暇をもて余していたのです」
「夜の山で追いかけっこしたり山狩りしたり釣りしたり…」
「夜の山で追いかけっこ…?」
「結構スリリングで楽しいぞい」
※現実では危ないので夜であろうと昼であろうと朝であろうと絶対にしないで下さい。
「シルトの山全域での隠れんぼも楽しいぞ。決着が着くまで最低で1週間掛かるからのう」
「えっ」
「…最高でどれくらいの期間続きました?」
「最高で3ヶ月じゃな」
「街のご隠居たちが一斉に消えた!と騒ぎになった奴か」
「なにやってるんですか、あの狂暴なモンスターが蔓延る山で」
「楽しかったぞ。あの3ヶ月は冒険していた若い頃に戻ったみたいでな」
「隠れんぼが終わった後は若い子供らにめちゃくちゃ怒られたがな」
「当たり前です」
外からきた人たちの代表はシルトのご隠居をみて引いていた。
「コレで話は終わりにします。このまま生活して不満があるのであれば話し合いをして生活向上のために改革して行きましょう。では解散!」
現地解散となりオレはサニカに頼まれてエンロウさんを【クレイバール図書館に連れていくのを手伝った
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エンロウさんを送ったお礼としてサニカに甘味をご馳走になっているとエクルたちがやって来た。
【澄谷の家】
《リビング》
「おい、ビワト!トレニアが!トレニアが!」
「結婚したんだろ?」
「やっぱりホントなのですね!」
「本人から聞いたんだろ?」
「あの気の強そうな美人さんがだぜ!うらやまけしからん!」
「…トレニアが一番奥手だと思っていたが」
「早いで候う」
「まぁ…向こうの世界の法律では許可されてますけど…手が早いです」
「たぶん、トレニアの女癖の悪さの話を聞けば引くんじゃないか?」
「「「「え」」」」
「それに女癖が悪いからアイツ厄介な呪いが掛かってるし」
呪いの内容を聞いたエクルたちは引いた表情をしていた。
「新婚早々なにしてんだアイツは」
「トレニアの奥さんが覚醒した……」
「まさかのフレイスヴィレッジ家のとんがり頭だった男だと思っていた同期が女性でござるか」
「……しかもビワトの幼い頃の初恋の人だったとは」
「失恋を乗り越えるの早いですね」
「一時期は血迷った事をしたけどな」
「それにしても恋人か……羨ましいぜ」
確かに本当に自分の事を想ってくれる相手が居ると幸せだなと思うよ。
「若い独身の男女は結構いるからチャンスはあると思うぞ」
「……」
「それで、ヤライたちは何の職に付くか決めたのか?」
「つい先ほど島の掲示板を見てきたです。わたしは明日から警備隊に職場体験してくるです!」
「へぇ…ノエルは警備隊か」
「俺は既に職場体験なしでマジェリルカ婆さんの助手に勝手に決められてた」
「え」
「あの婆さん……魔男とは珍しいと囲い込んでやがったよ。それにかーちゃんのことも知ってたしな」
「そっか…」
「拙者もノエルと同じく警備隊に志願したで候う」
「うん、ナハトはなんとなく分かる」
「我は…様々な事を職場体験して合っている職に就くつもりだ」
「それもありだな。…カルエさんは?」
「トレニアの姉であるアザレアさんの元に朝から話し合いしに向かったぞ」
「ビワトはどうするんだ?」
「オレもエクルと同じく様々な事を職場経験して決めようと思っているよ」
「ブナンな感じか」
「…それにしても何をしているんだろ…あの2人」
「怖ぇ~」
「濃密な魔法が充満している部屋から呻き声の様な音がするです…」
「恐ろしいでござる」
「明日から漁師の職場体験するからオレは先に抜けるわ、じゃあ」
「おう!」
「ルヴェルさんによろしくです!」
「そうなるとエクルもだろ?」
「そうだった」
こうして平和な時間を過ごした。